岩SHOW 今、Pauperが面白い~ブームに乗り遅れないために~

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 どうも、マジックに関してなんやかんや色々お仕事させてもらっている岩SHOWです。今日は何故かこのタイミングで過去最もホットな状態になっており、そして更なる盛り上がりを見せる可能性が大いにあるマジックのフォーマットの1つ"Pauper"について書いていこうと思います。公式サイトでもPauperのデッキをたびたび取り上げてはいますが、改めてPauperとは何か?何故流行の兆しを見せているのか?今回はその辺を掘り下げていこうかなと。

 

1. Pauperって何?

 Pauperを直訳すると「貧困者・貧乏人」となります。どんなフォーマット名やねん!と思わずにはいられませんが、これはあくまでレアリティが最も低いコモンのみを用いるという構築ルールを、リッチの真逆の言葉で表現しているだけです。平たく言うなら、コモン限定構築。日本ではその字面から「パウパー」と読まれていますが、ネイティブの発音では「ポゥパー」のような感じなので、海外のプレイヤー相手にパを強く発音すると通じにくいかもしれません。

それはさておき、Pauperはマジックの魅力を再確認させてくれる面白さに満ちたフォーマットです。コモンカードのみでデッキを作るのは難しく、また様々な発見があります。それらを使った対戦では、コモンとは思えないカードパワーが交錯したり、コモンだからこその限界を感じながらテクニックでカバーしたりと、エキサイティングかつハイレベルな攻防を楽しむことが出来ます。マジックを始めたばかりの、パックから出てきたコモンカード1枚1枚のテキストをワクワクしながら読んだあの日の感覚を味わえる、Pauperはマジック大好き人間の求めるものに応えてくれるフォーマットなのです。

 

 Magic Online(以下MO)上で遊ぶためのフォーマットとして制定されたPauper。実は「コモン限定構築」というのは実は正しい認識ではありません。正確には「MO上でコモンとしてリリースされているカードのみを使用可能」となります。それがどうした?と思われるかもしれませんが、実はこれはかなり重要なことなのです。


MOではリアルと同じエキスパンション・セットが発売されそれらのパックで遊ぶことが出来ますが、古いセットはまとめて『Maters Edition』シリーズという形で発売されたり、あるいはMO上に《Black Lotus》などのPower9を登場させるために『Vintage Masters』なるセットが発売されたり...MOオリジナルのセットが作られています。

最も強いコモンカードの1つであると考えられる《トーラックへの賛歌》《陥没孔》はMOオリジナルセットに収録される形になっており、そしてそれらはカードパワーにふさわしいコモンでないレアリティに格上げされています。つまり、これらのカードはPauperで使用することが出来ないのです。また、《金切るときの声》のように、MO上ではコモンとして登場しているおかげで、現実ではアンコモンしか存在しないのにPauperで使用できてしまうというカードも存在します。

 

 一見厄介にも見えますが、これらは少々気を付ければクリアできる問題です。次項では、Pauperの禁止カードと、使えそうで使えない・使えなさそうで使えるカードの一部を紹介します。

 



2.Pauperで使用可能・不可能なカード

 コモンのカードは他のレアリティに比べるとカードパワーは低く、また基本的な効果のものが多いため、一般的なフォーマットでは禁止になりにくいものです(アーティファクト土地とか《霊気との調和》は相当に特別な存在です)。ですが、中にはとてつもないパワーを持ったコモンもありますし、コモンのみの世界では支配的な存在となってしまうカードもあるものです。なので、このフォーマットにもしっかりと禁止カードが存在します。以下にそれらのカードをまとめてみました。

 

《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
《流浪のドレイク/Peregrine Drake》

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土地をアンタップする能力を持った所謂フリースペルですが、クリーチャーであるこれらは極悪です。2マナ以上出る土地をアンタップさせてのマナ加速、《幽霊のゆらめき》《記憶の壁》による無限コンボなど、悪さをしすぎたため禁止に。ドレイクは『エターナルマスターズ』でコモンとなってから、半年を待たずして禁止となったことでも話題になりました。

 

《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
《ぶどう弾/Grapeshot》
《時間の亀裂/Temporal Fissure》

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ストームという能力はやはり(アカン)。他のフォーマットでは見ることのない《時間の亀裂》は一見大丈夫そうに見えますが、これもPauperにおいてはただのぶっ壊れでした。

