2015/11/30 魔術師の導師 - Card of the Day -今日の1枚-

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魔術師の導師/Wizard Mentor

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師走突入である(今日はまだか)。早いもんやね~。師走の語源は、僧の師匠が経を上げるために東へ西へと走り回る様からきているとされるが、実際どうなんだろう。語源を抜きにしても面白い月の名前である。では、今週は師走から師の字を取り、師の英訳であるMentorと合わせて「師/Mentorウィーク」としよう。

一発目は《魔術師の導師》。「こんなカード知らない」という方、まだまだ知ることのできるカードがある証拠。これからもマジックの広い広い知識の海を楽しんでほしい。「あ~懐かしい」という方、長くマジックと付き合えていて素晴らしい。これからも古き良き友人であるマジックと共にあらんことを。というわけで、まあまあ古いカード。あの極悪セット『ウルザズ・サーガ』のコモンである。セットがイカレているとは言え、このカード自体はいたって普通のクリーチャーである。3マナ2/2、自身と味方のクリーチャー1体を手札に戻すという能力を持っている。相手のクリーチャーではなく、自身のクリーチャーをバウンスするという、マジックを始めた頃には一体どういう意味があるのかよくわからない能力。対戦相手が使用してきた除去呪文やコンバットトリックから、自身の虎の子のクリーチャーを救出するのに使用する能力であり、この導師が突っ立っていれば相手からするとちょっとイヤらしかったりする。

特に、ダメージスタックというルールが採用されていた時期では、そのイヤらしさは倍増。かつてはクリーチャー同士の戦闘において、それらが与えるダメージはスタックに乗ってから解決されて与えられていた。このルールの下であれば、互いのクリーチャーが与える戦闘ダメージをスタックに乗せた後、発生源であるクリーチャーが戦場を離れてもスタックを解決すればダメージを与えることが出来た。例えばこちらの3/1が2/2にブロックされたとして、ダメージをスタックに乗せた後に《魔術師の導士》の能力を起動。3/1を手札に戻し、戦闘ダメージを解決。相手の2/2が3点のダメージを受けて死亡し、こちらの3/1は手札から再展開される、と。

これだけ聴くと相当素晴らしい能力に聞こえるが、一度起動するのに3マナでこのカードを唱えてから召喚酔いが解けるまでというラグが存在する。手札にクリーチャーを回収しても、それを再展開しつつさらに導師も展開せねば盤面を再構築できないというのもしんどいところ。結局、面白いが対して使えないカードであった。使えなくはあるが、これの後継機である《ヴィダルケンの黒幕》は自身のクリーチャーを戻して戦場に出た時の能力を使いまわせる良カードとなっていたので、彼が作られたこと自体には意味があったということだ。

ただ、強くないカードではあるがトーナメントシーンでこれを使用するデッキは存在した。「スニークアタック」というコンボデッキでは、《騙し討ち》で走らせた大型クリーチャーをこれで回収しては投げるのを繰り返すことが出来る。導師自身もクリーチャーなので、赤マナ1つで救出に走らせることが出来るというわけ。

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