岩SHOW マジック:ザ・ギャザリング『フォーゴトン・レルム探訪』プレビュー

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 『フォーゴトン・レルム探訪』プレビューの時間だ!今回もBIG MAGICから新カードを1枚紹介させていただくことに。

オンライン上では早くも7月8日(太平洋夏時間)にリリースされるこのセットは、アメリカを中心にオールドファンたちが待ち望んでいたもの。マジック:ザ・ギャザリングとダンジョンズ&ドラゴンズのコラボセットだ!

ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)とは何か?まずはそこを簡潔に。D&Dは1974年に販売が開始された、世界で最初のRPGでありすべてのRPGの原点だ。テーブルトークRPGというジャンルのものであり、参加者はマスターとプレイヤーに別れ、紙とダイスを用いて、ファンタジー世界を冒険するというものだ。その名の通りダンジョンを探索し、様々な情報や宝物を集め、ドラゴンをはじめとするモンスターと戦う...マジックとも重なる部分があるように思えるね。実際のところ、1ゲームが長いD&Dのプレイの合間にサクッと遊べるマジックを休憩がてらプレイする、というようにして発売当初のマジックは浸透していったという。

1997年にはD&Dの販売元がウィザーズ・オブ・ザ・コーストとなり、それから長きに渡って両ゲームのコラボを熱烈なファンは望んでいた。そういった層は銀枠で《Sword of Dungeons & Dragons》が登場した時にはさぞや盛り上がったことだろう。そして今回はD&Dを背景世界としたセットという、この上なく本腰を入れたコラボだ。古くからのファンは冒険で出逢った数々の存在がマジックのカードとしてどのように再現されているかを楽しみ、D&Dを知らなかったという若いプレイヤーには新しい出会いのきっかけとなるかもしれない。

このようなコラボセットでありながら、スタンダードのローテーションに組み込まれているので世界中のマジックプレイヤーがD&Dの世界に触れることになると考えるとなんだか壮大な化学反応が起こりそうだ。

 

 というわけでD&Dとコラボセット『フォーゴトン・レルム探訪』に関しての紹介はここらにして、本題であるプレビューカードの紹介といこう。今回ご紹介させていただく1枚は、こちらのレアカードだ!



Lair_of_the_Hydra_JP.png

ハイドラの巣

土地

あなたがこれ以外の2つ以上の土地をコントロールしているなら、ハイドラの巣はタップ状態で戦場に出る。

T:Gを加える。

XG:ターン終了時まで、ハイドラの巣は緑のX/Xのハイドラ・クリーチャーになる。これは土地でもある。Xは0にできない。

 

 レア土地より《ハイドラの巣》!どうやら今回のセットは単色のレア土地がサイクルとして収録されているようだ。その能力はクリーチャー化。

ミシュラの工廠》をはじめ、過去にクリーチャー化する土地というものは定期的に作られ、その強さから大きな人気を獲得してきた。緑で言えば《樹上の村》は当時のスタンダードやエクステンデッドなどでも活躍し、現行スタンダードでは無色氷雪土地の《不詳の安息地》が単色デッキの必須とも言える1枚になっている。

これらの土地が何故強いのか、その理由は2つ。土地というものはマジックをプレイする上でなくてはならないもので、クリーチャーで攻めるアグロデッキにも一定の枚数を採用しなければ土地が引けなくて手札が全然展開出来ないという、所謂土地事故に陥ってしまう。しかしながらあと一押しが欲しいという時に土地を引くと、それもそれで手数が足りずに押しきれず、ゲームの流れが相手に傾いてしまう。クリーチャー化する土地というのは大事な土地でありながら、最後の一撃を見舞う役目を担うそれらの土地は超エライ。

第2の強みは、全体除去への耐性アップ。《ドゥームスカ―ル》のような戦線を崩壊させる全体除去は、アグロなデッキにとっては致命的な存在だ。ただしそういったカードは往々にしてソーサリーであり、対戦相手のターンでは土地であるカードはこの被害に巻き込まれない。続く自ターンで起動して、インスタント除去がなければそれで詰み、という状況を作れるのでコントロールキラーとしての働きが見込めるのである。

