2015/02/12 家路 - Card of the Day -今日の1枚-

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家路/Homeward Path

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 このコラムが掲載される頃には、僕の旅ももう終わり無事に我が家に帰っていることでしょう。というわけで今日の1枚は《家路》だ。旅の終わり、これ以上相応しい1枚もないだろう。

 そもそもが、土地カードというものはある情景を切り取っているものなのだが、「家路」とはある特定の場所を指す言葉ではない。あくまで、ある一個人にとっての主観的な存在であって。どこそこを指すわけではないのはご存知の通り。《汚染された三角州》であれば誰の目から見ても等しいものであるが(ファイレクシア人には違う光景に見えるんだろうな)、家路に関してはそれがどこになるかは人それぞれ。概念上の存在が土地カードになる訳だが、その効果を把握すればこれがどこを指すのかはわかるように思う。

 《家路》は基本的には無色のマナソースに過ぎないが、対戦相手にクリーチャーを奪われている状況において、その真価を発揮する。各プレイヤーは、自身がオーナーであるクリーチャーのコントロールを得る。平時では何の意味もない能力だが、《支配魔法》や《金粉のドレイク》といったカードで何かをとられているならば、取り返すことが可能だ。この効果は全てのプレイヤーに及ぶので、統率者戦で困っているプレイヤーがいたら助けてあげることも可能だ。恩義は売っておいて損はない、それが統率者というゲームだ。《暴動》のような致命的な一撃に対する抑止力にもなる。

ただし、全員に効果が及ぶということは、《どんでん返し》で一方的にアドバンテージを取るといった芸当は出来ないということ。それは《刻印》が担当するものであり、この2枚の間にどちらかが明確な「格上」であるという定義が為されていないのは素晴らしい。

 この土地が故郷からの光を見せると、クリーチャー達は還ってくる。即ち、この道がある場所は我々がゲームを行っている際に利用している戦場の一部ということだ。マジックを遊ぶ際に、土地とその他のパーマネントの置く場所というもので2つのスタイルに別れることがある。

近年では、ビデオカバレージなどの関係もあって土地を手前に、クリーチャー達を対戦相手側に配置するのが「公式スタイル」とでも言おうか、広く浸透している。一方で、このゲームを始めた時にクリーチャー達を手前に、土地を対戦相手側にという配置で遊ぶスタイルで教わり、今日までそれを続けているプレイヤーも少なからず存在する。後者のスタイルは、感覚的に戦闘が分かりやすい前者・一般的なスタイルの影に隠れてしまっているが、この《家路》を起動した時なんかは後者の配置スタイルの方が「クリーチャーが家路を通って自分の元に帰ってきた」という感覚が味わえるのではないかな。

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