岡本桂多のKill them All!共に闘え!『統率者2016』
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統率者戦担当の岡本です!
前回の記事から大分間が空いてしまいましたが、今回は統率者セットの2016年版が出るという事で出張ってきました!
統率者セットと名を冠しているだけあって、統率者候補のカードもそうでない新規収録カードも、いずれも使ってみたいカードばかりですね。
今回は初登場のキーワード「共闘」に注目してみたいと思います!
「共闘」
両方が共闘を持つなら、あなたは2体の統率者を使用できる。
新キーワード能力はついにデッキ構築ルールにまで手を出してしまいました。
「共闘」を持つ伝説のクリーチャーは今回15種類収録されているので、即ち単純計算で105枚もの新統率者が現れたという事になります!
これはデッキを組むしかないというところですが、もちろん全くシナジーのない組み合わせも無数にあるので...今回は3つだけ組み合わせをピックアップして、オススメのデッキ構築を紹介したいと思います!
1.《ジャムーラのシダー・コンド》+《簒奪者、イクラ・シディーキ》
《ジャムーラのシダー・コンド》はパワーが小さいクリーチャーがブロックされにくくなる能力を持っています。
パワーが小さいクリーチャーと言ったらトークンを並べるデッキなどが思いつくかもしれませんが、今回は《包囲の搭、ドラン》《突撃陣形》とのシナジーを重視してみる事にしました。
《包囲の搭、ドラン》を入れるためにはもう1枚の共闘持ちは黒絡みにしないといけません。
ここはドランとも噛み合いタフネスが高い《簒奪者、イクラ・シディーキ》に決めました。
デッキの構成上タフネスが高いクリーチャーが多くなりそうなので、タフネス参照の誘発型能力も期待できそうです。
キーパーツその1:《包囲の搭、ドラン》《突撃陣形》
コンセプトとなるカード2種です。
まずはこの2種を出さないといけないので、これらを探すカードや守るカードが多く入っています。
これらを出して、《ニクス毛の雄羊》《地獄の樹》でビートしましょう。
キーパーツその2:《フェリダーの君主》《霊気貯蔵器》
《簒奪者、イクラ・シディーキ》などの能力でどんどんライフを回復するので、大量ライフをそのまま勝ち手段に直結するカードも採用することにしました。
岡本桂多一押しカード!《絹鎖の蜘蛛》
『基本セット2013』で再録された際に少しスタンダードで使われたのが懐かしい1枚ですね。
パワーがちょうど《ジャムーラのシダー・コンド》のサポートを受けられる2、タフネスが非常に高い7、そして《ジャムーラのシダー・コンド》の能力影響下でもブロック可能となってしまう「飛行」持ちを一掃する起動型能力、どこをとってもまさにこのデッキのためのカードと言えるでしょう!
統率者戦では「到達」を持つクリーチャーはほとんどいないため、このカードが機能し始めたらもうパワー2以下のクリーチャーをブロックする手段は無くなるでしょう。
2.《最後のアブザン、レイハン》+《オジュタイの龍語り、イーシャイ》
+1/+1カウンターを参照する統率者の組み合わせです。
他に+1/+1カウンターを参照するカードが他に無かったため、消去法のような形でこの2枚で共闘をさせましたが...もちろん相性が悪いわけではありません。
《オジュタイの龍語り、イーシャイ》は単体で出していてもターンが回ってくる間にそこそこ育っていてくれるでしょう。
ただ、それだけで統率者ダメージによる勝利を目指しても打点や除去体制に不安が残ります。
そこで《最後のアブザン、レイハン》による打点サポートと黒緑の+1/+1カウンターサポートカード、そして緑の除去を弾くカードでバックアップするプランです。
《最後のアブザン、レイハン》と《オジュタイの龍語り、イーシャイ》のどちらで攻めていくかですが、元から回避能力である「飛行」を持っている《オジュタイの龍語り、イーシャイ》を今回はメインアタッカーとして考えています。
4色のデッキを作るのは初めてなので、マナベースや汎用パーツの枚数調整に未だ不安が残るリストになってしまっています。
この辺りの調整は、実際にプレイしながら直していってみたいところですね。
キーパーツその1:《倍増の季節》《硬化した鱗》《野生の活力》《屍体屋の脅威》
+1/+1カウンターを本来よりも多く乗せるためのカードです。
《最後のアブザン、レイハン》、《オジュタイの龍語り、イーシャイ》だけでなく、その他デッキに入っている+1/+1カウンターを乗せるカード達とも相性が良いため、積極的に引き込みたいカードです。
《野生の活力》だけは対戦相手も恩恵が受けられるので、もし自分が遊んでいる環境で+1/+1カウンターやトークンが多用されている場合は抜いてしまっても良いかもしれません。
キーパーツその2:《ダークスティールのマイア》《海の神、タッサ》《狩猟の神、ナイレア》
破壊不能を持つクリーチャーです。
《最後のアブザン、レイハン》の能力は、仮に全体除去によって破壊されてしまった場合、折角貯めた+1/+1カウンターが全部消えてしまいます。
しかし全体除去に巻き込まれないクリーチャーがいれば、とりあえず+1/+1カウンターはそこに集めておくことが出来ます。
集めた+1/+1カウンターをまた別のクリーチャーに移すにはまた《最後のアブザン、レイハン》を唱え、破壊不能を持つクリーチャーを生け贄に捧げる必要があり少々面倒ではありますが、完全に+1/+1カウンターが消滅してしまうよりは何倍もマシですね。
岡本桂多一押しカード!《魔女の腑のネフィリム》
『統率者2016』が出るまではちょうど4色のカードといったらこのネフィリムサイクルがメインでした。
伝説っぽい見た目でしたが伝説のクリーチャーではなかった事と、4色のカードを入れるためには5色デッキにする必要がある事から、ほとんど統率者戦ではお目にかかることがありませんでした。
今回4色のデッキを作る!という事で色が合うネフィリムを調べてみたら、偶然にも《最後のアブザン、レイハン》+《オジュタイの龍語り、イーシャイ》とかみ合う能力が!
