パントマイムをやっている光景を何度となく見てきたが、よくもまあ動かずにじっとしていられるものである。自分がやった場合?まずなんだか鼻の頭が痒く感じられるだろう。すぐに汗をかいてぬぐいたくもなる。トイレも我慢できないな。ああいう銅像になりきるパフォーマンス、やっている人の話が聞けたら面白そうだ。
マジックの世界ではこれらとは逆に、像が一時的に動き出すというデザインのカードがある。《動かぬ生》だ。フレイバーテキストを読むに、このカードはバジリスクによって石像にされてしまったケンタウルスを一時的に解放するというニュアンスのデザインらしい。緑の魔術により、元の動ける身体に戻るよ...と。
ダブルシンボルの3マナのエンチャントで、これが出ただけでは仕事はしない。緑マナを2つ払ってやると、ターン終了時まで4/3のケンタウルス・クリーチャーとなる。何故ケンタウルスなのか?それはオデッセイ・ブロックで緑の主要種族がエルフからケンタウルスに交代したのも理由の1つではないだろうか(後にすぐエルフの天下となるが)。
4/3というサイズは珍しい。このパワーであれば5マナくらいまでのクリーチャーなら相討ちに取れるだろう。一度マナを支払って設置しておけば、対戦相手のクリーチャーは少し殴りづらくなる。この間に飛行クリーチャーで攻めるというのが強い使い方か。
また、クリーチャーであるか否かを任意で決められるのは、ソーサリータイミングの除去をよせつけないという除去耐性でもある。《チェイナーの布告》などは効かず、《神の怒り》さえもどこ吹く風。自身のターンでは4/3という十分にプレッシャーを与えられるサイズになるので、隙を見つけて殴っていこう。対コントロールに強そうだが、同時にコントロール側が《神の怒り》などを使いながら殴れるというのも興味深いポイント。
見た目はかなり強そうだったのだが、結果としてはそれほど使われることはなかった。やっぱりちょっと重たいというのと、当時の緑はこれに頼らずとも十分にクリーチャーが足りていたというのが実状である。しゃーないね。
しかしまぁ4/3というゾウよりも巨大なサイズのケンタウルスを石像に変えてしまうバジリスクとかいうトカゲ、これの怖さが際立つカードでもあるね。一時的にしか元に戻れないとか、被害者の家族は辛そうだ。死んでいないだけましかもしれないが...。
今週は「不動ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/10/22《不動の守り/Steadfastness》
岩SHOW Card of the Day 2018/10/23《揺るぎない信仰/Faith Unbroken》