『アモンケット』では土地タイプ・砂漠が復活。ただ、このセットではまだ本格的にはこの土地タイプを扱わない、続く『破滅の刻』が本番であるとアナウンスされていた。で、3か月経っていざその刻が来てみれば...確かに、無茶苦茶強い砂漠土地がワンサカ、それとシナジーを形成するカードもタップリ!『アラビアンナイト』から24年、砂漠はとっても強くなりましたぞ!と当時のデザイナーに伝えてあげたい(知ってるわな)。
中でも強力なのはアンコモンの色付き砂漠だ。無色マナが出るのでエルドラージ系のカードと相性が良く、1点ライフをペイすれば各色のマナも得られて事故も起こりにくい。そして各々マナとタップと砂漠1枚をコストに、ゲームに少なからず影響を与える起動型能力を持っている。5つが5つ、すべてトーナメントシーンで用いられた稀有なサイクルであるが、その中でも頭1つ抜けていたのが《ラムナプの遺跡》。
実質5マナで、砂漠を本体2点ダメージに変換する能力は、クリーチャーや火力、プレインズウォーカーが揃った赤単の強さを更に引き上げた。なんせまあ、土地なので対処されにくい。置いて起動するだけなので、普通の打ち消し呪文じゃどうにもならない。これに《日焼けした砂漠》《屍肉あさりの地》も加えることで、《ラムナプの遺跡》1枚で4点くらいは余裕、6点以上持っていけることもあった。そりゃあ赤単、強くなるわ。
プロツアー『破滅の刻』ではTOP8中5名がこの新時代の赤単「ラムナプ・レッド」を使用。優勝も掻っ攫っていった。その後のメタゲームでは「ティムール・エネルギー」に押されるも、環境第2位のデッキとして下を寄せ付けなかった。この環境にメスを入れるため、エネルギー関係のカードに禁止が複数枚出されることに。で、エネルギーデッキが弱体化すれば今度は下と大きく差のある赤単が結局1強になってしまうので、この《ラムナプの遺跡》は禁止カードとなった。
まあ...しょうがないな。その後、ベータテストの始まったMTG Arenaではしばらくの間、スタンダードではないアモンケットブロック&イクサランブロック(+『ドミナリア』)という構築フォーマットが用いられ、そこでは禁止カードが存在しなかった。
なので多くのプレイヤーがアンコモンで入手も比較的楽な《ラムナプの遺跡》を武器に、赤単でバリバリと暴れ回ったものである。しばらくの間、覇権を握り続けた「ラムナプ・レッド」ver.2も、2018年6月には同ゲーム上にリアルと同じスタンダードが導入され、同時にお縄となった。まあ、モダン以下の環境でも使う可能性は大いにある。今後はここまでダメージ効率のいい土地は出ないかもしれないね。
今週は「砂漠ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/06/14《葬送の影/Shadow of the Grave》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/13《砂漠のドレイク/Desert Drake》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/12《七曲がりの峡谷/Winding Canyons》
岩SHOW Card of the Day 2018/06/11《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》