【BMO Vol.8】BMO Standard Vol.8 渡辺雄也杯 Round7 岡井 俊樹(東京) vs 瀧本 祐介(静岡)

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BMOスタンダード Round7 岡井 俊樹(東京) vs 瀧本 祐介(静岡)

Text by 森安 元希

遂に殿堂入りを果たした渡辺 雄也の開会宣言で始まった今大会も、スイスラウンドは残り3回となった。
総参加者367人のうちトップ8決勝トーナメント進出の芽を残す者も減りつつある。

その芽を両社が明確に残す卓のうちから1つ。
3つの全勝卓のうちの、1つ。

テキストカバレージでは岡井 俊樹 対 瀧本 祐介の試合を記録する。

今回、2人のデッキ選択は共に同じものであった。
『青白フラッシュ』。

《スレイベンの検査官》で《密輸人の回転翼機》を操縦し、《反射魔道士》《呪文捕らえ》で妨害し、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》で強い除去耐性のもと、とどめを刺す。
プロツアー『カラデシュ』における構築部門の最も勝ち組と言えたデッキタイプだ。

だが、まだGame 1開始前。ミラーマッチであることをお互いはまだ知らずにいる。

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Game 1

貴重な先行を取れた岡井は考える暇もなく、1マリガンを宣言した。
瀧本は7枚をしっかりとキープ。

6枚スタートの岡井、《スレイベンの検査官》スタートでマリガン分のハンドを補完しつつ、2T目《密輸人の回転翼機》で素早く仕掛けていく。


瀧本は《無私の霊魂》スタートと見た目の盤面的には劣勢だ。
これを岡井の《反射魔道士》でハンドに戻され、《密輸人の回転翼機》が動き回る。
岡井、《無私の霊魂》を追加して着々と盤面を構築していく。

瀧本は《スレイベンの検査官》が搭乗した《密輸人の回転翼機》を、そのアタック前に《停滞の罠》していなす。
瀧本《密輸人の回転翼機》《無私の霊魂》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と続けるが―...
岡井の《大天使アヴァシン》が全てをシャットアウトした。

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 岡井 俊樹

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のエンブレムで4/4と成長した《密輸人の回転翼機》で《大天使アヴァシン》を止めることは出来るものの、
そうした場合、《無私の霊魂》で《大天使アヴァシン》は落ちず《密輸人の回転翼機》が一方的に落とされる。
更には《浄化の天使、アヴァシン》への変身を満たして瀧本のクリーチャーは一掃されてしまう。

このまま《大天使アヴァシン》の攻撃を、ギリギリまでライフで受け止め続けなければならないのか―...
アタックを受け続け、対抗策を引いて巻き返せるターンとしては最後のターン。

瀧本はようやく1枚の回答と出会った。
《折れた刃、ギセラ》。

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《大天使アヴァシン》を完全にシャットアウトする5/4 先制 絆魂 飛行という怪物で、劣勢を弾き返す―...
瀧本のその期待を一身に受けた《折れた刃、ギセラ》だったが、返すターン、岡井が貯めていた《反射魔道士》の前に屈服した。

岡井 1-0 瀧本

Game 2

今度は瀧本が土地2枚のハンドをマリガン。
岡井のキープは《スレイベンの検査官》《無私の霊魂》《反射魔道士》《大天使アヴァシン》と土地3枚だ。順調な展開が予測できる。

そして、Game 2はミラーマッチのなかでも"鏡打ち"と呼ばれる全く同じ展開が続いた。
《無私の霊魂》を並べ合い、並べ合った《反射魔道士》で《無私の霊魂》を弾き合う。
土地を伸ばしていき、お互いに《大天使アヴァシン》をケアしながら戦闘宣言を行い、お互いに《停滞の罠》を構える。

《スレイベンの検査官》《無私の霊魂》《反射魔道士》《大天使アヴァシン》4種が合わせて10数体も戦場に並んでいく。
戦線が膠着して、どちらかが打開の策を見出さないとならないのだが―...
岡井のセットされているランド群には既に《ウェストヴェイルの修道院》が織り交ざっていた。

序盤の色マナの不安定を嫌って、採用する型としない型のある《ウェストヴェイルの修道院》だが、その分、膠着戦では土地とはおもえないほど八面六臂の活躍だ。

岡井だけが僅かなライフをリソースに、ハンドを減らさず人間トークンを生成していく。
やがて《スレイベンの検査官》2体、人間トークン2体、《反射魔道士》の5体という、実質的に失うことに損のないクリーチャーたちを生贄にして、
《ウェストヴェイルの修道院》を《不敬の皇子、オーメンダール》へと変身させた。
そのまま残る《不敬の皇子、オーメンダール》と《大天使アヴァシン》、《無私の霊魂》でフル・アタックを敢行する。

瀧本、幾ら初期値に近いとはいえ、この全てをライフで受けるわけにはいかない。
《不敬の皇子、オーメンダール》の絆魂を立ち消えにさせる為、これを《無私の霊魂》でブロックし、
《大天使アヴァシン》を《大天使アヴァシン》で止める。

ブロック成立後にお互いの《無私の霊魂》が能力によって消費されると、このコンバットの結果、盤面は一気にスッキリとなった。
お互いの《大天使アヴァシン》が《浄化の天使、アヴァシン》へと変身し、瀧本の《反射魔道士》を含めたその他のクリーチャーたちを退場させる。

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瀧本 祐介

岡井の戦線は《浄化の天使、アヴァシン》と《不敬の皇子、オーメンダール》。
瀧本の戦線は《浄化の天使、アヴァシン》のみ。
一気に戦場が整理されたところで瀧本は逆転の一手となる《反射魔道士》を唱えるがー...

岡井が《呪文捕らえ》で《反射魔道士》を呪文の状態で"食べる"と、瀧本が使える残るマナは2つ。
最後までミラーマッチの様相を示し続けながら、あと1枚の土地が足りなかった。ハンドの《呪文捕らえ》が泣いた。


岡井 2-0 瀧本

岡井 Win!

 

Game 2はお互い殆ど同様の展開を繰り返しながら、わずかな差が大きい違いとなった。
色マナの安定性を犠牲にするリスクを追っても、岡井が「本当に、強いから」と採用した《ウェストヴェイルの修道院》が活躍した。
瀧本も「採用すれば良かった」と洩らしてしまうほど、それは印象的なほどであった。

ミラーマッチを制しての7戦、全勝。
自らが信じた構築と調整を武器にした岡井、トップ8進出は目前だ。