市川の思考タワー ~スタンとレガシーと時々モダン~

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text by Ichikawa Yuuki



0.冒頭

ご無沙汰しております、市川です。

今回は
・4/10-12に開催されたプロツアー・タルキール龍紀伝(スタンダード&ドラフト)
・4/17-19に開催されたグランプリ・京都2015(レガシー)
・4/29に晴れる屋さんで行われたモダン神決定戦(モダン)

に於いての調整録・・・にしますと余りにも長すぎて読者も筆者も体力が持たないと思いますので、今回は要点を押さえて、ざっと自分の思考過程を綴っていこうかなと思っています。
よろしくお願いします。



1.プロツアー・タルキール龍紀伝

■構築

デッキはアブザンアグロを使用。

プロツアー・タルキール龍紀伝  アブザンアグロ
25land 
3 《疾病の神殿/Temple of Malady》
2 《静寂の神殿/Temple of Silence》
4 《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
3 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
3 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
1 《マナの合流点/Mana Confluence》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1 《森/Forest》
2 《平地/Plains》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

22creature
4 《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》
4 《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
2 《棲み家の防御者/Den Protector》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
4 《包囲サイ/Siege Rhino》
1 《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
3 《風番いのロック/Wingmate Roc》

13spell
2 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
2 《胆汁病/Bile Blight》
3 《ドロモカの命令/Dromoka's Command》
2 《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
2 《英雄の破滅/Hero's Downfall》

Sideboard 
2 《胆汁病/Bile Blight》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
1 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《強迫/Duress》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
2 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》


▽使用理由
・新カードの加入により緑信心、赤白ベースの除去コントロールとの相性の改善



前環境ではアブザンアグロが苦汁を舐めさせられていた緑信心ですが、《ドロモカの命令》の加入により相性は一変!・・・とまではいきませんが、かなり改善されました。



緑信心の最良の周りの《エルフの神秘家》からの2ターン目《クルフィックスの狩猟者》ですが、それも《ドロモカの命令》と2マナクリーチャーがあれば、"格闘+エンチャントを生贄"モードで両方が処理出来、テンポとアドバンテージの両面で優位に立てます。


また、処理出来ないと一気に盤面が傾く《世界を喰らう者、ポルクラノス》、《囁きの森の精霊》などのクリーチャー群も《究極の価格》により軽く除去が出来ます。
特に《囁きの森の精霊》は、こちらが除去を構えられていないと2/2の予示を出されてしまうので、《究極の価格》が2マナであることは想像以上の影響がありました。



また、赤白ベースの除去コントロールに対しても《ドロモカの命令》は強力です。
大体の負けパターンが除去連打からの《前哨地の包囲》だったわけですから、大元の癌である《前哨地の包囲》も対処出来ますし、《かき立てる炎》や《岩への繋ぎ止め》などの中盤の除去も回避出来、相手のゲームプランを崩すことが可能です。

また、これは新しく出て来た赤緑ドラゴンにも言えることですが、前環境ではありがちだった《嵐の息吹のドラゴン》に触れるカードが手札に無く、負け。みたいなパターンも《究極の価格》の加入によって大幅に減りました。

以上の点から、

『アブザンアグロは前環境から引き続き強力なデッキで、また、圧倒的に相性の悪いマッチアップも存在しない。』

と考え、使用に至りました。


■結果

▽ドラフト

・1stドラフト
1R 赤黒 ×○○
2R 赤緑 ××
3R 赤黒 ××


初手は環境トップコモンの《突進する大鹿の群れ》から。
2手目3手目と同じく緑で《突進する大鹿の群れ》と比肩する《勇壮な対決》を2連続でピックと順調。

4手目がターニングポイントだったように思えます、緑のカードにめぼしいものは無く《平和な心》と《コラガンの野心家》の2択。



2手目に《ドロモカの命令》、3手目に《平和な心》を流していた私としては4手目の《平和な心》から白に行くのはリスキーだと考え、《コラガンの野心家》で赤を触ってみることに。
そうしたら卓内は真っ赤、そして白はがら空き。
2パック目で10数手目に残る《豪腕の修道士》を見てそれを確信するも時既に遅し。
流れて来ない赤と並行して触っていた青を入れてみるも、緑の癖に線も細く見るも無残なデッキに。