自分が唱える呪文なら何にでも誘発するので、《魔女の腑のネフィリム》を出した後に引いたマナアーティファクトをバラバラと並べているだけでもどんどん育っていきます。
もちろんそのまま膨大に膨れ上がった《魔女の腑のネフィリム》で殴りきってもいいですし、仮に除去されてしまっても《最後のアブザン、レイハン》さえいればその大量のカウンターを別のクリーチャーが受け継ぐことも出来ます。
3.《激情の薬瓶砕き》+《トリトンの英雄、トラシオス》
今回の赤絡み「共闘」持ち統率者にはほとんど魅力を感じていませんでしたが、唯一何か出来そうだと感じたのが《激情の薬瓶砕き》です。
点数で見たマナコストが高い呪文を撃てば大ダメージを対戦相手一人に与えられます。パッと見で思いついたのは「探査」呪文との相性の良さ。中でも《時を越えた探索》はインスタントである事もあり、非常に相性が良いカードと言えるでしょう。
その後色々と考えていく内にこのカードの誘発型能力、ダメージの発生源がこの《激情の薬瓶砕き》自身である事に気づいてしまったため、「《激情の薬瓶砕き》に「感染」を持たせて、コストが重い呪文を撃って一人ずつ倒す」をコンセプトに据える事にしました。
どう考えても赤黒の2色だけではそんな長期戦を戦えるはずもなく、手札もマナも莫大な量を要求してくるため、共闘する相棒として《トリトンの英雄、トラシオス》を選びました。
恐らく基本的な動きは《トリトンの英雄、トラシオス》を序盤に出してリソースを増やして、準備が整ったら《激情の薬瓶砕き》を出して「感染」を持たせてフィニッシュする、という動きになるかと思います。
正直な所、今回の記事で作った3つのリストの中でこれが一番自信ありません(笑)
申し訳程度に「《絢爛なビヒモス》or《マナの反射》+《パリンクロン》」の無限マナコンボが仕込まれているので、無限マナから《トリトンの英雄、トラシオス》の能力を何度も起動してライブラリーを引ききって《彗星の嵐》などでフィニッシュするプランも取ることができるようになっています。
キーパーツその1:《生体融合外骨格》《汚れた一撃》《堕落した良心》《ぎらつく油》《ファイレクシア化》
感染を持たせるカード群です。
《汚れた一撃》を使う際は、コストが重い呪文を使用して、それが解決する前に使わないといけない点に注意しましょう(焦って先に使ってしまうと1点しか入りません)。
キーパーツその2:《死の投下》《時間への侵入》《時を越えた探索》《宝船の巡航》《残忍な切断》《論理の結び目》
探査持ちのカード群です。
一撃で「感染」死を狙えるほどコストが重いものは《死の投下》と《時間への侵入》《論理の結び目》のみではありますが、それ以外のカードも効果が強力なため《激情の薬瓶砕き》が戦場に出ていない状態で使用しても差し支えないでしょう。逆に言うと《死の投下》と《時間への侵入》は《激情の薬瓶砕き》を出すまではなるべく使わないように温存したほうが良いでしょう。
岡本桂多一押しカード!《卑下》
よくあるタイプの「Xマナ払わないと打ち消すぞ」という打ち消し呪文です。
本来であれば他の打ち消し呪文を優先的に採用するので、統率者戦ではあまりお目にかかれないカードかと思います。
しかしこのデッキではいつでも使い道があるため採用に至りました。
序盤は各々カツカツのマナで動いている事が多いので、X=1などで使用して打ち消す事が容易で、しかも占術2もついているためコンボに必要なパーツを探しに行けます。
中盤以降は打ち消すために必要なXの値も大きくなってしまうので、本当に危ない呪文以外には下手に使わず温存するか、もしくは占術のためにさっさと使ってしまってもいいでしょう。
終盤、《激情の薬瓶砕き》に「感染」を持たせてある場合、このカードをX=9で対戦相手が唱えた適当な呪文に向けて放ちましょう!
つまりこのデッキにおいては占術用、打ち消し用、そしてフィニッシュ用の3つの役割を兼ね備えたスーパーカードと化すのです。
以上が『統率者2016』の新規能力「共闘」を用いたデッキのサンプルリストです。
今回紹介しきれなかった「共闘」持ちの統率者もたくさんありますので、皆さんも是非この「共闘」持ち統率者で新たなデッキを作ってみてください!