 

《頭蓋囲い/Cranial Plating》
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Pauper発足時からの堂々たる禁止カード。モダンの「親和」デッキもこのカードが成立させているようなものですし、カードパワーが段違い。

 

《激励/Invigorate》
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これ単体ではなんて事のないカードですが、感染能力持ちと組み合わさることによって2ターンキルすら可能にしてしまっていたために禁止となりました。Magic Onlineでは長い間、『デュエルデッキ:ガラクvsリリアナ』にのみ収録されていたため、高額シングルとして取引されていた過去も。

 

《雲上の座/Cloudpost》
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ええわけあらへんな?その1。モダンでも禁止カードにされている、強烈なマナ加速です。3種類そろえてやっと機能するウルザ土地と比べると条件が緩すぎる上に、《微光地》という追加の神座土地も得てパワーアップし、そしてフリースペルとつるんで悪さをしたところでお縄となりました。

 

《大あわての捜索/Frantic Search》
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ええわけあらへんな?その2。レガシーでさえ禁止されているフリースペルです。これを野放しにすると、手札を回転させたり墓地を利用するコンボデッキが強くなりすぎてしまいます。フリースペルはやはり(アカン)。

 

《宝船の巡航/Treasure Cruise》
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ええわけあらへんな?その3。モダンとレガシーで禁止、ヴィンテージで制限されている言わずと知れたイカれコモン。Pauperの多様性を著しく失わせるという重罪により禁止となったが、それまでの半年は世紀末Pauperが遊ばれていたというのも恐ろしい限り。

 

 

 これら禁止カードに加えて、前項でも述べたようにMO上でコモンとして存在していないカードはプレイ不可となっております。挙げていけば一体どれだけの数になるかはさすがに把握できていませんが、思わず間違えてしまいそうなレガシーなどで使用されているコモンを以下にまとめてみましたので、参考までに。

 

 

《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》
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 元々コモンなのがどうかしてるぜその1。たった2マナで1:2交換とアドバンテージを稼ぎ出し、カードの種類にかかわらずに2枚無作為に叩き落とすという理不尽っぷり。土地も捨てさせることが出来るため、先手2ターン目(あるいは《暗黒の儀式》から1ターン目)にこれを唱えた方がそれだけで勝利してしまうなんてことも無きにしも非ず、というわけでもしMO上でもコモンだったとしても禁止カードになっているであろう1枚(笑)。《精神ねじ切り》で我慢しましょう。

 

《陥没孔/Sinkhole》
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 元々コモンなのがどうかしてるぜその2。2マナで土地を破壊してはいけない。なぜこのカードがコモンだったのだろうかと考えずにはいられません。先に撃った方が勝つカードであり、これもコモンだったとしても禁止されているのではと思います。

 

《High Tide》
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 このカードがMO上でアンコモンでしか存在していないことはあまり知られておらず、うっかりコンボデッキを組んでしまいそうになったプレイヤーもいらっしゃるのではないでしょうか。面白いカードであるため使えないのは残念ですが、亜種である《沸き立つ汚泥》でデッキを組むことにトライしてみるのも一興かもしれません。

 

《イス卿の迷路/Maze of Ith》
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 この土地も何故コモンに設定されたのでしょう。再録後は勿論レアになっています。多くのクリーチャーデッキがこれにより否定されてしまうので、使えなくて良かったと思っておきましょう。

 

《トーモッドの墓所》
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 ついついサイドボードへの採用を検討してしまいがちですが、これもMO上ではアンコモンかタイムシフトというレアリティでしか存在しません。まあ、《大祖始の遺産》があるので、あまり気にしなくても良いでしょう。似たような事例で、《赤霊破》《青霊破》も使用不可能ですが、《水流破》《紅蓮破》があるのでまず問題ないでしょう。

 

『コンスピラシー』『コンスピラシー:王位争奪』の各種カード

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 『コンスピラシー』系のセットはMO上でその複雑なドラフトを再現不可能であるため実装されておらず、よって策略カードや「ドラフト中に○○する」といったテキストを持つカードは使用できません。そうでないカードの一部は、Moのイベントにおける景品"Treasure Chest"から出てくるので使用することが出来ます。

 