 

 さて、クリーチャー化する土地...マンランドやミシュラランドと呼ばれるシリーズの最新作《ハイドラの巣》を見てみよう。緑1マナとX支払ってX/Xのハイドラとなる能力で、このミシュラランドの中でも珍しいサイズが可変式のものに仕上がっている。

2マナで1/1、5マナで4/4というように、状況に合わせて好みの量のマナの使い道になってくれるのはなかなか融通が利く。その反面、マナとサイズの効率は良くはない。過去のミシュラランドの中でも1マナで2/2、2マナで3/3のように使われたものはマナ効率に優れている。《不詳の安息地》と比べるとその効率の違いは一目瞭然で、3マナで4/3となる安息地に対して同じマナだと《ハイドラの巣》は2/2と見劣りしてしまう。

しかしながら、低マナ域でのサイズを犠牲にした代わりに、マナを注げば注ぐほどデカくなるというのはサイズ固定のものに勝るポイントとなる。安息地と殴り合って勝てる5/5以上のサイズになれるので、ゲーム展開によってはそのポテンシャルが花開く。

 また、色マナが出せるというのも安息地に勝る点である。緑マナが得られるので《老樹林のトロール》のようなシンボルの濃いカードと組み合わせやすい。氷雪マナのために基本土地ばかりになりがちな安息地入り構築に対して《ギャレンブリグ城》などの特殊土地と併用可能であるのもデッキ構築の幅を広げることになるね。

 

 忘れてはならないデメリットとして、既に2枚以上土地を出している状況だとタップインになってしまう。しかしこれは逆に、1・2ターン目であればアンタップで出しても良いよというボーナスと捉えることも出来る。《樹上の村》や過去のその他の色マナを得られるミシュラランドはすべて確定でタップインだったことを考えると、《ハイドラの巣》は少しでもアグロデッキにとって使いやすいようにという配慮がなされている。これで初手にきた数少ない土地がミシュラランドだったという理由でマリガンせずに済む。堂々と1ターン目《ハイドラの巣》から1マナクリーチャーを繰り出す好スタートを切ってやろう。

 

 スタンダードの緑単アグロの選択肢としてなりそうな《ハイドラの巣》。この土地の通常版も生い茂る樹木の枝がハイドラの首へと変化しているような光景がなんともワクワクする良いアートなのだが、特別仕様のものもまた胸躍るものである。

今回のセットの元ネタであるD&Dに敬意を表し、ダンジョンモジュールというアイテムの外観を模した土地カードが登場だ。ダンジョンモジュールはいわば冒険一式。冒険を行う背景世界の情報やその舞台の地図、そこに生息するモンスターやNPCのデータ、その冒険でプレイヤー達が為すべき目的などがまとめられたもので、その初期の表紙デザインをマジックのカードに投影したものが「クラシックモジュール」という特別仕様の土地たちの相称だ。左上に斜めに挿入されたロゴや、モジュールの分類を示すコードなど、元ネタをしっかりと再現しておりシリーズのファンにはたまらなく郷愁的なコレクターアイテムとなることだろう。それでは《ハイドラの巣》のクラシックモジュールを見ていただこう。

Lair_of_the_Hydra_JP (2).png

 イラストが冒険のワンシーンを切り取った、これぞファンタジーRPGの王道というどこか懐かしさを覚える雰囲気なのが素晴らしい。D&Dの世界のハイドラはヒュドラと呼ばれ、体長約6メートル・重さ約2トンとのことで、このイラストもそのサイズ感を忠実に表現しているように見える。ドワーフの戦士はこの怪物に勝てるのか?想像力を駆り立てる、TRPGらしさに溢れた逸品だね。

 

 ダンジョンを踏破し、ドラゴンと戦う冒険に満ちた『フォーゴトン・レルム探訪』。冒険者の前に立ちはだかる《ハイドラの巣》は、マジックの盤面でもプレイヤーにとって難敵となるか?今から新しいカードの活躍が楽しみだ。期待の新セットの発売日は2021年7月23日。お近くのBIG MAGIC、もしくは当サイトbigwebにて予約して、ダンジョンに挑む準備を忘れずに!

 

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