黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath

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黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath

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「黒だけはぶられている」というのを一体何回聞いたことやら。『ゲートウォッチの誓い』に収録される「誓い」サイクル。プレインズウォーカーとシナジーを形成する伝説のエンチャントサイクルは、黒を除く4つの色に用意された。背景ストーリーにおいて、エルドラージに立ち向かい手を取り合うことを誓い合ったのはギデオン・ジェイス・チャンドラ・ニッサの4人であり、黒のプレインズウォーカーであるリリアナはゼンディカー行きを拒否、オブ・ニクシリスはむしろ敵であるときたものだからしょうがないと言えばしょうがない。これに不満を漏らす黒ユーザーも少なくなかったが...ちょっと考えてみてほしい。「誓い」サイクルはカード名が「~の誓い」=「Oath of ~」。誓いを意味するこのOathをカード名に含む黒のカードが、一足先に出ているではないか。件のオブ・ニクシリスがデーモンとなりプレインズウォーカーの灯を失い、それを取り戻したのが現状。それより遥か昔、彼がまだ人間でありプレインズウォーカーとして目覚めた頃の姿をカード化したもの《黒き誓約、オブ・ニクシリス》。英名は《Ob Nixilis of the Black Oath》。そうOathが含まれている。日本語では誓約と訳されているが、意味は誓いと一緒だ。黒き誓いは、ゼンディカーでの宣誓よりも遠い昔に立てられていたのだ。...無理がある?まあ、細かいことは抜きにして、カードを見ていこうじゃない。

《黒き誓約、オブ・ニクシリス》は前述のように人間でプレインズウォーカーだった頃の姿をカード化したもので、『統率者2014』の看板の1つとして登場し、多くのプレイヤーを驚かせたものだ。このサイクルのプレインズウォーカーはいずれも統率者戦で伝説のクリーチャーでないのにも関わらず統率者に指定できるという特殊なカード達だ。

オブ・ニクシリスは5マナで初期忠誠度3と、コストの割に低い値で降臨する。だが安心してほしい、プラス能力が+2なので、決して脆くはない。この能力は各対戦相手がライフを1点失い、それに等しい値のライフをこちらが得るミニ《吸魂》。つまり...あんまり強くはない。統率者戦なら3点回復できるのでなかなかだが、ゲームに与えている影響としては微々たるものだ。対戦相手が一人しかいない通常の対戦ならなおのこと。純粋に、忠誠度を増やす能力と割り切るのが肝要だ。

これで増やした忠誠度は、即座に-2能力で消費していくことになるだろう。2点のライフを失いながら、5/5飛行のデーモントークンを1体戦場に出す。これこそが黒き誓約の真骨頂。2ターンに1度、デーモンを増産していけば大抵の相手には打ち勝つことが出来るだろう。強いプレインズウォーカーの条件・所謂自衛能力というやつにカウントすることも出来る。通常のクリーチャー除去では何度対処しても湧いてくるデーモンには対処不可能だろう。

-8能力、通称奥義は一見に派手さに欠ける。2マナでクリーチャーを生け贄に捧げ、それを手札とライフに変換する。-2能力と組み合わせると、2マナで差し引き3点回復して5ドロー。こう聞くとぶっ壊れだが、これを起動できる値まで忠誠度を高めるには戦場に出してから3回連続で+2能力を使うしかなく、それまでの3ターンはほぼ恩恵を得られない能力を使いつつ、彼自身を護ってやらねばならないと、なかなかにハードだ。様々なカードと相性が良い能力ではあるので、オーバーキルであるとはいえ是非とも紋章を手に入れたいものだ。ちなみに、起動型能力を紋章自身が持っている、というのはこの紋章がマジック史上初。紋章は名前を持たずパーマネントではないので、この起動型能力は《真髄の針》などで止めることは不可能なので覚えておこう。

プレインズウォーカー全般がそうだが、《倍増の季節》と組み合わせたくなる1枚。《アルハマレットの書庫》も添えて、超倍増デッキなんて組んでみるのも楽しいだろう。

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