 他にも《ダンダーン》や《灰は灰に》など使ってみたくなるカードが使用不可能だったりします。マイナーなカードを使おうとするとこの落とし穴にハマってしまうことがあるので、どうしても古い変なカードが使いたいという時はMOのカード検索でチェックするなどして注意するように心がけると良いでしょう。『ミラージュ』以降のカードについてはほとんど気にせずに用いることが出来るので、ヘンテコカードはその範囲から探すのが吉かもしれません。

 

 使用不可能カードについての話はここらで切り上げて、続いては一見使えなさそうでその実、使用可能であるというカードを紹介していきましょう。このカードが使えるんだ、という驚きがあるかもしれません。

 

 

《チェイナーの布告/Chainer's Edict》
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 『Vintage Masters』にてコモンになったことで使用可能に。《悪魔の布告》のフラッシュバック付きであり、長期戦になるデッキでは後半にも使えるナイス除去として重用されていたりします。特に大型クリーチャーを1体展開してくるタイプのデッキには劇的に効きますね。

 

《金切るときの声/Battle Screech》
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 前項でも例に挙げた1枚で、こちらも『Vintage Masters』のおかげで使用可能となっています。《未練ある魂》みたいなもので、ハッキリ言ってコモンの域を超えたカードパワーを持っています。『エターナルマスターズ』でコモンとなった《農民の結集》と組み合わせて大ダメージを狙うのも楽しい。

 

《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
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 初出の『アライアンス』ではアンコモン、MO上では『Masters EditionⅡ』に収録されるもそちらでもアンコモン。では何故使えるのかというと、『コールドスナップ』構築済みデッキにコモンとして収録されているため、というまるで法の穴をついたかのような1枚。アーティファクトを割ることのできるクリーチャーとして、赤いデッキのサイドボードに居場所を確保しています。

 

 

他にも使えると思ったのにMOではコモンじゃなかったカード、想定外のコモンだったカードなんかもあるかもしれません。Channel FireballがPauperのイベントを運営するために使用可能なカードをまとめたページがあるので、英語名が分かればコチラで確認するのが良いでしょう。

 それでは使用可能なカードプールを把握したところで、続いては環境の代表的なデッキやそこで使われているカードについてご紹介しましょう!

 


3.Pauperの主要デッキ・カード

「青単デルバー」

 その名の通りデルバーこと《秘密を掘り下げる者》を主役としたデッキです。早いターンにこれを《昆虫の逸脱者》に変身させ、打ち消し呪文でバックアップしてやりながら殴りきることを目指します。青が誇るライブラリーの上にあるカードを操作するタイプの軽量ドローは軒並みコモンなので、まるでレガシーのように簡単に変身させることが出来るでしょう。ただ、青単のデッキだと土地は《島》のみ、《渦まく知識》とフェッチランドとの組み合わせで不要カードをシャッフルしてしまうテクニックは使用できないので、こちらよりは《思案》《定業》のソーサリーコンビの方が重んじられています。また、ドローと言えばかの極悪呪文《噴出》が禁止も制限もされていない唯一のフォーマットなので、これで思う存分手札を増やしてください。

 また、クリーチャーが20枚前後と多めに採用されているのも特徴です。《ボーラスの占い師》や《フェアリーの悪党》でアドバンテージを稼いだり《呪文づまりのスプライト》で打ち消したりしながら、それらを《深き刻の忍者》の忍術で回収してカードを引きながら使いまわす、という素敵なシナジーも。

 

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※画像をクリックすると、MOで使用できるテキストデータをダウンロードできます。

 

 

「エルフ」

 こちらもレガシーでも人気のデッキタイプですが、その主要パーツの一部を流用し、アンコモンやレアが使えなくとも立派なデッキとしてPauper環境に君臨しています。使用者の数で言えば、「青単デルバー」と並んでトップクラスと考えていいでしょう。《遺産のドルイド》は使えませんが《樺の知識のレインジャー》があるので、《イラクサの歩哨》と組み合わせてガンガンとマナ生産⇒エルフ展開という動きが可能となっています。《垣間見る自然》の代わりに手札補充は《暴走の先導》と《遠くの旋律》で。コモンしかないなら大丈夫だろうと侮っていると、10体以上のエルフが平然と並んでくるので圧倒されてしまうでしょう。

 フィニッシャーを務めるカードはいくつかあります。『エターナルマスターズ』にてコモンとなった《エルフの先兵》を出したのちに大量のエルフをばら撒いてサイズで圧倒する、《森林守りのエルフ》で攻撃が通ったエルフを強化して大ダメージ、《ヴィリジアンの長弓》をパス回しして戦場もライフも焼き切るなど...いずれの動きもサポートするのがトークンを生み出す《リス・アラナの狩りの達人》です。狩りの達人と名の付くカードは、神話レアのみならずコモンも強い!

