この世界にあらず/Not of This World

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この世界にあらず/Not of This World

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プロツアー『ゲートウォッチの誓い』、決勝ラウンドに進出したデッキの内訳は...「親和」×2、「エルドラージ」系×6とエルドラージが大躍進。決勝戦のマッチアップも「無色エルドラージ」vs「青赤エルドラージ」と、大会開催前には思いもよらなかった光景が展開されていた。1ターン目に2/1が複数並び、2ターン目に4/4ハンデス、3ターン目5/5速攻トランプルと、この世のものとは思えない光景が展開され、実況のし甲斐があるものだった。この世のものではない、と言えば...ちょうどエルドラージ関係でいい呪文がある。その名も《この世界にあらず》という、無色のインスタント。『エルドラージ覚醒』にてこの無色呪文は初登場し、多くのプレイヤーの度肝を抜いたものだ。今では当たり前の存在となったエルドラージ軍団がデビューを果たしたその中で、この呪文はその特異性とイカしたカード名で大きな注目を浴びていた。無色のインスタントで部族呪文という強烈な個性を持ったこの呪文は、効果自体はシンプルでカウンター呪文の一種。あなたがコントロールするパーマネント1つを対象とする呪文か能力を打ち消す、というもの。パーマネントであれば何でも護れて、しかも呪文のみならず能力も打ち消せるというのが柔軟性に富んでいてナイス。《不毛の大地》から《暗黒の深部》を護ったりということも出来る。まあ出来るんだが、大事なのはそのコスト。無色でどんな色のデッキでも使えるカウンターということで、7マナという非常に重いコストが設定されている。7...さすがに構えられる値ではないなぁ。一応、エルドラージのタイプを持っているので今話題の《エルドラージの寺院》《ウギンの目》で気持ち軽く運用出来るっちゃ出来る。しかし重たいカウンターが使えた試しってないんだよなぁ...。

と、いうのも杞憂。このカード、条件次第ではマナコスト無し、0マナで唱えられるのだ。その条件とは、これで打ち消そうとする呪文及び能力があなたのコントロールするパワーが7以上のクリーチャーを対象にしている場合。平たく言うと、コジレックやウラモグなどのデカいエルドラージをこれで護りなさいと。大型クリーチャーをあれやこれやの手段でせっかく出したのに、それがすぐさま除去されちゃあつまらんだろうという世のファッティマニア達への優しさ、バファリン的1枚である。

このカードで護られたのは、エルドラージよりももっぱら《グリセルブランド》。「リアニメイト」の追加の《Force of Will》として運用されているのを度々見る。実際、《Karakas》の起動型能力(伝説のクリーチャーをバウンス)をこのカードで打ち消されて負けた時は、脳の血管がブチブチと切れる音が聞こえた。ケアのしようもなく、これを相手が握っているのであれば「隕石が降ってくる日もある」と思った方が健全。マジックやってりゃ、この世のものとは思えないこともあるさ。

イラストに描かれているのは、頭上に黒曜石の破片を浮遊させたコジレックの血族。『ゲートウォッチの誓い』のコジレック関係のカードでは、カウンター関連のものが増えている。エルドラージ初登場時から、コジレック系は何かを打ち消す力を持っているという設定がしっかりあったんだなぁと実感できる。

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