2014/09/09 薄暗がりを漂うもの - Card of the Day -今日の1枚-

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薄暗がりを漂うもの/Gloomdrifter

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夕方と夜の境目、あるいは夜と明け方の境目。その暗いんだけども真っ暗闇ではなく、視認できるんだけども光がさしている訳でもない。あの絶妙な、味わい深い時間帯。正式名称をなんというのかは知らないが、「暗がり」「薄暗がり」と表現するのが個人的には好きだ。

そんな薄暗がりの方が、深夜の真っ暗闇よりも恐怖心をあおられるのは僕だけだろうか。

何も見えないほどの暗さならば、瞬間的な恐怖はあるがなんというか、慣れというか諦めというか…見えないんだからどうしようもないなという境地に達するだろう。

しかし、中途半端にぼんやりと見えるということは恐ろしい。唯の人影を見るだけでも、何の変哲もないそれがバケモノのように見えてしまうものだ。過去に山道で薄暗がりに包まれ他時は本当に恐ろしかった。猿があたりをウロチョロしてたのが拍車をかけたね…

そんな異界と我々の世界の境目であるかのような時間帯に出没し、フワフワと彷徨う存在がこの《薄暗がりを漂うもの》だ。

このクリーチャー、いろいろ面白い。クリーチャータイプはゾンビ・ミニオンという特異な組み合わせ。調べたところを、これらを併せ持つのはマジックの長い歴史でもこれと《隠遁者》のみということが判明。

ミニオンとは、召使い・しもべ・下僕など、使役させられるものを指す言葉である。つまりこのフワフワと浮いているゾンビ君も誰かに仕えているのだ。

他にも誰かに操られているタイプのゾンビなんてまだまだいるように思うのだが、彼らがミニオンでないのは何故だろうか。

まあそれはさておき、イラストも面白いものだ。風呂敷のようなものをマントのようにまとって浮遊するゾンビ君、その布の柄がカワイイ。星柄ですよ、夜空柄。非常にハイウエストのジーンズのようなものをはき、ナイトキャップ風の帽子も被っている。これは可愛い。あとイラスト左上の人、頭をこちらに向けているが身体は一体どうなっているのか、一時にすると気になって仕方がない。

カード性能としては、珍しく飛行を持っているゾンビ(ゾンビ界で飛行持ちは1割に満たない)である。その大半もドレイクや鳥のゾンビとして飛行を持っているのであり、彼のような浮遊タイプは非常に珍しい。

そして「スレッショルド」を満たしている場合のみ、戦場に出た時に誘発する能力を持っている。黒以外のクリーチャーに-2/-2修正を与えるという、小型クリーチャーを薙ぎ払える全体除去である。自軍を巻き込まないため非常に使い勝手が良く、各種黒コントロールや「サイカトグ」で全体除去兼飛行クロックとして用いられたことがある。

昼と夜の境目、夢うつつの空間で覚めることのない夢を見せる使い魔は、北欧などの伝承に聴く妖精などを思い起こさせる。その正体がゾンビだというのも、なかなかにクールではないか。

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