2015/04/02 産卵の息 - Card of the Day -今日の1枚-

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産卵の息/Spawning Breath

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呼吸を無意識のうちに、全自動で行っている人間・および他の生物のシステムって本当にすごい。生命活動を維持するのに最も重要なものの1つを、我々は意識を注がずに行えている。


これが常に「息を吸わなきゃ、息を吐かなきゃ」という思考が必要だったらと思うとゾッとする。今日における繁栄は有り得なかっただろう。というか、飯も食えやしない。

そんな呼吸の中で、意識的に行うもの・自らの思考で気体を吐き出すことを「息吹」というのだろう。「息吹(Breath)ウィーク」。今日の1枚は、お待たせしましたというか、ブレスと言えばやっぱり火力でしょ、というファンタジーな思考に応える1枚…の中でも、ちょっと変化球なカードだ。


『エルドラージ覚醒』はそのセットの雰囲気、カードパワー共に申し分のない優良エキスパンションであった。エルドラージという初登場の(伏線はあったが)、未知なる存在をゼンディカー・ワールド、ひいてはマジックの世界にデビューさせ、それを違和感なくプレイヤーに受け入れさせ、不可欠な存在として浸透させることに成功した。

カードのデザインも1枚1枚が素晴らしく、そしてそれは特にリミテッド…ドラフトにおいて、顕著であった。この環境が面白かったというのは何度も話していて、耳にコジレックが出来るかもしれないが、たまに話す程度なのでどうかお付き合いいただきたい。

 《産卵の息》はどう見ても貧弱な1枚だ。2マナ1点火力。これでは落とせるクリーチャーも極々少数だ。0/1トークンを生み出す。これも2マナでカード1枚使ってまですることかと、問われると、NO。

では、これらが合わさったら…?一躍強くなったりするのだが、実はこれが「そうでもない」。どちらの効果も盤面に与える影響力が弱すぎるからだ。この環境のドラフトでは、タフネス1のクリーチャーは少ない。いても、焼くまでもなく、適当なカードで沈黙する連中だ。

ただ、1種類だけよく見る存在がある。それが、このカード自身も生み出す「落とし子」トークンだ。多くのカードにオマケ要素として添えられているこのトークン、チャンプブロックor大物のためのマナブーストという仕事を与えられているこのトークンを、このカードでは除去することが出来る。これがどれだけ、ゲームを動かすのか。大事なところはそこだ。

もっと強い除去を入れたいし、ブーストとしてももっと良いカードがある。しかし、このカードにしか出来ない芸当・相手のエルドラージ着地を1ターン遅延させ、こちらが1ターン早くそれを出す、ということも出来たりする。そんな最大限の効力を発揮させることが出来た時、「やっぱこの環境おもしれぇぇぇ」となるんだな。…勿論、これを握りしめてタフネス2の群れに撲殺されることもあったさ。

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