威圧のタリスマン/Talisman of Dominance
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Talisman of Dominance, ミラディン, 威圧のタリスマン, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/05/27
威圧のタリスマン/Talisman of Dominance
威圧のタリスマン/Talisman of Dominance
サクっと再録していそうなものほど、案外そうでもないというのがマジックあるある。ルールやフレイバーにそれほど独自性がなく、決して強すぎず、その上で需要は確かにある。でも、初出以来その顔を見せることがない...そんなカードがゴマンとある。
マジックのセットのデザインとは、そう簡単なものではないのだ。再録は、一から新しいカードを生み出すよりも難しい、そう言ってしまっても良い...側面もあるだろう。内部事情は知らないので、断言できないチキンな文体をどうか許してやってほしい。
今週はそういった、再録されそうでされなかった...『モダンマスターズ2015年版』にはそのスロットが割かれなかったカードを紹介する一週間。その中でも、僕が勝手に「来るだろ」と思い込んでいてこなかった『ミラディン』のタリスマン・サイクルから1枚を代表として紹介しよう。
そもそも、「タリスマン」って何?ザックリ言うと、「お守り」である。金属で出来た円形のもので、紐を通して首からぶら下げるのが主な使い方のようだ。それぞれに属性が与えられており、聖なる護符の模様が彫られていたりする。健康祈願・恋愛成就は勿論のこと、"不可視のタリスマン"なんてものもある。ファンタジー映画なんかでもこれを握りしめて祈りを捧げるシーンを目にすることは多い。
次元ミラディンで作られたタリスマンは、我々プレインズウォーカーの「マナが欲しい」という祈りに応えてくれるアーティファクトだ。2マナで1マナを生み出す、というのは効率がズバ抜けていることはないが、タップインなどのデメリットもなく即座に使用できることは大きな長所である。
無色マナならば無条件に得られて、友好色2色の色マナも1点のダメージと引き換えに得ることが出来る。これはまんま、"ペインランド"ではないか。《アダーカー荒原》など10種類の、ダメージを受ける代わりに色マナを生み出してくれる特殊土地がアーティファクトになったものがこれらタリスマン・サイクルである。
実は『インベイジョン』以降、全てのブロックに2色以上のマナを生み出す5種類(多くて10種類だったり、3色生み出したり)の土地、というサイクルが存在している。
唯一つ、ミラディン・ブロックを除いてだ。アーティファクトを主軸としたこのセットで、2色土地という存在は導入しづらかったのだろう。コモンでもアーティファクト・土地のサイクルが存在しており、スロットがなかったのかもしれない。2色生み出せるアーティファクト土地なんてやり過ぎ以外の何物でもないし。
ということで、このブロックだけは例外的にタリスマン・サイクルに土地の代役を担わせたのだろう。
非常に使いやすいカードで、統率者戦などのカジュアルフォーマットは勿論のこと、当時スタンダードでは「ブルード親和」で、モダンでも「青トロン」で使用されている。青黒という組み合わせは至高のコンビネーション、それは10年経とうが20年経とうが変わらないマジックの伝統だ。