『モダンマスターズ2015年版』プレビュー

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textby Iwa-Show

2015年。マジックにおける、革新の年___今年は、後にそう呼ばれることになるだろう。現在進行形で呼んでいる方も少なくないはずだ。発売スケジュールの変化・『運命再編』から矢継ぎ早に『タルキール龍紀伝』が登場、かつてない速度での環境変化にプレイヤー達は翻弄されつつも、止むことのない刺激体験を楽しんだ。また、このスケジュール変化により基本セットの存在が無くなることに。この夏に控える『マジック・オリジン』は最後の基本セットとなる。

セットの数が増えたこととも相まって、プロツアーは勿論グランプリの開催数も増加。日本国内では4つのグランプリが開催されることに。フォーマットにレガシーが選ばれたグランプリ・京都2015の開催も記憶に新しい。あの熱狂からわずか1ヶ月で、もう次のグランプリが開催されるのだ。さて、そのグランプリ・千葉2015のフォーマットと言えば...

 
そう、『モダンマスターズ2015年版』!!あの『モダンマスターズ』が装いも新たに還ってくる!これも2015年の一大事件だ。この年を象徴する出来事、と現段階では言ってしまって良いだろう。

モダンというフォーマットのカードプールに含まれる、『第8版』~『タルキール龍紀伝』までの全ての基本セット及びエキスパンションから選び抜かれたカード達が、このセットでしか経験の出来ない未知のリミテッド環境を形成してやってくる。それらのカードの中には《タルモゴイフ/Tarmogoyf》といったモダンの顔にして、入手が困難になっているものも多数含まれる予定である。

幸運にも、今回はその再録カードの1枚を紹介できる名誉に預かった。感謝しつつ、前置きが長いという声もありそうなので早速紹介いってみよう!

 
ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》!事前情報で『ミラディンの傷痕』に含まれるカード(《刻まれた勇者/Etched Champion》)が公開されていたこともあって、今回の再録範囲は『アラーラ再誕』までだった初代『モダンマスターズ』よりも広いものであることは判明していた。そして、今ここに『ミラディン包囲戦』もその範囲に含まれることが判明したというわけだ!そして、同セットから選ばれたのはイメージビジュアルでも多用され、トーナメントシーンでも大活躍した文字通りの看板レア、《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》。

このカードについておさらいしてみよう。白のダブルシンボルからなる3マナ2/2二段攻撃・黒と緑に対するプロテクション持ち。シンプルisベストを地で行く、素晴らしいスペックの持ち主だ。二段攻撃持ちなので、実質3マナパワー4と考えてよい。白ならば、これをオーラや装備品、全体強化呪文などでパワーを上昇させ、より強烈な一撃へと昇華させてやることは容易い。

 
優秀な打撃力に、2色に対するプロテクションという優秀過ぎる除去耐性・回避能力を併せ持つ。特にリミテッドにおいては、黒の直接的な除去呪文の対象にとられず、緑の大型クリーチャーを掻い潜る(あるいは受け止める)という、特に有用なプロテクションを2つも併せ持っているのだから脅威と呼ぶほかない。事実、『ミラディン包囲戦』を用いたドラフトでは緑黒感染が強力なアーキタイプだったため、《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》をピック出来た時の信頼感といったらなかった。

 
その環境では、アーティファクトのクリーチャーや除去呪文も多数存在したために無敵という訳では決してなかったが...『モダンマスターズ2015年版』ではそうもアーティファクトがゴロゴロしているとは思えない。グランプリ・千葉2015で緑黒のデッキを使わなければならなくなった場合はご用心。まあ、用心してもどうしようもないんだけども...。

モダンでは第一線でバリバリに活躍しているカードという訳ではないが、なんだかんだ戦場に出てしまえば強力。常に一定数存在する緑黒系のデッキに対するブッ刺さり方は他に類を見ない。3マナのカードであるため、流行の兆しを見せる「タイニーリーダーズ」でも用いることが出来、これからも人気のカードであり続けることだろう。

『新たなるファイレクシア』とその後のストーリー展開で、ミラディン人は完全に滅んだと思われていたが...生死不明だった《槌のコス /Koth of the Hammer》も生存が確認され、新ファイレクシアに抵抗する勢力が全滅した訳ではないことが判明。このカードが再録されたことは、まさしくフレイバーテキストが示す通りの「希望」であると言えるのではないだろうか。

 
しかし同時に、対となるカード《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》も再録される可能性が...ミラディンとファイレクシア、2つの陣営の戦いは、まだまだ終わることはないのだ。