2015/12/22 シラナの星撃ち - Card of the Day -今日の1枚-
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どっちつかずのカードが成功するケースは少ない。ここで言う成功とは、トーナメントシーン...特に構築フォーマットで強力であり広く使われることを指す。どっちつかずのカードというのは...Aというカード、Bというカード、それらの良いところを掛け合わせるぞ!...でも、純粋な良いとこどりだと強くなりすぎちゃうかもだから、カード1枚にまとめる手数料としてちょっとブレーキ踏んだ調整にしたで~な1枚。マジックの22年の歴史で生み出されたカード達は、そのすべてが唯一無二の1枚と言うわけではなく、既存のカードを上記のようにハイブリッドして作られたものも相当数存在する。勿論、良いとこどり過ぎて超強力なカードも存在する。でも、その裏にはどっちつかずのカード達がたくさんいるってことを、忘れないでやってほしい。
特にこのどっちつかずカードについて思考をめぐらせる時(そもそも何を考えているのかと自分でも思うが)、早い段階で出てくるのが《シラナの星撃ち》だ。3マナのエルフ・ドルイド・射手。サイズは1/3、能力は"到達"と、戦場に出た際に選んだ色を生み出すマナ能力。飛行クリーチャーを食い止める《大蜘蛛》...というよりはサイズ的に《梢の蜘蛛》であり、2色以上のデッキで生きるマナ能力とエルフという有用部族である点は《クウィリーオン・エルフ》から受け継いでいる。これらの2マナのクリーチャーをミックスすると3マナになった、というところだが...この3マナと言うのが、どっちの仕事をやるにしてもどっちつかず。3マナなら、飛行クリーチャーを食い止めるにしても《両棲鰐》などの方が有用だし、マナクリーチャーとしてなら1、2マナ圏にもっと優秀なカードが多数存在する。そもそも、展開をサポートするマナクリーチャーがブロックにおいて有用な能力を持っていても、それが活きるケースは少ない。見事なまでのどっちつかずカードではないか。
構築向きではないが、リミテッドでは堅実な仕事をする1枚。特にこのカードが属するラヴニカブロックのドラフトは、10パターンの色の組み合わせが飛び交う複雑怪奇な世界。マナサポートをかき集めてカードパワーの高い『ディセンション』にかけるという戦略があったりも。コモンということで入手難易度の低い《シラナの星撃ち》が良いところで取れたりするとデッキが締まる。