血の誓い/Blood Oath

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血の誓い/Blood Oath

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今週は「誓いウィーク」と題して、誓いに関するカード・それを名に冠するカードを紹介している。誓いと言えば、それを他者に示す時に人類は世界各地で共通の行動・表現を用いるようだ。「血」、血液の誓いを交わすのである。それは、例えばイタリアンマフィアは、義兄弟・ファミリー入りの誓いをたてる時にお互いの親指にナイフで傷をつけ、血が流れる傷口を合わせて血の交換を行うらしい(感染症とか怖いので、よい子はマネしないように)。日本にも血判状という文化がある。誓いの文章に署名後、自らの指を切って血を捺印する。血判状には伝統的な作法があり、ある神社が発行する専用の用紙を用いる。これには熊野の守り神である八咫烏が88羽を用いた文字が描かれているらしく、ここに書かれた誓いを破ると、八咫烏が1羽死に、破った本人も吐血して死ぬという。それだけの覚悟を表すのに、血というものは視覚的に大変わかりやすく説得力がある、ということだろう。前置きが長くなったが、今日紹介するカードの名はまんま《血の誓い》。

マジックにおける赤は、血の色である。血液と同じ色である、というのが主な理由なのだろうが《血染めの月》を始め、血・Bloodに関するカードの多くを担っている。興奮、激情、混沌を司る色ということで、テーマ的にも血にまつわるものがデザインされやすいというのもあるだろう。先に挙げた《血染めの月》が最も知名度が高いが、じゃあ二番手は?個人的には、この《血の誓い》じゃないかなと思っている。

『メルカディアン・マスクス』にて登場したこのインスタントは、少々特殊な火力だ。カードタイプを1つ指定し、対戦相手の手札を確認。その中にある同タイプのカード1枚につき3点のダメージを与える。ゲーム後半で相手が手札3枚ほど持っていて特にアクションしてこなくなった場合、適当に土地を指定するだけで6点ほど入りそうなもので、カード1枚で与えるダメージの効率としてはなかなか良い。勿論、指定したタイプが1枚もなくて0点ということもあるだろうが...ゲームをやっていると、大体相手のデッキに何が入っているのか、このタイミングで何を握っているのか読めるようになってくるもの。これがスタンダード現役の頃は、よく「ファイアーズ」のサイドボードに積まれていた。青いコントロール・パーミッションデッキを相手に用い、相手エンド前にこれを撃って、カウンターを使わせてから次の自分のメインで《はじける子嚢》などの本命を叩き付けるのである。通ったら通ったで、インスタントか土地を指定してダメージを与えつつ、相手の手札を確認して今後の展開のプランが練れる...即ち、勝ったも同然の状況。

前述の八咫烏の話を基に考えると、「まさかお前、インスタントなんか持ってないよな?そう言ったよな?...あるじゃねぇぇかぁぁ」「ウゲァァァァ」みたいな呪文なのだろうか。イラストでは、どこかアジアな雰囲気の髪型の二人が、お互いの肘を握り合って腰の刀に手をかけている。パッと見ではどういう状況なのかよくわからないが、カード名も相まって緊張感は伝わってくる。今なら当時存在しなかったプレインズウォーカーと部族をカードタイプとして指定できる。マジックを長らくやっている身としては、これで全タイプ指定するという実績を達成したいものだ。

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