給食スリヴァー/Victual Sliver
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Victual Sliver, ストロングホールド, 岩SHOW, 給食スリヴァーCard of the Day -今日の1枚- 2013/07/09
給食スリヴァー/Victual Sliver
名前だけでプレイヤー達にインパクトを与え、鮮烈に記憶に残るマジックのカードは少なくない。
この名前もなかなかに強烈だ。給食とは、学校や会社などで生徒・従業員に食事を支給することであり、またその食事そのものを指す言葉でもある。
日本では、どちらかと言えば後者の印象が強く、なかなかにわけのわからない名前になってしまっている。
英名の「Victual」は食糧という名詞と、食糧を供給する・積み込むという意味の動詞でもある。
訳者はこれを動詞として訳し、日本語のスリヴァー名の縛りでもある「二文字熟語+スリヴァー」に当てはめる際に、この給食という言葉を使ったのだろう。
後に、公式でこれは誤訳であると認められることになるが、一度見ると忘れられないカード名として、そういうものを越えたナイス・ネーミングと言えるだろう。
さて、名前だけではなく実はこのカードはひっそりと活躍していたのである。
旧環境のエクステンデッドにおいて暴れまわっていた「ネクロドネイト」及びその後継機「トリックス」。
《ネクロポーテンス》で手札を引き増して、減ったライフは《Illusions of Grandeur》で補填。
その《Illusions of Grandeur》を《寄付》で相手に押し付け、維持できなくなった相手から20点のライフを一気に奪うコンボデッキである(トリックスはネクロ禁止後の青単及び青赤のデッキ)。
だが、一回のコンボで奪えるライフはちょうど20点。このスリヴァーがいるだけで、相手はコンボを2回決めなければならない。
《Force of Will》などのカウンターを構えつつ、《筋肉スリヴァー》で強化した戦線でライフを詰めてくる「カウンタースリヴァー」相手に、これは現実的に考えて不可能に近い。栄養抜群の給食だったのだ。