工匠の直感/Artificer's Intuition

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工匠の直感/Artificer's Intuition

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今週および来週の当コラムは、偉大な二人のアーティストに捧げたい。マジックの世界観づくりに大いに影響を与えた方々が、2月上旬にこの世を去った。追悼として彼らがイラストを手掛けたカードを紹介し、それらの魅力をより多くの人に知ってもらう。微力ながら、彼らへの感謝を示すにはこれしかないなと。

今日紹介するのはWayne England氏が手掛けた《工匠の直感》。Wayne先生がマジックのイラストを手掛けるようになったのは『プロフェシー』から。そこからローウィンブロックまで定期的に作品を提供し続け、アーティストの世代交代が行われた後も2011年に『基本セット2012』『イニストラード』で復帰、最後の参加セットは『統率者2013』となっている。長きに渡って100点以上のイラストを提供しているので、名前を知らなくてもあ~この人かとイラストを見てわかる人もいることだろう。

そんなWayne先生の仕事として、個人的に素晴らしいと思っているのがあるクリーチャーのイメージを作り上げたこと。その種族はヴィダルケン。『ミラディン』にて初登場したこの青のクリーチャーは、樽のような機械的な肉体と複数の腕、スペースファンタジーに出てくるエイリアン的表情の持ち主で、それまでマジックには存在しなかった外観を持ったクリーチャーの登場は、機械でできた次元の風景と合わさってその世界観を大きく拡げることとなった。このヴィダルケン、クリーチャーカードとしてもいくつか登場しているが、それ以上に呪文カードでそれぞれ機械の操作や魔術を行っている姿を描かれ、多くのプレイヤーの目に留まりインパクトを残している。その中で、最もヴィダルケンらしさを感じるのが、Wayne先生が手掛けたもの達。Wayne先生特有の、プラスチック的光沢を放つ質感のボディと刻み込まれたような皺が描き込まれた頭部...ヴィダルケンと聞けば、先生が担当した各カードが浮かび上がる。彼がヴィダルケン像を確立したといっても、過言ではあるまい。

そんなWayneスタイルのヴィダルケンが描かれたカードの中でも、特に好きなのがこの《工匠の直感》。極限まで調整された《適者生存》と《修繕》のハイブリッドとでも言うべきカードで、手札からアーティファクトを捨てて1マナ以下のアーティファクトをライブラリーからサーチする。1マナ以下のアーティファクトは"ほぞ"と呼ばれ、他愛もないものが多いが中には《師範の占い独楽》《仕組まれた爆薬》《真髄の針》のように強力なものも。《Black Lotus》なんかもね。これらをサーチして美味しい思いが出来るデッキだったり、アーティファクトを墓地に置くことが強みとなるデッキで用いたい。手札に加えるのではなく、そのまま戦場に出てくれればもっと使い道はあったのだろうが...それだと強すぎたのだろう、相当な悪さが出来そうだし。このヴィダルケンがサーチしてきたのは...なんらかの呪文爆弾のようだ。カードの効果とイラストが、なんともデッキを作りたくさせる、が...良いデッキが出来た試しがない。誰かモダンなんかで、リスト投げて!

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