落とし子の仲買人/Spawnbroker
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先日亡くなられたWayne先生が手掛けたカードで、個人的に一番好きでFoilなどコレクションしていたのが《世界喰らいのドラゴン》。カードの能力も、それに説得力を持たせるイラストも、いずれも素晴らしい。世界喰らいは文句なく最高の1枚だ!!...ただ、このドラゴンへの愛は既に当コラムで語っている。なので...そのドラゴンの幼生的クリーチャーが描かれているカードを紹介しよう。
《落とし子の仲買人》のイラストに描かれている、小さなドラゴン達。僕らから見て右手側の赤い仔ドラゴンが、《世界喰らいのドラゴン》っぽさを感じさせる。一方、翼を持たない緑の爬虫類は、同じく氏が担当した《石舌のバジリスク》を想起させる。この子は尻尾が二本あるけどね。この赤と緑の落とし子達を、それぞれ求める者の元へ送り出すのが仲買人のお仕事。ドヤ顔&スタイリッシュポーズが印象的。そもそも仲買(なかがい)というのは、江戸時代の商人および商行為の一つであるらしい。生産者・荷主・問屋・小売り、それらの間に仲介し商品を動かして利益を得ている業種だ。生産者から同一の商品を大量に集めて一口で卸業者に販売したり、大口の商品を小売りに分け売りしたりと、流通を円滑化させる役割も担っている。ラヴニカでのこの業種は騙しの職業らしく、フレイバーテキストにはベテランの格言が書かれている。この落とし子達が一体どれほどの値で取引されたのか、気になるところだ。
カードとしては、あなたと対戦相手に取引の機会を与えてくれるクリーチャーである。戦場に出た時、あなたがコントロールするクリーチャーとそれよりも低いパワーを持つクリーチャーのコントロールを交換する。青に定期的に出てくるコントロール交換カードの1つだが、このカードは3マナと非常に軽いのが利点だ。利点だが...コントロール交換カードは、こちらが弱小を差し出し相手の一番強いカードを奪うことに旨みがある。しかしこのカードは、その旨みを必ずしも得られるとは限らない。こちらの用意するクリーチャーのパワー以下のカードしか奪えないというのが、どうしてもネックだ。まあ、3マナという軽さだから当然っちゃ当然だ。このカードは戦闘で強力なクリーチャーを奪うというよりは、その状況でより有能なシステムクリーチャーを獲得するカードと認識した方が良いだろう。このカード自身も交換に差し出すことが出来るので、《死儀礼のシャーマン》なんかを奪っちゃおう。モミールベーシックではマナクリーチャーを奪えるので、かなりやりよる。《変位エルドラージ》のようなカードとの相性は抜群なので、いつか面白いデッキを作ってみたいものだ。