GP名古屋2018 サイドイベント 旧枠モダン ダイジェスト
by Tatsuo Sekimoto
GP名古屋2018から初めて導入されたサイドイベント「旧枠モダン」。モダンなのに旧枠?と首をかしげるかもしれませんが、モダンで使えるカードでかつ旧枠にもあるカードで遊ぶのが旧枠モダンです
具体的にはモダンで使えるカードで、初出がスカージ・第7版以前のカードのみが使用できます。(条件を満たしていれば再録後のカードも使用可)
さてこの条件で検索するとヒットしたのは892件。900枚にも満たないカード・プールですが、驚くほど奥が深いです。その魅力をフォーマット発案者のナリタさんに語っていただきました
(使えるカードプールはこちら。リンク先は外部サイトです)
ナリタ「元々、少人数で始まったフォーマットだったのですが大会を始めるうちに興味をもってくれた人が集まって来るようになりました。メタはみんなやりたいことをやるって感じでカオスです。この前は24人集まったのですがメタゲームはバラバラでした。まあいつものことなのですが(笑)」
--旧枠モダンはどのような環境ですか?
ナリタ「《稲妻》《恐怖》《神の怒り》は使えるので呪文は強力なのですが、クリーチャーは貧弱な傾向な環境です。クリーチャーはサイズが大きいものもあるのですが、5マナ以降からと重めなのでクリーチャー選択はかなり重要です」
--クリーチャーでは何が強いですか?
ナリタ「《獣群の呼び声》です。3マナ3/3が中々ない環境でフラッシュバックが付いているのは破格の性能です。少し重いですが《包囲攻撃の司令官》は単純なパワーカードですね。あとは《荊景学院の戦闘魔道士》でしょうか。この環境の《コラガンの命令》です。《ヴェクの聖騎士》やロードを焼けることが強いです。それと今はメタられてそれほど強くないのですが、ちょっと前までは《罠の橋》が強かったのでその対策としても優秀でした」
当日会場でも使われていた《ヴェクの聖騎士》。赤単相手に《最下層民》をエンチャントして完封することも。
--なるほど。メタゲームの変遷もあるのですね。フォーマットの性質上、再録を待つことになるので環境の変化は中々なさそうですが...
ナリタ「それがそうでもないです。実は『ラヴニカのギルド』で大きな進歩がありました」
--というと?
ナリタ「《鋼胴の甲虫》です。誰も再録を気にかけていないと思うのですが旧枠モダンにとっては大きな収穫です」
「先ほども言った通り、《稲妻》が標準除去なのでタフネス4は結構重要なんですよね。その点で《鋼胴の甲虫》は《獣群の呼び声》を強化して4/4を作ることができるので強いです」
(サイズは旧枠モダンにおいて重要な要素で《ドラゴンの血》を採用するプレイヤーも。ダメージランド、フェッチランド、《真鍮の都》、《反射池》が使えるので多色化も容易ですが、フェッチランドは持ってくる土地が基本地形しかないので考えなしで入れても強くないそうです)
それにしても、モダン環境で古いカードを使って遊ぼうというアイデアが非常に面白いです。「古いモダン」と書くと撞着語法みたいになって興味を引かれます。
さて、実際の環境は想像以上に興味深いです
まず、メタゲームですが13人参加して13通りのデッキに分かれるほど混沌としていました。その内訳がこちら
白単ウィニー
赤単スライ
緑単ストンピィ
緑白リアニメイト
青赤バーン
青黒ミッドレンジ
トリココントロール
グリクシスコントロール
グリクシスバベル
《再供給》ファイア
黒単コントロール
黒単ミッドレンジ
赤緑ゴブリン
試合中も試合後もお互いのデッキに興味津々。研究に余念がありません
「同じアーキタイプでも必ず自分の特徴が出てしまいますよね(笑)」
「一つとして同じデッキがないのが面白い」
と笑い合うお二人。この他にも試合後にお互いのデッキを見せ合って意見交換をするプレイヤーが多かったです。
優勝したのは緑単ストンピィを使用したヤスモト ナオキさんでした。おめでとうございます!
今日初めて参加したそうで「《大地の怒り》が使いたくて来ました!」とコメントしていました。