By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第9回です。
面白いデッキリストを見る機会が減ってきた昨今、
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
前回に引き続き、今回もパイオニアのデッキを紹介します。いつも3つのところ、今回は4つです。魅力あるデッキが多すぎたので絞り切れませんでした。
まだまだパイオニアは未開拓。オリジナルデッキの金脈がそこらに眠っていますよ。
あなたの〇〇はどこから? 私は墓地から。
Designed by TMan85 from Magic Online
スタンダードで大暴れした(しすぎた)《死者の原野》を使おうとするデッキはパイオニアではそんなに珍しくはありません。
キーカードはデッキからサーチする《約束の刻》や《風景の変容》になりがちですが、このデッキでは全く違う場所から土地を引っ張り出してきます。
あなたの土地はどこから? 私は墓地から。
墓地の土地を全て場に戻す4マナのソーサリー。「全て場に戻す」という派手な能力が「何かできないかな」という気を起こさせるカードでした。
土地を墓地に落とすカードはこちら。
他にも、《巧みな軍略》《アズカンタの探索》など、墓地を増やすカードを大量投入。《寓話の小道》や《隠れた茂み》も地力で墓地に行きますね。
というか《風景の変容》を撃つと墓地に大量の土地が貯まるので、コンボが決まると信じられない量の土地(とゾンビ)が場に並びます。
そして鍛冶の神様の槌がこれらゾンビを加速させます。
墓地が溜まりやすいコンボデッキなので、《時を越えた探索》によりコンボパーツを探してきやすいのも良いところですね(墓地は減りますが)。
お前、人間だったのか......ビートダウン
Designed by annabelious from Magic Online
モダンの有力デッキの一角・5色人間をパイオニアでも使えないかと考えたことはないでしょうか。
でも《教区の勇者》がないと打点がなあ......なんて思っている方にはこちらがおすすめ。
お前、人間だったのか......。
1マナ1/1、他のクリーチャーが場に出るたびに自身が強化される。確かに《教区の勇者》っぽいエースクリーチャーです!
パイオニア環境には《流刑への道》がないため、再生能力はモダン以上に頼もしいでしょう。
モダン環境と比べて足りない打点は、《ベナリアの軍司令》だったり、《サリアの副官》を《魅力的な王子》で使いまわすなどして補填。《集合した中隊》でこれらを探すことも可能です。
《スレイベンの検査官》や、《密輸人の回転翼機》で後半戦にも強そうです。
通常攻撃が二回攻撃のクリーチャーは多分みんな好き
Designed by Sueyoshi Hirokazu
二段攻撃って素敵な響きですよね。通常1回なところ、もう1回分お得にぶん殴れるわけですから。
それならありったけのパワーでぶん殴ったほうが良いよね、という発想がこのデッキ。二段攻撃持ちの《典雅な襲撃者》や《速太刀の擁護者》を強化し、一撃で20点以上の打点をたたき出します。
+10/+10修正。長いマジックの歴史を見てもこれだけ派手な修正値はあまりありません。
装備コストはとんでもなく重いですが、《シガルダの助け》さえあれば関係ないのです。しかもインスタントタイミングでいきなり強化。似たようなことをする神話装備品の《エンバレスの宝剣》がつまようじに見えるレベルです。
コンボを決めるためのサーチカードとして《武器庫の開放》が、除去およびブロッカーへの回答として《神々の思し召し》が投入されており、ある程度安定して動けそうですね。
アタッカーは少なめですが、《ティムールの激闘》さえあれば、《羽ばたき飛行機械》がF8Fベアキャット戦闘機も真っ青の兵器として敵を蹂躙するでしょう。
コッソリ《岩への繋ぎ止め》を運用できるのも魅力的です。
必見2枚コンボ! コピーキャットの後釜(かもしれない)
《守護フェリダー》の禁止により、《サヒーリ・ライ》を使用したコンボ・デッキは組めなくなりました。
しかし、2枚コンボはコピーキャットだけではありません。
Designed by Cordingley23 from Magic Online
キーカードを8枚デッキに入れられればキーカード依存のデッキを組める、ということは古くから言われています。
そんな中、キーカードを8枚ずつ16枚分も投入したのがこの《概念泥棒》コンボ。《概念泥棒》の追加分となるのは《覆いを割く者、ナーセット》です。
《概念泥棒》は登場当初「《精神を刻む者、ジェイス》への対策になる」ということで何度か試されたカードでした。実際に相手の [ ±0 ] 能力に合わせてプレイすると、「自分だけ3ドロー、対戦相手は手札を2枚デッキトップに戻す」という結果になるためめちゃくちゃに気持ちが良いのですが、なかなか決まりにくいので今では使用率は低めです。
じゃあそんな気持ち良い状況を自分から作りにいっちゃおうというのがこのデッキです。
《一日のやり直し》と《闇取引》はどちらも「お互いの手札を0にして何枚かドロー」するカード。《概念泥棒》がいれば相手がするはずだったドローを奪える上、相手の手札が空になります。
《概念泥棒》ではなく《覆いを割く者、ナーセット》と組み合わせる場合は相手のドローを奪うまではいきませんが、2枚目以降のドローをさせません。十分にコンボとして機能するでしょう。
《ガイアー岬の療養所》も《概念泥棒》《覆いを割く者、ナーセット》とちょっとしたコンボになりますね。
以上、デッキリスト探検隊でした。
つい先日、《守護フェリダー》《ニッサの誓い》《豊穣の力線》が禁止されました。これらを使用していたデッキは手痛い......どころでは済まない痛手を受けましたね。
しかし、新しいデッキ構築をするという点においては吉報とも言えるでしょう。コピーキャットや緑信心はデッキ構築時に意識せざるを得ないデッキタイプでしたので、対策カードを入れる必要がなくなった分、構築の自由度が増えました。
まだまだパイオニアの開拓は終わりません。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。