By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第57回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
アブザン・《偉大なる存在の探索》
Designed by alfonso_666666 in Magic Online
《偉大なる存在の探索》を軸にした、白黒緑のデッキです。
自分のアップキープがやってくるたびに、手札からパーマネント呪文を唱えるか、占術1を行うか、どちらかを選択できます。
性質上、パーマネントで固めたデッキ構築ができれば望ましいのですが、本デッキリストはメインデッキが全てパーマネントで埋められています。
ベースとなるのは「星座」能力。通常のデッキがインスタントやソーサリーに割り振る役目を、英雄譚をはじめとしたエンチャントが担っています。例えば除去呪文は《エルズペス、死に打ち勝つ》や《古き神々への拘束》が行っています。
パーマネント呪文オンリーのデッキなので《スカイクレイブの亡霊》も入っているのかと思いましたが、サイドボードに一枚だけ姿が見えるのみでした。
さて、そうしたパーマネント呪文をつかうことから、《偉大なる存在の探索》以外にも《空を放浪するもの、ヨーリオン》が重要なキーカードになっていそうです。
《エルズペス、死に打ち勝つ》とのコンビは登場当初からお馴染み。もう一枚の相棒である《海の神のお告げ》はありませんが、手札の補充は「ルーン」シリーズが補っているのでしょうか?
このデッキには装備品がないので、死にやすいクリーチャーにつけてブリンクの機会を失うリスクをとるか、あるいは、土地につけてリスクなくブリンクの機会を待つか、どちらかを選ぶことになるでしょう。後者を選べば、《予言された壊滅》の生け贄に捧げやすくなりますね。
また、ルーン版《石鍛冶の神秘家》とも言える《ルーン鍛えの勇者》が入っています。こちらも《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクすることで、追加でルーンをサーチ可能ですね。
デッキを見た感じ、理想的な動きは以下のようなものでしょうか。
1ターン目:《金のガチョウ》
2ターン目:《偉大なる存在の探索》
3ターン目:《偉大なる存在の探索》で2マナのパーマネントを唱え、さらに手札から3~4マナの呪文をキャスト
上記のような動きができれば、3ターン目に都合5~6マナ分の呪文を唱えられることになります。
例えば、相手が2ターン目までに出してきた《エッジウォールの亭主》や《義賊》を除去しながら、こちらは《セテッサの勇者》や《太陽の恵みの執政官》で戦線構築ができるわけです。そう考えると強そうですね。
なお、この例はデッキの強みがわかりやすくなるよう、一枚しかメインデッキに入っていない《ガラスの棺》を使って説明しました。
実際のところ、2ターン目まで出てくるクリーチャーで即座に除去しなければならないものは《エッジウォールの亭主》くらいなので、《ガラスの棺》は一枚でも問題ないのでしょう。後手の場合は話が変わりますが。
いずれにせよ、マナの使用効率がものをいう中盤に大きな有利を作れることが、このデッキの長所だと理解していただければ幸いです。
《異形化》トークン
Designed by Gonito in Magic Online
かつて《変身》があった時代から、この系譜のデッキは存在していました。さて、現行スタンダードではどのような構築になるのでしょうか?
トークンを生み出し、それが《調和のアルコン》に《異形化》するのが基本戦術。《銅纏いののけ者、ルーカ》でもサーチ可能です。
では、それだけでゲームに勝てるのでしょうか? 《引き裂かれし永劫、エムラクール》ならいざ知らず、《調和のアルコン》にそんな力はありません。せめて《ダークスティールの巨像》くらいの性能は欲しいところ。
ということで、本デッキリストでは、《調和のアルコン》を「オプションのひとつ」くらいに考えているようです。
1/1のトークンからすれば、《調和のアルコン》は+2/+2のロード能力持ちとして扱うことができるのです。
《異形化》コンボを一種の《栄光の頌歌》として扱い、攻め込むわけですね。
そして、攻め込み方はもう一つあります。
《シュタルンハイムの解放》で生み出した4/4トークンを、《エシカの戦車》や《ブレタガルドをかけた戦い》で増殖!
4/4トークンは《調和のアルコン》との相性こそ良くないものの、オプションが増えることのメリットに比べれば気にするほどのことではありません。
サイドボードからは《秘密を知るもの、トスキ》や《荒くれたちの笑い声》も加わりますし、《異形化》コンボを封じられただけでは全く動じなさそうですね。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》
Designed by Denson
《軍団のまとめ役、ウィノータ》というと、《裏切りの工作員》を思い出しますね。
こちらはもっと純粋なビートダウンです。
デッキのキーカードは主に《軍団のまとめ役、ウィノータ》と《恐れなき探査者、アキリ》の二種類のようです。
《恐れなき探査者、アキリ》はトーナメントシーンではあまり見かけないカードですが、能力はなかなかのもの。
装備品を持ったクリーチャーの攻撃時にドローが誘発し、装備品を持ったクリーチャーに破壊不能を付与することも可能です。
加えて人間ではなくコーなので、《軍団のまとめ役、ウィノータ》の誘発にも一役買ってくれます。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》は軸のひとつですが、《恐れなき探査者、アキリ》もあってか、装備品もまた軸の一つになっているようですね。
《火刃の突撃者》に《スカイクレイブの大鎚》が装備されれば、死亡時に3点ダメージを飛ばす強力クリーチャーに。
《コーの刃使い》がいれば、さらに二段攻撃までついてきます。もちろん《コーの刃使い》も戦士なので、自身に装備すれば自身が3/3二段攻撃と成長します。
《コーの刃使い》が戦士に影響のある能力ということで、デッキをもう一度見てみると......
なんと、デッキには戦士しか入っていません!
《カルガの戦導者》はその能力を遺憾なく発揮できます。《軍団のまとめ役、ウィノータ》から現れれば一気にダメージレースが加速することになるでしょう。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》と装備品、戦士のシナジーが組み合わさった結果、なかなか粗が少ないデッキに昇華されましたね。
追放全体除去を多用するスゥルタイとの相性と、タップインランドの多さが気になるところでしょうか。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。