悪忌の溶岩走り/溶岩生まれのトクトク / Akki Lavarunner/Tok-Tok, Volcano Born

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/11/29

悪忌の溶岩走り/溶岩生まれのトクトク / Akki Lavarunner/Tok-Tok, Volcano Born

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失敗が成功に結び付けば、結果オーライ。物事はそう簡単に進みはしない。実験的なデザインのカードもマジックには多数存在し、後にそれのバージョンアップが登場するなんてこともザラ。その中でも最も有名なのは...変身と、それの元になった反転カードだろう。変身カードは初見のインパクトに驚いたものだが、今では極めて普通の存在となった。《ヴリンの神童、ジェイス》や《大天使アヴァシン》のような構築シーンで大活躍したカードが、その存在を一般的にしたことは間違いない。では、これの元になった反転カードとは?今日はそのデザインについて話そう。

 

反転は1つのカードで2種類のクリーチャーを表現しようとした、デザインの限界への挑戦であった。2種類のクリーチャーを作って、片方をさかさまにしてその上にもう一方をパイルダーオン。通常、カードを正面から見て上になっている方を反転前のカードとして扱い、その反転前クリーチャーが必ず持っている「~を反転する。」という能力を解決すれば、カードの上下を逆さまに"反転"して、今度は先ほどまで逆さまに記されていたテキストやパワー/タフネスを参照するというわけだ。文章にするとわかりにくいが、変身と大差はない。なんらかの条件を満たすと、モブから伝説のクリーチャーへと成長する。『神河救済』では伝説のクリーチャーから伝説のエンチャントへと姿を変えるという、なかなかに冒険的なデザインのカードも現れた。しかしながら...見た目のゴチャゴチャさはいかんともしがたく、マジックの兄弟分・デュエルマスターズで両面カードが実装されたのをうけてこれを逆輸入。これが即ち変身カードだ。今後は1枚で2モードのカードは変身が担っていくことになるだろう。反転はその分かり辛さとデザイン的な限界により失敗能力であったとされている。

 

今日紹介する《悪忌の溶岩走り》は、4マナ1/1速攻のゴブリンで...ってむちゃくちゃ弱いな。これが対戦相手にダメージを与えることに成功したら、これを反転する。反転すればトクトクという伝説のゴブリンになり、サイズは2/2に(弱い)、「溶岩生まれ」の二つ名だけあってプロテクション(赤)を得て、更に赤い発生源が与えるダメージに+1点するという能力を得る。《稲妻》が4点に!トクトクの与えるダメージも3点になるぞ!うーん、何とも言えないボーナス。4マナ1/1がダメージ通せてる時点で対戦相手は相当に無抵抗な状態である。ちょーっとオーバーキルなんじゃないかな。悪忌のかわいらしさとトクトクのシブさを楽しみたいなら使う、趣味カードである(僕は学生時代これを剥いたのでなんとか使おうと頑張ったものだ)。

 

反転は失敗メカニズムだったが、この《悪忌の溶岩走り》はもう1つミスが。日本語版の"速攻"が、まさかの誤字。当時は手打ちでテキスト作ってたのかなぁなんてことが垣間見える、かわいらしいミスだ。


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