Breath of Dreams
タグ:Breath of Dreams, Card of the Day, MTGシングル, アイスエイジ, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/04/01
Breath of Dreams
「息吹ウィーク」と書いたが、英語にすれば「Breath Week」。だから、カード自身に「息吹」と書かれていなくても「Breath」と書かれていれば本質的には同じものである。という言い訳をしながらの本日の1枚は《Breath of Dreams》。こういうパンチの効いたヤツは久々な気がするね。
「夢の息吹」とでも訳されるのだろうか。まず目を引くのはイラスト。これこれ、これがファンタジーワールドですよね。
ご存知Phil Foglio氏の絵本風のイラスト。青白い女性、人間であるような、ちょっと多種族感もあるような...高貴な衣装と豪壮な髪飾り、中華のテイストを感じる謎の人物が主役だ。
...『アイスエイジ』っすよね?「ポータル北伐史」とかじゃないよね。不思議な世界観だが、彼女の背景に描かれているものは更に深い世界を生み出している。うっすらと霧のカーテンのようなもの、そしてその向こう側には、ひしめき合う魑魅魍魎...さあ、このシチュエーションをカードの能力から解読してみよう。
《Breath of Dreams》はこう見えても色対策カードである。今では色対策はアンコモンのお仕事だったりするが、この時代はこういうレアで露骨に1色をいじめるというカードが多数存在したもんだ。
この4マナのエンチャントは"累加アップキープ"を持っているため、維持するのは簡単ではない。そしてその効果は、同じく累加アップキープを緑のクリーチャーに付与するというもの。全ての緑のクリーチャーはそれを維持するために、アップキープに①×経年カウンター分のマナを支払うことを要求してくるようになる。
対戦相手のマナを封じ、後続を展開させることを困難にする。最終的には、どう足掻いても払えないマナを要求してくる獣やエルフを1体、また1体と破棄することになる。間接的な除去呪文である。
緑のクリーチャー全てに効果が及ぶのは優秀っちゃ優秀だが、ちょっと緩慢すぎる。別にこれを貼ったからといって、盤面に既にいるクリーチャーに殴られることを防げるわけではない。
ライフが危ない!って時に引いても、状況が打開される訳ではない。昔の色対策って、本当にこういうカードが多かった。お手本のような1枚。《プロパガンダ》や《Acid Rain》と組み合わせて使うのが、このカードの持ち味を引き出せるだろう。
さて、効果を読むにやはりこの霧のようなものが夢の息吹で、それが魑魅魍魎を立ち止まらせている...と考えるのが自然なのだが、フレイバーではジャーケルド将軍が自身の軍勢に対して檄を飛ばしていたりする。この女性の息吹が悪霊という幻覚を見せて、兵士を怯えさせている可能性も出てきたじゃないか...。