【GP京都2018】アジア・オールドスクール選手権2018トライアル決勝戦 長尾明男 vs 井川慎吾

text by Hirayama Shigetaka



オールドスクール。話には聞いているフォーマットだが、大会が開催されているという話は聞いたことがなかったし、実際にプレイしているところを見たこともなかった。


しかし本年8月にBIG MAGICの主催で日本国内初のエターナル・ウィークエンドが開催されることになり、そのフォーマットでもあるオールドスクールのトライアル大会をグランプリサイドイベントとして開催することになったのだ。




ヴィンテージ等のフォーマットでもおなじみのカードもあれば


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ヴィンテージでも使えないカードも


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逆にパワー不足ということで使われないカードも


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この不思議なフォーマットで3-0まで勝ち進み、本戦1BYEに王手をかけたプレイヤー同士の戦いをお伝えしようと思う。


 



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長尾明男 vs 井川慎吾


 


 




Game1


ダイスロールで先手は井川


赤単アーティファクトアグロの井川は、《山/Mountain》から《黒の万力/Black Vise》という先手を活かしたロケットスタートだが、後手長尾は《Mox Sapphire》、《Underground Sea》、《暗黒の儀式/Dark Ritual》、《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》でハンドを一気に減らす。いわゆるA定食の動きだ。




 

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井川は赤いデッキの定番、《稲妻/Lightning Bolt》を《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》に打ち込み、《Mishra's workshop》から《吠えたける鉱山/Howling Mine》。


オールドスクールの特殊ルールにより「マナ・バーンが存在する」ためマナ・バーン1


長尾は《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を置き、《Black Lotus》、《Chaos Orb》と除去を構える形だ。


構えられた井川は容易にはクロックを展開できないと《Mishra's workshop》セットのみでターンを返すとエンドに《Chaos Orb》で即座に《Mishra's workshop》を破壊する。


 


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井川慎吾


 


見えている除去が消えたところで井川は《巨大戦車/Juggernaut》をプレイするがここには《剣を鍬に/Swords to Plowshares》。さらにこれで井川の攻め手は尽きただろうと《吠えたける鉱山/Howling Mine》を《解呪/Disenchant》し、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》で攻め始める。


 


しかし井川は《血染めの月/Blood Moon》をプレイし、長尾の攻め手を封じる。いや、それだけでなく長尾の土地は2枚の《Underground Sea》と《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》なのだ。


 


動きがない長尾をよそに井川は《Su-Chi》をキャスト。


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これにも対応がないことに「よし」とつぶやく。


《テトラバス/Tetravus》を追加すると、何も対応策がなかった長尾はデッキを畳んだ。


 


長尾0-1井川


 





 


Game2


今度は長尾の《先手/Onward》。《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》、《Mox Sapphire》、《Mox Emerald》とマナを並べると井川は《山/Mountain》、《Mox Ruby》、《エイトグ/Atog》。これに即座に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を当てると《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》で早速攻め始める。


 


井川はまたも《血染めの月/Blood Moon》でミシュラランドに対抗し、先手長尾は土地が止まってしまう。


井川の《稲妻の連鎖/Chain Lightning》をプレイヤーに、《魔力の櫃/Mana Vault》と、マナをためながらライフを攻め始める気配を見せる。


長尾はエンドステップに《解呪/Disenchant》で捨て置けない《血染めの月/Blood Moon》を破壊し、《Underground Sea》、《暗黒の儀式/Dark Ritual》、 Juzam Djinn》。前ターンのマナ加速を使っての井川の《テトラバス/Tetravus》にも《解呪/Disenchant》。


《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を追加し、すでにあった《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を強化して《Juzam Djinn》と攻撃、8点を与え井川は残り11


井川は《巨大戦車/Juggernaut》を繰り出し《Juzam Djinn》と相打ちするもさらに《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》が現れる。


 


《魔力の櫃/Mana Vault》がタップ状態でコントロールしているため、残ライフ9まで減った井川は、長尾の手札の枚数を確認する。


0です。このデッキ基本0」と笑うと


「でもやるしかないもんな」と手札の《Wheel of Fortune》を公開する。



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《稲妻/Lightning Bolt》、《稲妻の連鎖/Chain Lightning》の合わせ技で《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》を退けるが《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の攻撃を受け、残り5


8枚のハンドを持つ長尾が何もないはずなく、《Time Walk》。


 


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長尾明男


 


さらに4点の攻撃でライフを1まで削ると、《解呪/Disenchant2枚でmox2枚破壊し、《魔力の櫃/Mana Vault》をアンタップ出来なくなった井川は投了した。


 


長尾1-1井川





 


Game3


先手井川は少し迷ってキープするが、長尾は迷う井川が決める前に「キープです」と宣言するいいハンドのようだ。


 


井川は《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》から《太陽の指輪/Sol Ring》、長尾は《Scrubland》 《Mox Sapphire》 《Demonic Tutor》という初動。


井川は《Mox Ruby》、《血染めの月/Blood Moon》、《魔力の櫃/Mana Vault》と置きターンエンドを宣言。


 


長尾がドローしたあたりで「あ! 土地置き忘れた!」と自分のミスに気が付くが後の祭りだ。


そしてこのミスを咎めるように《青霊破/Blue Elemental Blast》で《血染めの月/Blood Moon》を破壊すると《精神錯乱/Mind TwistX=3!! これを《Demonic Tutor》でサーチしていたようだ。


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トップしてきた《血染めの月/Blood Moon》は即座に《解呪/Disenchant》、徹底して《血染めの月/Blood Moon》を許さない。


そして現れた《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》にトップから《稲妻の連鎖/Chain Lightning》、トップから《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》、《稲妻の連鎖/Chain Lightning》。


 


お互いに一歩も譲らずトップ勝負の様相を呈し始める


 


先にクリーチャーが定着したのは、長尾、《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》。


井川も《テトラバス/Tetravus》をプレイするのだがここにはこのマッチ何度目なのだろうか、《解呪/Disenchant》。




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井川は相手のハンドがまだ複数残っているのを確認して、覚悟したように《稲妻の連鎖/Chain Lightning》をプレイヤーに。


さらに《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》を追加され、もう2ターンしか残されていない井川は何かを待つように《Black Lotus》を置く。


しかし次のドローを見ると長尾に握手を求めた。


 


長尾2-1井川


 


古えの時代、強いと言われたカードが本当に強いところを楽しみつつ観戦していた私には最後に井川が求めていたカードがわからなかった。


「まだあったから怖かった」


「いやー、引けなかったですね」と会話する2人に、何を引いたら良かったんですか? と質問してみた。


 


「《火の玉/Fireball》」です。


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「横浜でまた会いましょう」とエターナル・ウィークエンドでの再会を約束する二人。


BYEが欲しくて参加していた、というよりも、オールドスクールで遊べる場、新たな友人を求めていたのかと感じさせる。


 


確かにこのフォーマットのプレイ人口は多くはない。


しかし、カードを手に入れることさえできるなら、非常に魅力的なフォーマットであることがよくわかった。


今回このような場を提供することができたことを、8月にもう一度提供できることが決まっていることを、非常にうれしく思う。


 


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優勝は長尾明男!おめでとう!

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