突風売り/Squallmonger

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突風売り/Squallmonger

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昔の日本人のセンスには驚かされること限りなし。例えば妖怪・物の怪・魑魅魍魎の類。自然現象、今で言う「あるあるネタ」などにキャラクターを与えて納得したり教訓としたり、ただ単純に楽しんだり。垢舐めが来るから風呂を綺麗にしておけ、なんて説得力あるもんな。

それらの中でも、神域のものとなるが、風神雷神のデザインはズバ抜けていると思う。俵屋宗達の手がけた屏風図を知らない人はいないだろう。風邪袋から風雨を起こして宙を舞う風神、連なった太鼓を叩き轟音と雷鳴を落とす雷神。設定もビジュアルもインパクトに満ちたもので、長きに渡って日本人に愛され続けている。

今日はそんな風神雷神の、風神的なクリーチャーを紹介しよう。《突風売り》は『メルカディアン・マスクス』にて登場したオールプレイ能力を持ったサイクル・モンガーの緑の枠を担当する1枚。オールプレイ能力とは、読んで字のごとく。そのカードのコントローラーのみではなく、ゲームに参加しているすべてのプレイヤーがその能力を起動できるというもので、これを持ったカードは度々デザインされている。『メルカディアン・マスクス』ではこれがテーマの1つとしてフィーチャーされ、その中でももっとも有名なのが2マナで誰でも起動できる能力を持った、4マナ3/3達、即ちこの《突風売り》が属するモンガーサイクルである。モンガーってなんぞ?と思ってしまうが、ストレートに商人のことである。擁するに、金(マナ)さえ払えば、相手は誰であろうとも仕事をするということである。この商人連中の中で、《突風売り》はその名の通り突風を吹かせることを生業としている。

2マナ支払うことで、飛行クリーチャーとすべてのプレイヤーに1点のダメージを与える。この全体ダメージはかつて緑が得意とした対空方法の1つで、《ハリケーン》が最も有名だ。このモンガーは、4~6マナも払えば飛行クリーチャーは薙ぎ払えてしまう、なかなかに制圧力のあるクリーチャー。飛行クリーチャーだけでなく、プレイヤーにダメージが入るのもポイント。もとよりクリーチャーで殴るのは得意な緑、殴って殴って残り数点をモンガーで削りきるという使い方も出来て、サイクル中でもなかなか器用な1枚である。ただし、オールプレイ能力の欠点として、こちらが《極楽鳥》を出してしまうと相手にあっさり叩き落とされてしまうし、ダメージレースで負けてしまうと、あっさりと金の力で裏切られてしまう。個人的には物凄くバランスのとれた、素晴らしいカードの1つであると思っている。

他のモンガー達が2007年9月のサブタイプ変更祭りでモンガーという職業を意味するタイプに加えて、イラストから想起できる種族のタイプを得たのに対して、この《突風売り》はモンガーのままである。確かに、他のクリーチャーとはかなり異なる異質な見た目ではあるしなぁ...モデルが風神であることは、間違いないと思っているのだがどうだろう。

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