By Riku Imaizumi
こんにちは。主にマジックフェストでカバレージライターをさせていただいている、今泉と申します。
ミシックチャンピオンシップ予選の席や、ステージイベントの傍らでPCに打ち込んでいるBIG MAGICのスタッフを見た覚えのある方もいるかもしれませんね。あれです。
最近、皆さんはオリジナリティ溢れるデッキを紹介する記事が減ってきたな、と思うことはないでしょうか。
ミシックチャンピオンシップのような大きな大会の上位デッキの紹介記事は今でも各所で上がっています。実績に裏打ちされた確実なデッキリストは簡単に閲覧できるのですが、こう思っている方はいらっしゃらないでしょうか?
「目が覚めるようなギミックあるデッキリストに飢えている」と。
デッキビルディングは困難です。参考になるものがない状態から環境上位と渡り合えるデッキを組み上げることは、「とりあえずクロワッサン作ってみて」とバイトリーダーから喰らう無茶ぶりくらい困難です(実体験)。
だからこそ、そうした壁を乗り越えた輝かしいデッキリストを見てみたい。
というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
デッキリスト探検隊では、イクサランのクリーチャーのようにデッキリストの海を"探検"し、オリジナリティ溢れる素敵なデッキリストを見つけて紹介していきます。
ぜひ、みなさんの意欲作を見せてくださいね。
スタンダード
Designed by Kusakabe Syuuichi
一発目のデッキリストは、スタンダードのバント。
現在のバントと言えば、《風景の変容》から《死者の原野》を呼び出す【バント・スケープシフト】が主流ですが、このデッキに入っている特殊地形は《睡蓮の原野》。
タップするだけで3マナを生み出す夢のような土地。《世界を揺るがす者、ニッサ》でアンタップしてあげれば合計6マナゲット。
......というのはこのデッキではオマケに過ぎません。この土地、なんと呪禁持ち。《ヴィトゥ=ガジーの目覚め》でアラームをかければ、9/9 呪禁というバケモノに覚醒します。事前に《世界を揺るがす者、ニッサ》で起こしていれば12/12 呪禁 速攻の巨大兵器に。《オラーズカの翼神殿》(《ハダーナの登臨》の裏面)で24/24にしてあげればワンパンで対戦相手が沈みます。
《睡蓮の原野》を《茨の騎兵》で探すなど、サーチカードも充実。
《死者の原野》に埋め尽くされたバント界に風穴を開ける、待望のワンパンマンです。
モダン
Designed by Alexander Baran
モダンからはエレメンタルをご紹介。《雷族の呼び覚まし》から《稲妻の骨精霊》を呼び出すデッキは最近ちらほらみかけるようになりましたが、このデッキには白い《ボール・ライトニング》である《火花の強兵》の姿が。
さらにスタンダードで見かけるエレメンタル界のホープ《冒涜されたもの、ヤロク》も。
......いや、注目すべきはそこではありません。
あなたの土地が望む数だけ8/8になる。特異なオーバー・キラー《絡み森の主》。《炎族の先触れ》でサーチし、《白熱の魂炊き》から投げつけるのでしょう。
まさかモダンで、というかそもそも採用しているデッキリストを見るとは思いもしませんでした。筆者もスタンダード時代に《ダングローブの長老》デッキで使っていたことがあり、少しばかり愛着のあるカードです(重すぎて秒で抜きました)。
【人間】デッキでお馴染み《魂の洞窟》《手付かずの領土》に加え、《反射池》《原初の彼方》とエレメンタルの5色地形は優秀。
色んなエレメンタルを《炎族の先触れ》からサーチして《白熱の魂炊き》で投げつける投石、いや投エレメンタルデッキです。
レガシー
Designed by Yamamoto, Kazuaki
レガシーからは忍者。つい先日のエターナル・ウィークエンド・アジア2019 レガシー選手権で9位を記録したデッキです。
マナの不要な《羽ばたき飛行機械》、アドバンテージを得られる《悪意の大梟》を種として《虎の影、百合子》《巧妙な潜入者》の忍術能力を使用、ゲームの優位を確立していきます。
特筆すべきは《羽ばたき飛行機械》。これまでの【忍者】デッキの欠点は
1.クロックの展開にマナが必要
2.忍術のため、展開したクロックを手札に戻さなければいけない
3.忍術にマナがかかる
4.手札に戻したクロックを再展開するのにはマナが必要
と、とにかく「マナがかかる」ことだったのですが、《羽ばたき飛行機械》のおかげで「1」と「4」の欠点が解消。
さらに《改良式鋳造所》で4/4に生まれ変わることもでき、いつの間にかデッキのマスターピースに成り上りました。
『統率者2018』の《虎の影、百合子》を皮切りに、『モダンホライゾン』でさらなる追加カードを得た【忍者】デッキ。
以前は愛好家が使っているのを見かける程度でしたが、エターナルウィークエンド・アジア2019で9位となったこともあり、これからは「対策されるデッキ」に変わっていくのかもしれません。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。