By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第46回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
エスパー・リアニメイト
Designed by FluffyWolf2 in Magic Online
こちらは白青黒のカラーリングで組まれたリアニメイトです。
モダンのリアニメイトデッキには、《御霊の復讐》で《グリセルブランド》を復活させるグリセルシュートなどが存在しますが、このデッキは一風変わっています。
《夕暮れヒバリ》で《影武者》を場に戻せば、墓地にある巨大生物がわずか2マナで戦場に。
また、《影武者》で《夕暮れヒバリ》をコピーすれば、(追放されない限り)不死身の2/1飛行が完成しますね。
《夕暮れヒバリ》の能力を活かすため、パワー1以下のクリーチャーが大量に入っています。
《影武者》《夕暮れヒバリ》のシナジーを中心としてはいるものの、このリアニメイトを完成させるにはあと1ピース、「他の強力なクリーチャー」が墓地に落ちなければなりません。
そうなると《集団的蛮行》などで任意のカードを捨てるだけでは足りないでしょう。ドレッジのようにデッキを削っていくほうが効率が良いはずです。
《縫い師への供給者》《面晶体のカニ》はそのような意味で活躍してくれるカードです。《夕暮れヒバリ》で戦場に戻すことも多々あると思います。
一方で《ヴリンの神童、ジェイス》はリアニメイトのパーツを整えつつ、自身も強力なプレインズウォーカーとなってくれます。
もちろん《束縛なきテレパス、ジェイス》を活かすためにはインスタントやソーサリーが必要なので、しっかりと採用されています。特筆すべきは《御霊の足跡》。
わずか3マナで制限なしのリアニメイト呪文ですが、蘇らせたクリーチャーが終了ステップに生け贄に捧げられてしまいます。
ですがこのデッキは、そんなデメリットを逆手にとっています。
戦場に出たとき、あるいは死亡したときにパーマネントを壊してくれる巨大なクリーチャーたち。
彼らなら、《御霊の足跡》のデメリットをメリットに換えてくれるのです。
3ターン目に2つもパーマネントを吹き飛ばされてしまえば大半のデッキはひとたまりもありません。
なお、メリットに換えるというほどではないものの、《核の占い師、ジン=ギタクシアス》も《御霊の足跡》と相性の良いフィニッシャーです。少なくとも7枚ドローの能力は誘発します。
白赤・アストログライド(《霊体の横滑り》)
かつて「アストログライド」というデッキがあったのをご存知でしょうか?
新枠が世に出る前後、『オンスロート』がスタンダードに存在したころのデッキです。
そもそもモダンリーガルではない『オンスロート』に馴染みがないかもしれませんね。有効色のフェッチランド(《汚染された三角州》など)を生み出したセットといえばピンとくる人が多いでしょうか?
さて、アストログライドは、2002年に発売された『オンスロート』収録の《霊体の地滑り》を主軸にしたデッキです。
主に《霊体の地滑り》の能力で「戦場に出たとき」能力を持つクリーチャーを使いまわすデッキでした。
対戦相手のクリーチャーも一時的に追放できるので、とりわけクリーチャーデッキに対して強かったことでしょう。
そんなアストログライドを、『モダンホライゾン』のカードで蘇らせたのがこのデッキです。
Designed by ShzockChan in Magic Online
《霊体の地滑り》は《霊体の横滑り》となって帰ってきました。
元祖と比べ自身にもサイクリングがついたほか、自身をサイクリングした際にも追放能力が誘発するようになりました。
一方で対戦相手のサイクリングに誘発することはなくなったものの、気にするほどのデメリットではありません。
さて、この《霊体の横滑り》で何をするのかというと......
どちらかといえばプリズン的な使い方、つまり対戦相手のクリーチャーの足止めを主に行うようです。
一度《血染めの月》で蓋をしてしまった上で、残ったクリーチャーを封殺できれば、プレインズウォーカーで勝つのはたやすいでしょう。
もちろん自分のクリーチャーを一時的に追放する狙いがないわけではなく、《前兆の壁》《なだれ乗り》が採用されていますね。
《霊体の横滑り》を使う関係から、サイクリングに関するフィニッシャーが2種類使われています。
どちらも時間をかけてフィニッシャーの役目を果たすので、「《霊体の横滑り》でのらりくらりする」のであれば相性は良いでしょう。サイクリングもついていますしね。
また、元祖アストログライドの時代と比べると、《通りの悪霊》を使えるのは大きな利点。フルタップの状態でもドルイドコンボやキキジキコンボを防げます。
エスパー・「カードお借りします」デッキ
Designed by Tamura Hideo
「とにかく対戦相手のカードを使いたい」という意思をひしひしと感じるこちらのデッキ。
なんとメインデッキ60枚のうち16枚ものカードが、対戦相手のカードを奪う能力を持っています。
活躍の記憶も新しい、スタンダードで人気を誇った「奪う」カードたち。
特に《正気泥棒》や《夜帷の死霊》から一度ダメージを喰らった時は「もうだめだ」感がすごかったです。(※個人の感想です)
これらだけでも十分に目的は果たせそうなものですが、
このデッキの「対戦相手のカードを使いたい」欲はこれだけでは収まらなかったようです。
一部で人気を誇る《センの三つ子》。それだけではなく、《メレティスのダクソス》まで採用する徹底ぶり。
よく見るとメインデッキの白要素はこの2種類だけなので、わざわざ色を足してまで使いたかったのかもしれません。確かに《センの三つ子》がハマると気持ち良さそう......。
「対戦相手のカードを使う」わけではないものの、3色デッキにもかかわらず《風変わりな果樹園》が使われており、こだわりが感じられます。
デッキコンセプト的にどうしても対戦相手とのコミュニケーションが必要になるので、「ゲームも楽しみたいし、コミュニケーションも楽しみたい」という人にぴったりでしょう。そういう意味ではオンラインよりもテーブルトップでの対戦に向いているデッキだと思います。
なお、このデッキをコピーしてテーブルトップで使う場合、借りたカードは忘れずに返すようにしましょう。
ひとの ものを とったら どろぼう!
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。