【GP京都2017】プロツアー予選イクサラン Round1 浦瀬 亮佑(MO)vs 遠藤 隆浩(福島)

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Text by 森安 元希



6月14日、《霊気池の驚異》禁止

7月14日、【破滅の刻】発売



次期エキスパンション【イクサラン】によるローテーションを待たず、スタンダードはこの1か月で大きすぎる変化を迎えていた。

そしてグランプリの併催イベントとして先日復活したばかりの"プロツアー予選"。

本戦がリミテッドのなかでの新環境スタンダードによる開催とあって、"デッキを用意出来ていない"と話すプレイヤーの姿もあった。これまでのプロツアー予選に比べると参加人数は少し落ち着いているようだ。

しかしそれだけに、まだ広く認識されていない新アーキタイプなどには注目が集まっているようだ。



―...参加者226名。その中にはHareruya Hopes 浦瀬 亮佑の姿もあった。

今年3月に開催されたMagic Online Championship 2016でTop 4入賞を果たした、正に新世代希望の星の一人だ。

Magic Onlineのプレイヤー名 lighdarも通りの良い。

グランプリ1日目の成績は6勝3敗と2日目進出ラインの成績であったが、プロツアー権利獲得の可能性を優先してプロツアー予選に参加表明している。

Round 1で浦瀬と相対することになった遠藤 隆浩も、昨日のグランプリ本戦参加組だ。

ともに昨日の敗戦をバネに、今日の勝利を掴みにきていた。



プロツアー予選イクサラン Round1 浦瀬 亮佑(MO) 対 遠藤 隆浩(福島)



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Game 1

ダイスロールで先手を獲得した浦瀬のスタート・ダッシュが決まる。

《山》から《村の伝書士》。

【破滅の刻】発売以降に姿を現した、赤単アグロだ。

対する遠藤は《進化する未開地》を置いて、このターン誰も呪文を唱えなかった結果として《村の伝書士》の変身を見届ける。

変身後の名前は、《月の出の侵入者》。

1マナ 2/2 威迫。驚異的なスペックが完成する。

先手2ターン目、浦瀬は更に《ボーマットの急使》、《ファルケンラスの過食者》と続けてライフを最優先で狙っていく。ターン終了時には浦瀬自身が2枚の呪文を唱えたことで《月の出の侵入者》は理性を取り戻すが、遠藤は2ターン目にも動きがなく、直ぐに人狼の凶暴性を再獲得する。

浦瀬は更に押し込にかかり、《ラムナプの遺跡》セットから《地揺すりのケンラ》で7点クロックの戦線を形成する。2枚の土地を置いただけの遠藤のライフは、既に半分を割って9を示している。

環境最速、赤単アグロの本領発揮だ。

遠藤は3ターン目も、動かずにターンを渡す。

成す術もなく4ターンのうちにライフを削りきられる―...

傍目にみえた戦況は、たったの1枚で大変動を迎えた。

遠藤、浦瀬の戦闘開始フェイズに《コジレックの帰還》をプレイ!



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遠藤 隆浩



《山》、《伐採地の滝》、《植物の聖域》というセット順から、自らのデッキがティムール・カラーであること以外の情報を与えていない遠藤の会心の一撃だ。戦場4体の生物が、一掃される。

浦瀬はいくらかのハンドを貯めつつも、戦闘後メインフェイズに生物の再展開はない。

急場を凌いだ遠藤が《機知の勇者》で《秘蔵の縫合体》を捨てつつハンドの質を高めていく。

遠藤のデッキは、"4色ドレッジ"と呼ばれる類のデッキタイプだ。

ハンドやライブラリーからカードを墓地へ送り、活用する。

粘り強さが売りのシナジーデッキだが、遠藤自身は対赤単との相性をどのように受け止めているのだろうか。

自らに残されたライフを基に、着々と反撃の準備と計算を頭の中ではじいていくが―...

計算終了を待つ前に値を狂わせる呪文が遠藤を襲う。エンドフェイズによる浦瀬の《発射》だ。



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浦瀬 亮佑



《発射》の対象を遠藤に。値が9から6へ落ち込んで一気に遠藤のライフに黄色のランプが灯る。

返しのターン、浦瀬は《地揺すりのケンラ》プレイで《機知の勇者》のブロックを阻害して、6から4。

その後、《ショック》で4から2。

流れるように遠藤のライフが溶けてゆく。

―...3マナにして《稲妻》と全く同じテキストの《発射》は"現代マジックにおけるスペルの弱体化"を象徴するものとして語られていたが、そのシンプルにして強烈なテキストは3マナでも十分に活躍できることを証明していた。

浦瀬の6度目のアップキープ。

遠藤が、《機知の勇者》をコストに現出させた《老いたる深海鬼》で土地3枚と《地揺すりのケンラ》を寝かす。

このターン何を引かれても動けないように考えていたが―...既に浦瀬のハンドには2枚目の《発射》があった。

《老いたる深海鬼》の誘発型能力に対応し、プレイ。

遠藤、ライフ2から0へ。

浦瀬 1-0 遠藤



Game 2

《発生の器》スタートから起動に続けるが、めくれは土地3枚と《ウルヴェンワルド横断》と結果の辛い遠藤。

浦瀬は《ファルケンラスの過食者》から《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》と続けて好調だ。

遠藤がプレイした《機知の勇者》に、今度は《発射》を《機知の勇者》自身に当ててブロッカーをなくし、戦闘ダメージを通してゆく。

Game 1同様、《コジレックの帰還》を打った遠藤だが、1/3という硬いサイズの《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》は撃墜できず、今度は《ファルケンラスの過食者》1枚と(猿・トークンのダメージの軽減も込みで)の交換になった。

戦闘後メインフェイズでは《霊気圏の収集艇》を設置して航空戦力を得た浦瀬が依然優位のようだ。

遠藤が《ウルヴェンワルド横断》でサイド後のキーカード《ゲトの裏切り者、カリタス》をサーチするころには浦瀬の土地も順調に伸びていた。

《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》が《霊気圏の収集艇》に乗り込みつつ、2枚の《栄光をもたらすもの》によって遠藤は自らの戦線を全く維持できない。

浦瀬が終始ゲームスピードをコントロールしての勝利となった。

浦瀬 2-0 遠藤

浦瀬 Win!



「昨日は《栄光をもたらすもの》で倒されたので、今日は使う側に回ろうかと思って」

昨日の本戦感想を聞いていた過程で浦瀬から出てきた言葉だが、【破滅の刻】の最大のボムレアが《王神の贈り物》であることが事実とされるように、【アモンケット】側のボムレアの一枚に《栄光をもたらすもの》があることを疑う者はいないだろう。

もちろんリミテッドとスタンダードという違いはあるが、フォーマットの差を乗り越えても《栄光をもたらすもの》の活躍は今日も会場中で頻出しそうだ。

このドラゴンは浦瀬の厚い信頼に、残りのマッチでも応えつづけるだろうか。

―...浦瀬が赤単アグロをどういった思惑で持ってきたかについては、このマッチのあとに伺ったデッキテクの話をまとめた記事【浦瀬 亮佑の赤単アグロ】にて詳らかになる予定だ。(スイスラウンド終了後、掲載予定)

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