大空の暴君の目覚め/Awaken the Sky Tyrant
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突然のことで僕自身も驚いている。マジック:ザ・ギャザリング公式で、Daily Deckという連載記事を担当することに。いや~、生放送の実況や司会のお仕事はさせていただいたことはあったが、連載記事となるとまた違った喜びと共にプレッシャーを感じるもの。今はとにかく、連載でいろんなデッキについて書けることの喜びと共に、皆への感謝の気持ちでいっぱいである。いつもありがとうございます!
このコラムを始めた頃には、まさかこんな未来がやってくるなんて夢にも思わなかった。あの時から、少しは僕も成長したのだろう。今週は、能力の覚醒や肉体・精神の成長に関するカードを紹介しようと思う。
先頭を飾る1枚は、最近カード名を見て気に入ったカード、《大空の暴君の目覚め》。大空の暴君、って良い響きじゃないか。ただドラゴンの4文字で済むところを、なんともファンタジー好きの心をくすぐるフレーズにしてくれるとは、思わず拍手。英名《Awaken the Sky Tyrant》もヘビーメタルのアルバムタイトルっぽくて素晴らしい。こういう、名前から入るカードというのも良いじゃないか。とっかかりは大事だよ、ゲームにおいては。
肝心のカードとしては、『統率者2015』で昨秋デビューしたばかりの新入り。同セットに収録されているということは、統率者戦かレガシーでしか使用できない。どちらも、生半可なカードでは生き残れない戦場であるが、果たして...。なんとなくソーサリーっぽいカード名だが、エンチャントである。その能力は、対戦相手があなたにダメージを与えた場合、上空から目覚めし暴君=5/5飛行が飛来するというもの。結果としてエンチャントは生け贄に捧げられるので、トークンを得られるのは一回こっきり。4マナで5/5飛行というのは悪くない。暴君の名に恥ずかしくない戦力として、対戦相手に報復のブレスを吐きかけることだろう。
しかしながら、何とも使いにくい1枚であるのも事実。赤は能動的に相手に仕掛けていく色だが、このカードはどちらかと言えば防御的な機能を持っている。相手が殴ったり火力を打ってこない限り、このカードは仕事をしない。あるいは相手がドラゴンを嫌がりそういったことをしてこないのがこのカードの仕事かもしれないが、赤という色委で貴重な手数をそれに割くのは勿体ない。そもそも、相手がダメージを与えてきたと思ったらドラゴンが出るどころか自身が死んでいる、ということもある。即ち、残念ながら強いカードではないのだ。
イラストを見るに、この暴君の巣が何者かに攻撃されたようで、割れた卵を確認することが出来る。手前の卵の影にはその犯人である人間の姿が。そりゃ、怒り狂うというものである。プレイヤーが殴られてこの様に怒って飛び出すということは、この暴君はプレイヤーのことをかわいい我が子だと思っているのだろうか。何もなければ危害を加えることはなく、本来ならば暴君などとは縁遠い優しいドラゴンなのかも。