Tetsuo Umezawa

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Tetsuo Umezawa

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皆が最初に腰を抜かしたカードってどれ?腰を抜かしたってのは大袈裟な表現かもしれんので、思わず二度見三度見したカード、とかでもいいかな。この質問にはプレイヤーの数だけカード名が挙げられることだろう。マジック的フリートークがしたいなら、仲間にこの話題をふってみると良いだろう。マジックプレイヤーの大半は語りたい派の人だから、きっと思い出を掘り起こして熱く語ってくれることだろう。語りたがりの最上位の僕としては、このカードについて話したいなぁ...というわけで《Tetsuo Umezawa》のお話。

最初にこのカードを見たのは、中学1、2年の頃「Magic : the Gathering Official Encyclopedia」を眺めていた時のこと。このころの僕はこのデッかいフルカラーカードリストを、英和辞書を脇に携えて読むのが日課だった。どれだけ眺めても飽きない、2000枚を超える個性的なイラストの数々。近所の店で売られていた『フォールン・エンパイア』のカードなどはいくつか持っていたので、リストの中に姿を見つけると妙に嬉しく、また絵違いの存在を知り「何故同じセットでイラストの違う同じカードを収録するのだろう」など疑問に思ったりしながら楽しんでいたものだ。そして、ある日『レジェンド』のページをじっくり読み込んでいる時、Tetsuoの姿をみつけたのだ。何せ『レジェンド』はカードプールが広く(310枚)、初登場の金色・マルチカラーであり伝説であるクリーチャー(当時の表記では"レジェンドの召喚")達に、やったらルールテキストの長いカードが多く、1ページ読むだけでとんでもない時間がかかったものだ。そうしてやっとTetsuoが掲載されているページをじっくり読むタイミングが訪れた時、まずイラストに度肝を抜かれた。浮世絵やん!名前も、テツオ・ウメザワ?確かに同セットには《Ayesha Tanaka》《Kei Takahashi》なるカードが存在したが...イラストまでジャパニーズ・トラディショナル・スタイルのカードはこれだけ。無茶苦茶カッコイイやんけ!ガツーンと脳天直撃体験。

カードとしても、当時には珍しい3マナ3/3という優良スペック。「3色なんだから当然、アナフェンザ見ろ」と思われるかもしれないが、当時はそれだけクリーチャーのスペックが低く、今が高いのだ。このボディに能力を2つ有しており、1つはオーラ呪文の対象にならないという点。《平和な心》などの除去から身を守ることが出来るが、《怨恨》などで強化できない点は一長一短か。もう1つの能力は、タップ状態かブロックしているクリーチャーを破壊する除去能力。青赤黒3色の4マナ+タップとコストは重いが、効果は凄まじい。リミテッドではこれをコントロールしているだけで相手のアタック及びブロックを牽制する、鬼のような能力。クリーチャーと土地しか存在しないもミール・ベーシックで飛び出した日には、ほぼ勝負あり。

構築で使われた実績は...まあ、『レジェンド』が使えた頃って一体どんなゲームをしていたのか想像もつかないが、そこそこあったりしそう。アメリカ人の好きな要素が詰まっているので、サムラァイニンジャー叫びながら召喚されていたのだろう。現代では、やはりそのルックスの素晴らしさ、《梅澤俊郎》や《ニコル・ボーラス》とのストーリー上の繋がりで相変わらず人気が高い。タイニー・リーダーズなる統率者戦の派生ルールでもグリクシスカラーの貴重な統率者として活躍。絶版の上、再録禁止カードであるためシングルカードとしての価値は今後一定の値を保ち続ける・状況によっては大きく上がることだろう。ちなみに今週のトップで紹介した《永遠の戦士》のフレイバーテキストに出てくる津波二刀流は、このテツオが用いる剣術の流派である。そんな関係にあるオーラカードを、このテツオに普通につけることが出来ないというのは...攻撃しながらブロッカー破壊が出来たりしてなかなか悪くないシナジーを形成するだけに、残念でならない。

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