忘却の輪/Oblivion Ring
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Wayne England氏に捧げる一週間。アーティストを偲ぶのであれば、その人の作品の中で一番人気なものを選んで紹介するというのは避けては通れない...わけだが、マジックにおいてこれはとても難しい。カードの好みは人によって大きく異なるし、イラストとそれが持つ能力が合わさってこそのカードなので、一概にイラストがどうだからということで何が一番人気かは決められなかったりする。Wayne先生の担当カードでも色々と意見が分かれると思うが、「最も多くのプレイヤーに使われたカード」ならば、これじゃないかというのが1つ。『ローウィン』のベストコモン、THE万能除去《忘却の輪》だ。
白の3マナエンチャントにして、パーマネントであれば土地以外何でも除去できる優れた1枚。白は昔から《解呪》系のエンチャント・アーティファクトを割りつつ、《剣を鍬に》《流刑》などでクリーチャーを捌ける万能の色であった。が、カード1枚でこれらすべてに対処できるようになるとは...大変な進化である。3マナと除去としては軽くないコストでソーサリータイミングでしか使えないという代償で、この柔軟性を手に入れたのだ。
また、完全除去という訳ではない点にも注意。このエンチャントが戦場に出たら対象のパーマネントを追放、これが戦場を離れたらそれを戦場に戻す。つまり、相手にエンチャント対策手段があれば除去としての仕事を果たさなくなってしまう。そこだけが唯一の弱点だが、まあこれぐらいは許してやってほしい。《忘却の輪》を《忘却の輪》で割るというプレイ、よくやったなぁ...リミテッドでも構築でも、多くのプレイヤーが愛用したことだろう。
戦場に土地以外のパーマネントがない状態でこのカードが3枚揃うと、無限ループが発生してしまう。Magic Onlineだとカード表示が激しくちらついた後、ゲームが落ちている動画を観て笑ったものだ。複数のイラストが存在するが、やはりWayne先生のイラストが一番馴染みがあるので好きだ。炎族が壺から溢れる精油的なもので描かれた輪に捕らえられている光景は、ちょっとシュールで...でも色合いが美しく。改めてみると、この炎族の持っている剣、二刀流かつめちゃデカいね。