1st Draft Deck
17land 
1《茨森の滝/Thornwood Falls》
7《島/Island》
9《森/Forest》

17creature
2《グドゥルの闇潜み/Gudul Lurker》
1《アイノクの先達/Ainok Guide》
1《アタルカの獣壊し/Atarka Beastbreaker》
1《緑側の見張り/Greenside Watcher》
1《盾を持つ守護者/Guardian Shield-Bearer》
1《シルムガルの呪文喰い/Silumgar Spell-Eater》
1《微風の写字官/Zephyr Scribe》
1《龍傷負いの熊/Dragon-Scarred Bear》
1《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
1《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
1《塩路の伏兵/Salt Road Ambushers》
1《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
2《天上の待ち伏せ/Ethereal Ambush》
1《突進する大鹿の群れ/Stampeding Elk Herd》
1《破壊するドラゴン/Destructor Dragon》

6spell
3《勇壮な対決/Epic Confrontation》
1《ラクシャーサの侮蔑/Rakshasa's Disdain》
1《隠匿物の防衛/Cached Defenses》
1《予期/Anticipate》

 



"涙ぐましいドリームコンボ(1回も決まらず)"





1R目の赤黒が2回事故して勝った以外は圧敗して1勝2敗、1回勝てただけでも救いでしょう。

・2ndドラフト
9R 白黒 ×○○
10R 青黒 ○×○
11R 赤緑タッチ青 ××


2ndドラフトも1stドラフトと同様の流れで序盤は《突進する大鹿の群れ》と《勇壮な対決》をピック。
ただ、今回はちょっと事情が違い、緑の流れが恐ろしいくらい良く、緑色の有力カードをピックしているだけで1パック目を終了。
2パック目で若干流れの良さを感じる赤を2色目に捉え、3パック目に進むと2手目に《群衆の掟》が!
その後にも《破壊するドラゴン》2枚と《開拓地の包囲》が流れて来て、ややビッグマナ系の赤緑に。

2nd Draft Deck
17land 
8《森/Forest》
5《山/Mountain》
1《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
1《進化する未開地/Evolving Wilds》
2《精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragon》

16creature
3《盾を持つ守護者/Guardian Shield-Bearer》
1《アタルカの獣壊し/Atarka Beastbreaker》
1《激憤の巫師/Ire Shaman》
1《分節クロティク/Segmented Krotiq》
1《龍傷負いの熊/Dragon-Scarred Bear》
2《針葉樹の徘徊者/Conifer Strider》
1《高楼の弓使い/Aerie Bowmasters》
1《無形の育成/Formless Nurturing》
2《突進する大鹿の群れ/Stampeding Elk Herd》
1《疾走する戦暴者/Sprinting Warbrute》
2《破壊するドラゴン/Destructor Dragon》

7spell
1《砂の造形/Shape the Sands》
1《苦しめる声/Tormenting Voice》
2《勇壮な対決/Epic Confrontation》
1《開拓地の包囲/Frontier Siege》
1《溶岩との融和/Commune with Lava》
1《群衆の掟/Mob Rule》





筆者オススメの環境イチのコンボも内臓 
デッキも強く、2連勝してこれは3-0出来るかな?と思っていたら似たような赤緑デッキに良い所無く負けて2勝1敗。
メインはタッチされていた《奔流の精霊》を前に何も出来ず、サイド後は相手がサイドインしたと思われる《溶岩の地割れ》で睨み合いを突破されて負け、お見事。


ドラフトラウンドはトータルで3勝3敗と、上位を目指すならお世辞にも上出来とは言えない成績。
何とか構築ラウンドで巻き返しを図りたいところですが・・・・!


▽構築

・Day1
4R シディシウィップ ○○
5R 赤単タッチ緑 ×○×
6R 赤緑ドラゴン ○○
7R アブザンコントロール ○○
8R エスパーコントロール ××

・Day2
12R アブザンウィップ ○××
13R ジェスカイウィンズ ×○○
14R ジェスカイトークン ××


Day1 3勝2敗、Day2 1勝2敗のトータル4勝4敗。
ドラフトラウンドと合わせて7勝7敗でドロップ。


▼構築の反省点

・タップインによるもたつきを回避出来る構築をしていなかった。



アブザンアグロはアグロでありながらタップインランドの枚数が多く、思っているように展開出来ないタイミングが存在します。
前環境では《思考囲い》をメインに入れていてそれを補っていたのですが、現環境では2色デッキで盤面への干渉を要求して来るデッキが多く、《思考囲い》は無駄牌に成りやすいので入れ辛い。

