Oath of Lim-Dul
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「誓い」ウィーク、最終日は我がマイナーカード軍団の中でも紹介を待ちに待っていた秘蔵っ子をば。Oath(誓い)カードの中でも最古のもので、『アイスエイジ』出身の《Oath of Lim-Dul》、「リム=ドゥールの誓い」だ。リム=ドゥールの名は最近全く聞かなくなったが、古くからのマジックファンには馴染みの名前だ。リム=ドゥールはかつてはキィエルドーのストロームガルド軍の一兵士に過ぎず、それもゴブリンの軍団を見て逃げ出すような臆病者であったが、逃げた先の洞窟で兄弟戦争後の暗黒時代において悪さをしていたメアシルという人物(《高位の秘儀術師、イス》を幽閉し彼の名声などを奪った)の遺骸と指輪を発見・これに触れたことでメアシルの人格および記憶・魔法を操る能力が融合し、新たな人物として生まれ変わった。生まれ変わった彼は黒と赤の傾向が強い魔術師・屍術師となり、アンデッドの軍団を結成し大陸の征服を夢見たり、レシュラックとテヴェシュ・ザットという二大悪役プレインズウォーカーと共に次元を超えた侵略を行って失敗したり、その過程で二人の主から肉体を人間ではない何かに変えられたりと、なかなかに波乱万丈な人生を送っている。
そんな彼が誓いをたてたカードは...なかなかに興味をそそるデザインとなっている。4マナのエンチャントで、戦場に出しただけでは仕事をしない黒黒を支払うことで、カードを1枚引く。...引くだけ?引くだけ。良い意味で引くだけなのである。黒のドローと言えば、服は《強欲》から《ネクロポーテンス》《ヨーグモスの取引き》《ファイレクシアの闘技場》《グリセルブランド》《地下世界の人脈》《苦い真理》と、ライフを失うのが当たり前。カード1枚を1点のライフで買えるのであれば安いものである、というのが黒という色。しかしこの古き時代に登場したカードは、マナだけでアドバンテージをもたらしてくれる。無茶苦茶強いやん!どちらかと言えばコントロール系のデッキで、序盤を捌いたら後はじっくりこのカードでアドバンテージに差をつけて勝利、という用い方がベストではないだろうか。黒黒というダブルシンボルを要求するコストが重たく見えるが、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《陰謀団の貴重品室》《ニクスの祭殿、ニクソス》と黒マナを生む手段は大幅にパワーアップしているため、簡単にカードを引いていけることだろう。
...いや、もうわかってるよね。こんな簡単にカードを何枚も引ける訳が...ないんだなこれが。いや、引くの簡単か。引いて、そのまま勝つということのハードルが跳ね上がってしまうデメリットをこのカードは持っている。あなたがライフを失うたびに、その値1点につきカードを1枚捨てない限り、この誓い以外のパーマネントを生け贄に捧げる。ダメージはあなたにライフを失わせているので、勿論これも含む。...きちーなー。《稲妻》を撃ち込まれたら、手札かパーマネント併せて3枚ものカードを失うことになる。クリーチャーに殴られるだけでも、恐ろしい枚数のカードを失ってしまう。これじゃカードを引く速さよりも失う速さの方が上回り、結果パーマネントも手札も無くなって負けてしまう...うーん、タダより安いものはないなぁ。
なんらかの手段であなたがダメージを受けず、ライフを失わない状態になれば、このカードから得られるものはただただ恩恵のみとなる。デッキ、作ってみようぜ。