【マジックフェスト・横浜2019】金曜ミシックチャンピオンシップ『バルセロナ』予選 メタゲームブレイクダウン

by Yohei Tomizawa



 グランプリ本戦に先駆けて行われた金曜ミシックチャンピオンシップ『バルセロナ』予選には300人を超えるプレイヤーが参加した。


 ここではミシックチャンピオンシップへの道を模索するものたちの選択肢を見ていきたいと思う。



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1位 緑トロン――使用者36名


 参加者に最も支持されたモダンデッキは《ウルザの塔》に代表される3種のウルザ地形を揃え、爆発的なマナをプレインズウォーカーの力へと変換する「トロン」であった。


《ウルザの塔》.jpg《解放された者、カーン》.jpg


 週末に地球の裏側で開催された『グランプリ・サンパウロ19春』では優勝デッキとなっており、モダン環境を象徴とする攻め――3ターン目の《解放された者、カーン》は他を寄せ付けない圧倒的スピードである。土地という最も根源的で対抗手段が限られるマナ増殖は、多くのプレイヤーから支持されたようだ。



2位 イゼットフェニックス――使用者33名


 『グランプリサンパウロ19春』で最も2日目での使用率が高かったのはこのデッキだった。その熱は冷めることなく横浜へも流れ込んで来ている。


《弧光のフェニックス》.jpg540687.jpg


 手数を失わない不死身のクロック《弧光のフェニックス》と時限爆弾《氷の中の存在》の2枚看板を要するこのデッキは、瞬く間に環境の中心となった。ファイレクシアマナや疑似フリースペル《魔力変》を組み合わせることで、相手の想像よりも1テンポ早く攻めに転じることができるのも魅力だ。


 このデッキの存在から、トロンや青白コントロールはメインから《大祖始の遺産》を採用しているが、「ドレッジ」と違い完全墓地依存デッキではないため、勝敗を決定づけるには至らない。軸の違うクロックを併せ持つため、まだまだ環境の中心に居座りそうだ。



3位 青白系コントロール――使用者28名


 先週末日本におけるモダンの大規模トーナメント、神挑戦者決定戦を支配したのは伝統的なコントロールデッキだった。そして神への挑戦権をかけた対戦は高橋 優太と市川 ユウキの2人による、トッププロ同士のミラーマッチであった。


 単純にデッキの強さだけではなく、プレイヤーの技量も問われるデッキであることは間違いない。ゲームを支配するには目の前の脅威だけでなく、試合全体を見通す視野と対処し攻めに転じる計画力が必要不可欠だからだ。


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 《精神を刻む者、ジェイス》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》の強力プレインズウォーカータッグに、《終末》や《至高の評決》といったリセット呪文、数多あるドローとカウンターから過去最高のものがチョイスされている。


 アーキタイプも多く、全てを対処するのは難しいことから攻めが強いといわれるモダンにおいて、レンジが違う多くのデッキへ対応する青白コントロール。環境速度によって《安らかなる眠り》から《外科的摘出》へとスイッチしたり、《儀礼的拒否》や《石のような静寂》といったキラーカードの枚数も変化する。


 使用者が冷静に環境を分析し続ける限り、存在感は揺るがないだろう。



4位 人間――使用者27名


 一転して、4番手に躍り出たのはビートダウンデッキの代表格である「人間」。《貴族の教主》と《霊気の薬瓶》による展開力、《翻弄する魔道士》や《帆凧の掠め盗り》によるバックアップの元、広げた盤面を相手が倒れるレッドゾーンへと送り込み続ける。


 一時期は「イゼットフェニックス」の《はらわた撃ち》により厳しい立ち位置となっていたが、その枠が《外科的摘出》へと変わったことでだいぶ相性は改善された。


 2ターン目の《翻弄する魔道士》は使用者最多の「トロン」へも対抗できる万能カードであり、《弧光のフェニックス》の隆盛により最近では《先頭に立つもの、アナフェンザ》が採用されている。能力もさることながら《貴族の教主》から2ターン目にキャストすれば、圧倒的なクロックを刻みだす。


 デッキの形を変えることなく、環境へ適応する柔軟さこそが強みだ。



5位 BG系――使用者23名


 5位となったのは古典的なデッキであった。古くは《強迫》から《野生の雑種犬》、現代では《思考囲い》から《タルモゴイフ》の手札破壊+軽量クロックはどんなデッキへも対抗できる。


 ただ、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》や《精力の護符》に代表される土地系のデッキを苦手としており、「トロン」が追い風の今、厳しいところか。



6位以降のデッキたち


 以降はコンボ系を咎める「《死の影》」、「バーン」、「ドレッジ」、「タイタンシフト」が続く。モダンはデッキタイプが多いことから攻めることのみに特化したオールインタイプか、クロックとわずかな妨害により半歩刺し合いを制するクロックパーミッション系のデッキが人気なようだ。


 それこそ残る2回のミシックチャンピオンシップ予選もさることながら、来週末にロンドンの地で行われるミシックチャンピオンシップではプレイヤーたちの思考はどう変化するのか。今から楽しみだ。


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