 

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※画像をクリックすると、MOで使用できるテキストデータをダウンロードできます。

 

 

「親和」

 アーティファクトを大量に、開幕から手札を吐き出すように展開する速攻ビートダウンでモダンを代表するデッキは、Pauperでも地位のあるデッキです。よく「親和というのに親和能力を持ったカードは0枚」とネタにされますが、Pauperではあの《金属ガエル》と《マイアの処罰者》という2大親和クリーチャーが現役で、これらを0マナでプレイするあの感覚を再び味わうことが出来ます!前項で紹介した通り《頭蓋囲い》はありませんがそれでもクリーチャーのサイズはとても優れており、十分に戦えます。

 モダンでは禁止されているアーティファクト土地が全面解禁状態なので、親和カウントも金属術もお手の物。早いターンから《金属ガエル》《甲殻の鍛冶工》で殴りに行きましょう。《エイトグ》はちょっとした《電結の荒廃者》であり、また《投げ飛ばし》《ティムールの激闘》とのコンボは強烈です。最後まであきらめなければこのコンボを決めて勝つことが出来たりする、魅力あるデッキとなっています。アーティファクト対策は多数あるとはいえ、《石のような静寂》のように1枚で即Good Gameとなるようなカードはないのでご安心を。

 

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※画像をクリックすると、MOで使用できるテキストデータをダウンロードできます。

 

 

「トロン」

 こちらもモダンに存在するデッキですが、その見た目も動きもかなり異なります。5色のコントロールデッキとして組まれることが多く、《ウルザの塔》《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》を揃えてさあパワーカードを叩きつけるぞという戦略は主流ではないのです。毎ターン土地を置いてカードを引いたり相手を妨害しながら、最終的にこれらの土地が複数並んで膨大なマナを生み出すようになったらそれでフィニッシュへ...という、かなり気の長いデッキです。

《とどろく雷鳴》で一撃必殺という展開もありますが、多くの場合は《記憶の壁》2枚+《幽霊のゆらめき》が揃ったことで毎ターン《卑下》により完全ロックが出来るような状況に持って行って対戦相手の投了を待つ、というゲーム展開が多いでしょう。壁が2枚でなくとも、《海門の神官》《熟考漂い》がグルグル回りアドバンテージを稼ぎ出すだけでも十分です。《転覆》で全てのパーマネントを戻してやってもいいでしょう。このような動きをするため、無色マナを有色マナへと変換するフィルターが多数採用されており、ついでに感覚で5色のカードをメインサイドに採用できるという訳です。

 

 

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※画像をクリックすると、MOで使用できるテキストデータをダウンロードできます。

 

 

 Pauperのトーナメントに出れば遭遇する確率が高い、使用者の多いデッキを4つまとめてみました。これらのデッキの派生形や、あるいはアンチデッキなどなど、Pauper環境にはまだまだデッキが存在するのですが...1回のコラムで紹介しようにも書ききれないので、気になった方は「デイリー・デッキ」で検索してみてください(直球宣伝)。

 

 カード単位で見ると、最近流行り・人気のカードは《黒薔薇の棘》と《宮殿の歩哨》です。これらはMO上ではTreasure Chestからしか出てこず、狙って手に入れることが出来るものではないため、そこらのレアカードなんかよりも高い価値がつけられ取引されています。これらはプレイヤーを統治者にする能力を持っており、中速デッキでのアドバンテージ獲得手段として重宝されています。このカードもそうですが、見た目以上に強いというカードが多く、コストや効果の強弱に関係なく、まだまだ使ってみないと強さがわからないカードが眠っている可能性がある、というのもフォーマットとしての魅力かなと思います。

 


