2014/05/21 不死の隷従 - Card of the Day -今日の1枚-

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不死の隷従/Immortal Servitude

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「場に出す(戦場に出す・戻す)」と書かれたカードは、同じような効果のそうでないものと格が違うことがほとんど。《死者再生》が手札ではなく戦場に戻していたら、マジック随一のブッ壊れカードだったことだろう。

逆に各種フェッチランドが手札に加えるという効果だったら、歴史に残る最弱ランドという愛されキャラになっていたことだろう。このあたりの調整は、ものすごく当たり前の事に見えるが、それが当たり前のこととして成り立っているマジックの完成度に、我々は今一度敬意を表した方が良いのではないだろうか。というわけで、今日は戦場に直接出すカードの中から、近年出たもので僕が最も可能性を感じた《不死の隷従》をいってみよう。


このカードは墓地からクリーチャーを戦場に出す、所謂リアニ系のカードである。であるのだが、ちょっと毛色が違う。白黒ハイブリッド3マナ+Xマナで、点数でみたマナコストXのクリーチャーを総釣りするのだ。

よく《再活性》なんかが「一本釣り」と表現されるが、それに対してこれは「地曳網」とでも言おうか。現実でも、カジキマグロなんかをこれで捕ろうとする不可能に近い。

《グリセルブランド》を釣り上げるのに本人より重いマナ域になってしまっては一体何がしたいのか分からない。一方、超高性能釣竿で海の底にいる小魚やらカニやらを採取するのも嘘な話である。それぞれに目標にあった道具を使うのは大切である。


というわけで、この地曳網では墓地に転がった軽い(0マナ~2マナ)のクリーチャーをまとめてドンと叩きつけて勝つために使用するのがメインの目的となる。普通に戦死して行った面々を釣って戦線再構築を狙っても良いが、やっぱりそこはコンボでしょう。

《火花の精霊》や《苛立たしい小悪魔》といった墓地に落ちてしまう面々を一気釣りしてライフを削る黒赤や、同様の狙いの白赤での5枚目以降の《再誕の宣言》として用いるというのが1つのアプローチとしてまず浮かんでくる。

後は浮かびそうで意外と浮かばないもので…X=2で《血の芸術家》数体と《カルテルの貴種》のようなサクリ台でガッツリドレイン、《ファイレクシアン・ドレッドノート》が共食いをする恐ろしい場を作る…などなど、面白い状況を作り出せることは確かだ。

0マナクリーチャーがズラリ並ぶことで勝てるというカードが見つかれば、最軽量の「地曳網」であるこのカードは化けるに違いないのだ。

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