今田の旗本/Konda's Hatamoto
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旗本とは:近世までの日本に存在した、武士の階級の一つである。こう呼ばれるのは主に、徳川家の家臣団で石高が1万石未満(大人一人が1年間で食べる米の量が1石。石高とは土地の生産性を表すもので、1万石の場合年間1万人分の米を生産できる土地の持ち主)で、将軍に直接謁見できる御目見(おめみえ)という身分以上の家格の者たちに限られた。この家格の者たちは地元では「殿様」と呼ばれた。僕らがイメージする、城に住んで立派なちょんまげに殿様感あふれるピカピカの服を着たあの殿様は、当時の日本ではかなり上の階級ではあるが...伊達政宗は150万の主だったともいわれており、徳川幕府というシステムの中ではそんなに上じゃないんだな。今回僕もこれを書くにあたって調べてみて初めて具体的にどういう立場の人なのかわかったし、多くの日本人が知らないことかと思う。こんな身分を扱ったカードが、なんとアメリカで作られているマジックに存在する。英語名も《Konda's Hatamoto》とそのまんま旗本《今田の旗本》を紹介しよう。よく旗本なんて単語チョイスしたなぁ。
神河における大名・今田に仕える武士をカード化したこのカード、クリーチャータイプはもちろん侍。2マナ1/2で"武士道1"を持っている。武士道とは、このクリーチャーがブロックされるかブロックした場合に誘発する能力で、横に書かれている数字の分だけパワー/タフネスが上昇する。見た目よりも戦闘には強いぞ、という能力で、相手のブロックや攻撃を牽制し、特に防御に回った時は盤面をがっちり固めるものだ。この旗本の場合も、2マナで1/2と小さめなサイズではあるが、同じマナ行きに多い2/2や2/1の攻撃を一方的に返り討ちにすることが出来る。
ただそれでもパワー1しかないのは心細い。攻撃時にはブロックされなかったとしても1点しか削れず、2マナのクリーチャーとしては強くはない。ただし、自身が立つ戦場に伝説の侍が姿を現すと、その本来の力を発揮する。+1/+2修正を受けるとともに"警戒"を得るのだ。こうなると2マナ2/4警戒武士道1と、一気に頼れる存在に。この能力、伝説の侍のカリスマ性がすごいとか旗本の忠誠心が発揮されるとかそういう表現をしたいのだろうけど、某バカ殿などの影響で殿様と呼ばれる存在にプラスなイメージを抱いていない人間にとっては「上の者がおらんうちは手抜きしよ」というダメダメ旗本に見えてしまう。
さらに旗本について調べたところ、そもそも旗本とは戦時中は本陣の傍に配置され、文字通り軍旗の本でそれを警護していた武士団を意味していたという。このカードはどちらかというとそちらの意味での旗本のほうが近いのだろう。見た目もイカツイし、そんなに偉そうでもなし、ガッチリ警護してくれそうな頼もしさはある。旗は見えないが、本陣というか関所的なポジションを護っているように見えるので、そういうことなのだろう。ダメダメとか言ってごめんよ旗本!しかし開発スタッフもマイナーな存在をピックアップしたもんだ。