2014/10/01 グルールの印鑑 - Card of the Day -今日の1枚-

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グルールの印鑑/Gruul Signet

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 レンガや石造りの建物が居並ぶ通りなんかを歩くのは気持ちが良い。横浜や札幌、ヨーロッパの国々…人を歩きたくさせる風景である。

古くからある、自然の素材で作られた造形物であるが故だろうか、無機質なコンクリートと金属の世界と違って、温かみがあって落ち着く空間だ。

ところどころに、年月・風雨によって削り取られた箇所なんかがあるとなお味わい深い。夜になって、窓からもれるオレンジの光でうっすらと照らされた様も、なんとも風情があって良い。人工物であっても、昔からあるものには風情を見つけることが出来るのだ。


そんなレンガや石の壁を、ふと見るとこんなシンボルが刻まれていたりして。今日の1枚は《グルールの印鑑》だ。

「印鑑」は旧ラヴニカ・ブロックにて登場したアーティファクトのサイクルだ。いずれも無色2マナで設置し、1マナとタップを支払うことで該当のギルドに属する2色のマナを生み出すマナ能力を持っている。

2色が揃うことが前提のリミテッドでは勿論のこと、マナブースト・またフィルターとして優秀であるため構築でも愛されたサイクルものの大成功例であると言える。


そんなサイクルの中にあって、この《グルールの印鑑》は、やや他の印鑑より評価が落ちる1枚である。別に弱いことは全くない、他の印鑑と同じ性能だ。

しかし、この赤と緑の2色は自らの力でマナを伸ばすことの出来る色の組み合わせである。各種マナクリーチャーや、爆発的にマナを増やすインスタントなど、より特化した性能を元来持っている色なので、それらの特性を持ち合わせていない《アゾリウスの印鑑》なんかに比べるとその強みはやや落ちることになる。

そもそも、当時のグルールカラーのデッキと言えば《密林の猿人》や《巨大ヒヨケムシ》をバンバン展開して殴っていく速攻デッキであったため、印鑑のようなマナブーストがそもそも必要ないということも大きかった。


それから時が経ち。統率者戦(EDH)がムーブメントを巻き起こすと印鑑カードは「とりあえず入れとけ」カードの代表として広く再評価されるようになった。

前述の通りブーストが元来得意な赤緑と言えども、ハイランダー(同名カード1枚制限)の元では話が変わってくる。こうして、壁に刻まれたグルールの縄張りの証も、風化せずに陽の目を浴びることとなった訳だ。めでたしめでたし。

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