Blacker Lotus

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Blacker Lotus

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偉大なるマジックの父の一人、Christopher Rush氏の追悼ウィーク。一週間続けてきたが...やっぱり、良いカードが多いなぁ。最近のデジタルで描かれたイラストも、緻密さ・リアルさでは黎明期のそれをはるかに上回る素晴らしさを持っている。古き時代の、絵の具で描かれたイラスト達には、それらでは表現できない味わいがある。そのどちらもあって、新旧の素晴らしいイラストがゲームの盤面でぶつかり合うマジックって素晴らしいな...と思った次第だ。
さて、最終日にあたる本日ご紹介する1枚は、かのマジックを象徴する《Black Lotus》...ではなく、黒より黒き水蓮《Blacker Lotus》だ。本家でなくて申し訳ないが、こちらも本家同様Rush御大が手掛けた水蓮である。そこに何の違いもありはしないってぇ!

ご覧のとおり、銀枠なカード。『アングルード』という、実際のゲームでは使用できない、おふざけカードのみが収録された特別セットのレアカードである。このセットには既存のカードのパロディが多数収録され、この《Blacker Lotus》はその親玉。同セットには、《Chaos Orb》というカードをビリビリに破いて用いたという都市伝説を基にしたパロディカード《Chaos Confetti》が収録されており、このカードもその流れを汲んでデザインされている。即ち、これの能力は...

「(T):Blacker Lotusをバラバラにちぎる。あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ4点を加える。その後それらの破片を追放する。」

ハッキリ言って酷すぎる!無茶苦茶なカードを作ったものだ。0マナから4マナ生み出す。本家Lotusをも超える、ぶっ壊れマナブーストであるが、その代償はカードの完全破壊。びりびりにちぎってしまわなければならず、比喩表現抜きの文字通り使い捨てアーティファクトなのである。銀枠のカードであるので、強いとか弱いとか語ることには意味がないが...一言だけ。これを大量に買って銀枠OKトーナメントで真面目にコンボを決めまくって勝った猛者がいるとかいう都市伝説が。そりゃ、勝てるよ。空気を読んでいないのか、あるいは最も体現したのか、今となってはあくまで都市伝説なのでなんともわからないが...マジにイカれてやがるぜ!

マジックには"黄金律"と呼ばれる4つのルールが存在する。その中の1つに、「実行不可能な行動は無視する」というものがある。なんともイカれたことに、この黄金律はこのカードにも適応される。何らかの理由でこのカードを破れなかった場合、その手順は省略され、カードは失われずにマナのみが得られる、という裁定が出ている。スリーブに入っている場合、その上から破こうとしてもOKとの裁定もある。なので、鋼鉄製のスリーブに入れて使ったりすれば、カードを失わずにタップのみで4マナを得られる。毎ターン無条件で4マナGetだ!...君の対戦相手が筋肉モリモリであった場合「手伝ってやるよ」と言われるかもしれないが、その時は覚悟を決めよう。というか誰が真面目に答えたり最低出したりしているのか?ウィザーズの遊び心ってホント素晴らしい。

というわけで、Rush御大の手掛けたカード達を紹介してきました。彼が手掛けたロゴとマナシンボルは、今後生まれてくる世界中の子どもたちに愛され続けることだろう。願わくば、永遠に...。

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