2014/04/16 彩色の宝球 - Card of the Day -今日の1枚-

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彩色の宝球/Chromatic Sphere

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便利さの裏側には、理解しがたいテクノロジーが潜んでいる。今や3D映像や超絶グラフィックゲーム機なんて当たり前の様に日常に存在するが、僕はピコピコ電子音とドット絵で作られた黎明期のゲームの仕組みの欠片すら理解できないし、十分に技術の頂点だと思っている。

マジックにおいても、「当たり前の便利さ」の裏側には難しいルールがある。それを知っておくのと知らないのでは大きな・無視できない差がある。今回はそんなカードを紹介しよう。


《彩色の宝球》は、元々は《逆刺の六分儀》だった。この使い捨てのマナフィルターは、当時も事故を軽減してくれるものとして愛用された。しかしこの六分儀は、カードをドローするタイミングが次のアップキープの開始時というタイムラグを持っている。

このラグはしばしば、プレイヤーにドローを忘れさせた。せっかくの便利なカードもこれでは問題児である。そのため、ラグを解消するように上方修正されたのがこの《彩色の宝球》である。その結果、世にもややこしいカードの誕生となってしまった。


カードとしては先代の六分儀同様、使い勝手の良い1枚である。その特性やアーティファクトであることから、「ストーム」や「親和」などで活躍したカードである。

現在進行形では、モダンの「トロン」において、無色マナしかでないウルザランドを置きながら《紅蓮地獄》などの有色呪文を唱えるサポートをしてくれる必携の1枚となっている。


さて、これの何がややこしいのかと言うと…六分儀で問題となったドローのラグ。これが解消されたのは素晴らしい。しかし、ドローとマナを加えることが同時に処理されるようになったおかげで…他に類を見ない珍しい状況を生み出すカードとなった。

このカードの起動型能力はマナ能力であり、そしてカードを引くこともその能力の一部である。世にも珍しい、スタックに乗らずにカードを引くことが出来る1枚となっているのだ。

そして、その珍しい能力が知っておかなくてはならないややこしさを秘めている。例えば、呪文や能力があなたにマナの支払いを要求したとする。それを支払う際に、あなたはこのカードから発生したマナを支払いに充てようとマナ能力を起動した。そしてドロー。

ここだ。ここに注意しなければならないポイントがある。実はルール上、他の呪文や能力を解決している最中にカードをドローすることになった際、それは呪文が解決されるまで見ることが出来ないということ。裏向きに伏せることがルールで決まっているのだ。

なかなかない状況だとは思うが、呪文や能力の解決中に何か他の能力などによってドローが引き起こされた場合は注意するようにしたい。


また、「親和」で用いる際にも注意したい。《物読み》が手札にあり、戦場にはこれを含めてアーティファクトが4つ。ここで先にこのカードから青マナを生み出してから《物読み》を唱えると、必要なマナはUと①。これが《物読み》を唱えると宣言してからこのカードを起動してマナを出すと、必要なマナはUのみ。当時はこれらのルールを知らないことが、よくもめる原因になっていた。これからも気を付けていきたいものだ。

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