2015/11/06 軍族童の突発 - Card of the Day -今日の1枚-
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1枚のカードで複数のクリーチャーを展開する、トークン生成カード。マナコストとトークンのパワー/タフネスを見ればトントンかちょっと損してるくらいなのだが、複数生み出せるというのが強みだ。単体除去を受けても他のトークンが生き延びれば、カードの枚数的には得をしている。《清浄の名誉》がある状態で2マナでパワー2のクリーチャーを出すよりも、同じマナで1/1を2体生み出せる《急報》を使った方が打点の上昇は大きい。最近ではそんなトークン呪文の性能もかつてより大幅に上昇し、スタンダードを中心に多くの環境で活躍するカードが生まれている。今日紹介する、《軍族童の突発》も近年稀に見るハイスペック・トークン呪文だ。
赤の3マナで1/1のゴブリン・トークンを3体生み出すシンプルな呪文である。ここでまず1つ考えてほしい。3マナで実質3/3。赤で3マナ3/3って、なかなかいないよねということ。調べてみると6体いて、いずれもデメリットとなり得る能力を持っている。このカードはデメリットのない実質3/3であるという点で十分に素晴らしい。そして、それらがシナジーの宝庫であるゴブリンという種族であること。これが大きい。『タルキール覇王譚』でこのカードがデビューした時、スタンダード環境には...《鋳造所通りの住人》《ゴブリンの熟練先導者》と、相性抜群のカードがしっかりと存在していた...というより待ってたなこりゃ。《鋳造所通りの住人》もそうだが、赤いトークンであることにも意味があったのだ...《かき立てる炎》の"召集"コストを払えるのはかなり重要で、3ターン目にこれ経由で4点を投げつけることが可能だった。そして前述の通り、パワーを上昇させるカードとの相性は神がかっている。クリーチャー3体だから、そういったカードの3倍の恩恵を受けられる。それらの中でも断トツの相性を誇るのが《ジェスカイの隆盛》。ご存知の通り、渡辺雄也プロが使用し一躍有名になりメタゲームの一角としてここ1年輝きを放ち続けている「ジェスカイトークン」。その主要パーツとして、欠かすことのできないカードである。ゴブリンが2/2、3/3と成長していく姿は圧倒的だ。
カード名の「軍族」というのは、タルキールの氏族・マルドゥの別名。このカードのようなゴブリン達は、マルドゥを形成する他の種族・人間やオークにはあまり相手にされておらず、なんだかかわいそうではあるが...頭でっかちな愛嬌のある見た目に反して、頑強で危険な戦士である。自身では騎乗できないものが多いが、他のマルドゥの戦士が駆る馬の上をピョンピョン飛び移り、敵を急襲する。この時、戦士の背中に掴まるのだそうだが...かわいい。こんな子たちが一生懸命しがみついてきたら...いや、重くて鬱陶しいか。臭そうだし。このイラスト、「モッシュ・ウィーク」で紹介するにはもってこいな暑苦しさと愛らしさの調和。フェス会場で目当てのアーティストのステージめがけて走る外人さんの姿を思い浮かべるな。