All Hallow's Eve

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All Hallow's Eve

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本来ならハロウィンの時期に紹介したい1枚だが...Rush御大の追悼とあれば、一番好きな1枚を紹介しないわけにはいかない。《All Hallow's Eve》のイラスト、目にする機会は少ないかと思う。カード自体が『レジェンド』の再録禁止カードであるため、今後新しいものが刷られないというのとそれ自体が人気であることが合わさり、シングルカードとしてもお高いものとなっている。その割に、レガシーや統率者戦ではクセの強さから使われることがない、と出会うこと自体が困難なカードの1つである。

イラストに描かれているのは、ハロウィンといえばなカボチャ...ジャック・オ・ランタンと呼ばれるアレと、ガーゴイル像。ガーゴイルと言えば羽の生えた怪物を思い浮かべることが多いと思うが、ヨーロッパでは鳥獣的な特徴を持っていない狛犬的なものも全部ひっくるめてガーゴイルとしている。それらが妖しい灯りを放つ月夜。煙のように現れた霊の姿が...という、ハロウィンの夜のワンシーンを描いた1枚。元々ハロウィン=10月31日とは、ケルト人にとっては1年の終わりの日であった。この夜を境に夏が終わり冬が始まり、そして同時に死霊が蘇り人家を訪ねてくる夜でもある。のみならず、自然発生する悪霊・精霊の類...そういったものから自らや家を護るために、仮面をし魔除けの火を焚く、そういう夜だったらしい。カードとしても、死者の霊が蘇るカードとなっている。

カード画像を見ても、どういうテキストなのかピンと来ないと思うので現在のオラクルを記しておこう。

「All Hallow's Eveを悲鳴(scream)カウンターが2個置かれた状態で追放する。
あなたのアップキープの開始時に、All Hallow's Eveが悲鳴カウンターが置かれた状態で追放されている場合、それから悲鳴カウンターを1個取り除く。その上に悲鳴カウンターが置かれていない場合、それをあなたの墓地に置き、各プレイヤーは自分の墓地にあるすべてのクリーチャー・カードを戦場に戻す。」

ご覧のとおり、非常に変わった挙動をするソーサリーである。唱えて解決されると、まずこのカード自体が追放される。その上には、"悲鳴カウンター"という完全にこのカードのためだけに用意されているカウンターが2つ乗る。これはあなたのアップキープに1つ取り除かれ、2つとも無くなった時、即ちこの呪文を唱えてから2ターン後に、すべての墓地のクリーチャーがズラリと戦場に還ってくるのだ。《生ける屍》《黄昏の呼び声》《死せる生》ら、墓地総ざらい呪文のご先祖様である。効果は派手だが、タイムラグが気になるところ。

これを見て待機呪文を思い出した方も少なくないだろう。待機は追放されてから待機カウンターがゼロになってから呪文が唱えられるが、この《All Hallow's Eve》は呪文が解決されてから追放されるということを覚えておこう。

あまりにも独特な挙動ゆえに、一時期はソーサリーではなくエンチャントになっていたこともあるというとんでもない経歴の持ち主でもある。エンチャントの頃は以下のようなカードだった。

「All Hallow's Eveは、その上に時間(time)カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
あなたのアップキープ開始時に、All Hallow's Eveの上に時間カウンターが置かれている場合、これの上から時間カウンターを1個取り除く。これの上に時間カウンターが置かれていないのならば、各プレイヤーは、自分の墓地にあるすべてのクリーチャー・カードを戦場に戻す。」

エンチャントになり、クリーチャーが戦場に戻った後も場に残る。ということは、バウンスなどで手札に戻せば再利用できたので。さらに、乗るカウンターも時間カウンターなので色んな呪文や能力とシナジーが期待できる。が、カードに書いてある挙動を重視するという方針のもと、本来のソーサリーに戻り、時間カウンターが謎のシナジーを形成しないように悲鳴カウンターとなったわけだ。

イラストは、カードだと『レジェンド』特有のくすんだ印刷で本来の魅力が出しきれていないように思う。是非これが印刷されたストレージボックス、あるいはPC用壁紙でクリアなイラストを目にしてほしい。Rush御大の魅力が、溢れまくっているぞ。

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