『アイスエイジ』は最初にブロック制を導入し、基本セットに含まれるカードを再録したセットである。そしてもう1つ、単色の伝説のクリーチャーが初登場したセットでもある。その内の1つが、赤い騎士クリーチャー《Marton Stromgald》である。Stromgald、そうストロームガルドである。
世代によっては《ストロームガルドの騎士》《ストロームガルドの陰謀団》でなじみがある名前だろう。マートン・ストロームガルドは氷河期のドミナリア、テシリア大陸に存在したキイェルドー王国を代表する英雄の一人であり、兵法の達人だったそうな。
その卓越した兵法で軍を率い、ゴブリンなどとの戦いで戦果を挙げた。後に行方不明になるも、氷河期末期に帰還。この時にはすでに屍術師リム=ドゥールの手によりアンデッドとなっていた。彼の名のもとに、キイェルドー政権に反旗を翻す者たちがストロームガルド騎士団を結成。この騎士団員も皆、アンデッドの軍団へと変貌するのであった...。
カードとしては人間・騎士であり、おそらくは生前の姿をカード化したものと思われる。4マナ1/1、英雄にしては物足りないスペックではあるが、彼の強さは個の武ではなく兵を率いてこそのもの。彼と共に攻撃orブロックしているクリーチャーは、その数だけ+X/+X修正を受ける。例えばマートンと他に1体が攻撃すれば+1/+1。
2体であれば+2、3体であれば+3...と、率いる群が大きくなればなるほどその兵法は輝きを増す。結局のところ、戦いは数ってことだな。本人のサイズが小さいのだけはマイナス点だが、叩き出す打点が大きくなればそんなものはチャラ。戦闘に参加しなければ強化能力は誘発しないが、別にマートン自身が戦闘で死のうが相手のライフを削り切れればそれでOK。
最低レベルの除去で死ぬ店だけが気になるのであれば、その点も赤お得意の速攻付与でカバーしてやればよい。総じて、悪いカードじゃない。その証拠に、当時はそこそこ使われたらしい。
この時代では通用しにくいカードパワーだが、これをあえて統率者にするとほどほどのレベルのパーティーゲーム感を味わえるのではないだろうか。絶妙な弱さ・強さで、されどデッキを作りたくなるテーマ性を持った能力。良いカードだと思う。サイズを2/2くらいにすれば、現代でも通用する1枚になるんじゃないの。
今週は「騎士ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/06/07《騎士の勇気/Knightly Valor》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/06《軽騎兵の巡視部隊/Hussar Patrol》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/05《青褪めた騎士/Cadaverous Knight》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/04《善意の騎士/Knight of Grace》