ラガークトカゲ/Lagac Lizard

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ラガークトカゲ/Lagac Lizard

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春の日差しは心地よい。日本の冬などその厳しさ・長さにおいて他国のそれより遥かにマシではあるが、それが終わりを迎えて暖かなものが降り注いでくるのは気持ちが良いものだ。これからもっともっと気温が上がってくれば、昆虫に続いてそれらを捕食するトカゲなどの小さな爬虫類達が冬眠から目覚め活動を開始する。コンクリートの上で日向ぼっこをするトカゲ達の姿は実にかわいい。

そんな春の到来を告げるトカゲだが、彼らの歴史は古く、三畳紀(約2億5000万年前~約1億9000万年前)には既に姿を現しており、肋骨を用いて滑空するものなど様々なバリエーションに進化していた。2億年以上もの悠久の時を越えて現在も地球を闊歩する彼らだが、その姿は最古のものからほとんど変わっていない。原始的ではあるが、シンプルで完成されたフォームなのだろう。今現在も世界中のそこかしこに生息し繁栄しているのがその証拠だ。

マジックの世界にも、勿論トカゲは存在する。その数は48種類と少なくはなく、ドミナリアにミラディンにアラーラにと、多様な次元に生息しそれぞれの次元に適応した独特の姿・生態をしていたり、なんてことはない普通のトカゲなフォームだったりする。今日ご紹介の1枚は、次元ゼンディカーに生息する《ラガークトカゲ》。勿体ぶってもしょうがないのでとっととその能力を紹介すると、赤の4マナ3/3能力なし!以上!これで終わってしまう1枚。マジック創世記から存在する《丘巨人》と同等のスペックであり、多数のエキスパンションに同型再録され続けてきたものの1つである。リミテッドで中盤を支えるクリーチャーとして定番の枠だが、最近ではコモンでもダブルシンボルでパワー4のものが増えてきたので以前よりは「所謂《丘巨人》」というフレーズを聞かなくなってきたように思う。

このカードのフレイバーテキストには、なかなか壮大な物語が記されている。曰く、この人を飲み込むサイズのトカゲは、ゼンディカーという次元に生命が誕生したタイミングで、既にラガークの先祖は存在しており、彼らは今日に至るまでの間にエルドラージの侵略とそれを封じたプレインズウォーカーの戦い、平穏が還ったゼンディカーにて吸血鬼が隆盛する様を、即ちゼンディカーの歴史そのものを見届けてきたとのことだ。先に述べたように、2億年以上変わらずあり続けるトカゲという生き物の種としての強さと、マジックの歴史上に常にあり続けた4マナ3/3バニラ枠の伝統とをかけたもので、なかなか奥が深い。ただ、1つ気になるのは「ゼンディカーの生命創生」というフレーズ。生命の始まりの時点でトカゲがいる、というのはこの地球の生命の歴史とはかなり異なる。マジックの多元宇宙での生命の発生は、神域の能力を持った者達によって人為的にもたらされるものもあることだろう。ゼンディカーという次元も、何者かの手によって作られた世界なのかもしれない。

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