2014/12/12 Infernal Spawn of Evil - Card of the Day -今日の1枚-

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Infernal Spawn of Evil

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 このかわいいイラスト!大好きなんである。Ron Spencer氏は、どうしようもなくグロテスクなテカテカ筋肉生命体を描くことが多いけれども、それと同じくリスやこういった小動物のキャラクターなんかをかわいく描くことも得意としている。正反対のジャンルを極めた、まさに達人と呼ぶにふさわしいアーティストだ。

 彼が「アングルード」で描いたこの1枚も、ニッコリ笑顔が愛らしいネズミっぽい小動物キャラが描かれていて、なんともほっこり。非常に寒そうな状況にありながら、マフラーとホットチョコレートwithマシュマロがそれを和らげてくれるのか、本当に良い笑顔をしている。

絵本の主役となってもおかしくないだろう。登場する作品を読みたくなるほどの良い笑顔をしている。これが表紙なら、ハッピーエンドは確定なので子どものために購入するのも安心だ。さて、肝心のこのキャラクターの名前は…その名も「邪悪なる冥界の落とし子」。

 そんな馬鹿な、と思ってしまう名前と姿のアンバランスさ。これぞ銀枠世界だ!めちゃくちゃかわいいのに《Infernal Spawn of Evil》なのか、《Infernal Spawn of Evil》なのにかわいいのか。それはさておき、その能力の解説に移ろう。

 9マナ7/7飛行・先制攻撃…イラストのどこにそんな要素があるんだ。しかしカード名にはまごうことなきフィット感。今の基準で考えればトランプルもほしいところだが、そこはクリーチャーが弱かった時代ゆえ致し方なし。むしろ、この手のカードが要求する変なアップキープコストを要求してこないだけ優秀である。

クリーチャータイプはデーモン…と書かれた文字は塗りつぶされ、ビーストとなっている。これ、お遊びに見えて実は開発部の思いが込められているようだ。今でこそ、デーモンは1セットに1体は少なからず存在する種族であるが、そういうわけにもいかない時代もあった。実は、(アンチ)宗教色がどうしても強くなる悪魔という存在を扱うのが難しかった時代がある。

その頃の開発は、本来はこの能力を持ったカードをデーモンで作りたかったのに、泣く泣くホラーに…といった経験をしたことだろう。このカードは、本来は極悪なデーモンが作りたかったという気持ちを殺して別のものに置き換えてきた開発の実情を訴える1枚…というのは考え過ぎだろうか。

 手札にある時に、アップキープにマナを払って公開しながら、「It's coming!(来るぞ!)」と叫ぶと1点のダメージを対戦相手に飛ばすことが出来る。これ、叫ぶ部分がなければ後のアゾリウスの能力「予見」と全く同じものというのも面白い。より邪悪な彼の息子も、いつか紹介したいと思うのでお楽しみに。

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