跳躍の達人/Leaping Master
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どんなジャンルにおいても、「伸びる」人はいる。その世界に携わった当初は力がなくても、環境に恵まれたり自身の努力で、実際にメキメキと音が聞こえるかのような速度で伸びていく人はいる。伸びる才能というのだろうか、器量の良い人っているよなぁ。マジックにおいても、ついこの間までドラフトやったこともなかった子がGP二日目でドラフトにて強豪と同卓しているのを見ると、伸びたなぁぁと思うものだ。逆に一向にプレイングが上手くならない自分に対しては、伸びる才能が無さ過ぎて日々辛いなぁって(集中力を養ってください)。
今回は伸びる才能の持ち主的なカードを探して紹介しようと思いカード検索...これかな、という名前がヒットし能力を見ると...あぁ君か!書けることあるかな...いや、伸びるために書こう!と数秒で思考を巡らせてくれた1枚、《跳躍の達人》。
『タルキール覇王譚』は、それまでプッシュされなかった友好2色+それらと対抗する1色の3色の組み合わせ・それまで楔3色と呼ばれていた色の組み合わせを5つの「氏族」というグループにして、それぞれ固有の能力やシナジーを形成するカードがデザインされたセットだ。かつて、フランス国旗に準えてトリコロールと呼ばれていた青白赤の3色は、このセットでは「ジェスカイ」という氏族に設定され、以後デッキ名などでも「ジェスカイ~」と呼ばれるようになる。このジェスカイという氏族、実に...個性的だ。メインの構成員は人間とジン、イフリートのモンク達。中国の山奥には今でもありそうな、少林寺拳法的寺院で心身を鍛えている集団で、その独特のテンション・ルックスからタルキールのネタキャラとしての地位を確立しつつ、カードとしても《カマキリの乗り手》《僧院の速槍》《僧院の導師》といった強力な面々を誇る強力氏族として大人気である。
《跳躍の達人》はこの氏族のコモンのクリーチャー。ジェスカイのキーワード能力である"果敢"に関する能力は持ってはいないが、赤いクリーチャーにして白マナの起動型能力を持っているのがジェスカイらしさ。3マナ支払ってターンエンドまで飛行を得る、というたったそれだけの能力であるため、構築でこの姿を見ることはまずない。ドラフトにおいては、地上戦が膠着した際に大跳躍からカンフーキックを敵本体に叩き込んでくれるナイスガイ。この能力を起動し攻撃宣言する際に、「アチョー」など変なセリフを言ったことがある人も少なくないはずだ(1回はあるよね)。
どちらかと言えば、ジェスカイのデッキよりもマルドゥ(赤黒白)でいい仕事をするカード。軽量クリーチャーを並べて速攻を仕掛けつつ、全体強化を使用するまでの細かいライフ削り、マルドゥのキーワード能力"強襲"を飛行で安全に攻撃して達成したり...個人的には、かなり点数の高い1枚だった。元々マルドゥ出身で、改宗してジェスカイ道を歩むものもいるようなので、彼もそうした元やんちゃ僧侶なのかもしれない。より上のステージを目指して、今日も大・跳・躍ッ!