4. あえてPauperをリアルで遊ぶワケ

 どんなデッキが強いかはわかった、じゃあデッキを組みたい、でもやっぱりどれが使えるのか?とか調べるのは面倒なのでMOで組むとしよう!...それもPauperデビューの手段としては良いでしょう。MOであれば、使用可能なカードを勝手に検索機能が表示してくれるのでデッキを作る際の労力もなく、リーグ戦があるので毎日大会が開かれているようなものです。

でも、上述のTreasure Chest限定カードのように、リアルでは30円のカードに10チケット=1200円ほど払わなくてはならない可能性もあります。そこを遊んで減価償却するんだと割り切れるのであれば問題ないでしょう。Pauper漬けの生活へようこそ。

 そこそこの期間マジックを遊んでいるよという方は、MOでなくリアルで組んだ方が費用を抑えられるかもしれません。というか、やはりマジックはMOよりも対戦相手と顔を合わせてプレイするのが最も楽しいゲームなので、リアルで組めるならそれが最高です。

押し入れに眠らせているストレージを引っ張り出せば、ここに紹介したデッキを簡単に組めてしまうかもしれませんよ。リアルで組んだ場合、実際に遊ぶ機会はあるのかというのが懸念する点かもしれません。これが一番大きな問題ではあるのですが、ここではあえて「問題ない」と言い切らせていただきます。

 

 まず、人を誘いやすい。これは大きいと思います。例えばあなたと同じくらい長い期間マジックを遊んでいる(あるいはいた)ご友人であれば、あなたと同じように押し入れにカードが眠っている可能性があります。「コモン限定で、しかも《チェイナーの布告》なんかはアンコモンなのに使えるらしい」この一言だけでも、マジックプレイヤーは「おっ?」と食いついてくるものです。

今からモダンやろうぜ、まずフェッチランドとギルドランドを集めてくれ、というのはなかなか難しい注文ですが、コモンのみのデッキを作るというのであれば費用も他のフォーマットに比べて随分と抑えられますし、また足りないカードをあげたりあるいはこちらが相手が使うデッキを用意してあげるというのもそれほど無理のないことです。

 誘えそうな友人がいない、という場合でもお近くにマジックに力を入れているカードショップがあるのであれば、問題ないでしょう。普段から競技レベルでマジックをプレイしている方々は別ですが、モダンやレガシーを専門とするプレイヤーは「飽きっぽく新しいものに飢えている」傾向にあります。モダン及びレガシーで、そこまで強くないけども新しいデッキが流行ったり、それまで誰も注目していなかった変なカードが高騰したりする現象からそれを垣間見ることが出来るでしょう。Pauperは、こういったカジュアル寄りの新しいマジック体験に飢えているプレイヤーにはもってこいであり、カードショップ側もお客さんに足を運んでもらうために新しいことをしなきゃ⇒Pauperの大会でもやるか、と今まさに動き出している時期です。

関西の草の根大会といえばKMCおよびMMMが定着していますが、この2大イベントが合同でレガシー・モダンに続きPauperのトーナメントも開催してみようということで、この春の実施に向けて動き出しているという話です。

日本を飛び出してみれば、グランプリのサイドイベントでPauperのトーナメントが多数開催されています。先日のGPロンドンでは、なんと300名近いプレイヤーが参加したとか!PauperはMOを飛び出し、今まさに世界中に拡がりつつあるのです。2018年がPauper飛躍の年になるのは間違いないでしょう。遊び場に困らないのであればやってみたいという方は是非ともこの機会に。

 

 何よりここまでPauperを推す理由は、とても面白いからに他なりません。モダンやレガシーではお声のかからなかったようなカード達が、ここではエース級の活躍を見せます。コモンばかりだからと言って決してカジュアルすぎることなく、高い競技性を持ち真剣勝負を楽しめるフォーマットでもあります。とてつもない効果・能力を持ったカードは少ないため、カード1枚1枚の重みが他のフォーマットとは異なってくることもあるでしょう。

どこか昔のマジックらしさもあり、使われるカードも相まって懐かしい気持ちになることもあります。新参プレイヤーにとってはそれらは未知の体験であり、ちょっとしたタイムマシン的な役目も果たしてくれます。モダンの「親和」を回してもわからなかった《金属ガエル》の強さとか...。とにかく、他のフォーマットに比べて参入のハードルが低いので、まずは遊んでみてください!"持たざる者"なんて名前のフォーマットですが、魅力はいっぱい持ってますよ!

 

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