ですので《思考囲い》をメインに入れないのは良かったのですが、それだけだとタップインでのもたつきが致命傷に成り得ます。
これは練習でも若干ですが感じていたことだったので、従来のタップインランド10枚から、9枚に減らし、改善に努めていたのですが、プロツアーではそのもたつきにより星を落としてしまう事が多く、もっと抜本的にデッキにメスを入れるべきだったかのように思えます。

プロツアー『タルキール龍紀伝』  9勝1敗(マッチポイント27点)
Brad Nelson
26land 
4 《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
3 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
3 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
2 《森/Forest》
2 《平地/Plains》
2 《疾病の神殿/Temple of Malady》
2 《静寂の神殿/Temple of Silence》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1 《マナの合流点/Mana Confluence》
1 《豊潤の神殿/Temple of Plenty》

21creature
2 《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree》
4 《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
4 《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
4 《包囲サイ/Siege Rhino》
3 《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》

13spell
3 《ドロモカの命令/Dromoka's Command》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
1 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
4 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
3 《アブザンの魔除け/Abzan Charm》

Sideboard 
3 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《異端の輝き/Glare of Heresy》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
3 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
1 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
2 《風番いのロック/Wingmate Roc》
2 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》

プロツアー『タルキール龍紀伝』 デッキリスト・マッチポイント24点以上(スタンダード)より引用



Brad Nelsonのアブザンアグロは《始まりの木の管理人》を入れて、低マナの能動的なカードを増やしていますし、私が1枚に抑えていた《狩猟の統率者、スーラク》を3枚入れていて、2色デッキが多く、高速なデッキも低速なデッキも早いキルスピードを求めて来る、今の環境にマッチしていました。

アブザンアグロを選択したことに後悔は無いのですが、環境を把握し、もう少しリストを煮詰められていたらと、考えています。







2.グランプリ・京都2015
■構築

デッキはRUGデルバー(カナディアンスレッショルド)を使用。

グランプリ・京都  RUGデルバー
18land 
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
4 《不毛の大地/Wasteland》
3 《Tropical Island》
3 《Volcanic Island》

12creature
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》 

30spell
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《もみ消し/Stifle》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《目くらまし/Daze》
4 《Force of Will》
2 《呪文嵌め/Spell Snare》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
1 《死亡/Dead》
1 《四肢切断/Dismember》
4 《思案/Ponder》

Sideboard 
3 《水没/Submerge》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《狼狽の嵐/Flusterstorm》
2 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
1 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
2 《乱暴/転落/Rough/Tumble》
1 《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》
1 《破壊的な享楽/Destructive Revelry》



▽使用理由
・流行りのURbデルバーに有利。



環境のトップメタであるOmni-Tellに対して相性を良くする為、URデルバーが黒をタッチし、《陰謀団式療法》を代表する手札破壊を取り入れた構成が増えていました。

URデルバーに対しては《僧院の速槍》を絡めた速度に追いつけなかったり、こちらの《もみ消し》や《不毛の大地》が効きずらく、またサイド後《血染めの月》などのキラーカードがある為、不利と言えます。
ですがURbデルバーになれば話は別です。その辺りの苦手な要素が排され、元々の強みである《タルモゴイフ》分有利にゲームを運ぶことが出来ます。

デッキを選択する際に、似たようなデッキ、所謂ミラーマッチに於いて有利が取れる構成なのかどうかは非常に重要な事です。




・トップメタである奇跡デッキに有利


クロックパーミッションと言うデッキタイプは伝統的にコントロールデッキに有利です。
このマッチアップも御多分に洩れません。
特に《敏捷なマングース》は他のデルバーデッキには入っていない、奇跡キラーなクリーチャーです。
被覆を持っている為、単体除去は効きませんし、対戦相手の《師範の占い独楽》+《相殺》ロックと、《終末》だけ妨害していれば簡単に勝つことが出来ます。




・長年愛用していて、使い慣れている。
勿論これもRUGデルバーを使用に至らせた大きな理由の一つです。
レガシーは他のフォーマット比べて、多種多様なデッキとマッチングされますし、柔軟な対応が求められます。
その点でやはりデッキを使い慣れているかはとても重要です。
相手のデッキがよくわからない、自分のデッキもよくわからないでは話になりません!





以上のように

『デルバーデッキ同系と、奇跡デッキに有利、使い慣れているデッキだし、使用しない理由は無い』
という判断から使用に至りました。


▽結果

1R~3R Bye
4R Omni-Tell ×○○
5R BUG Nic-fit ○×○
6R URbデルバー ××
7R エルフ ×○×
8R Omni-Tell ○××


Bye明け2勝3敗、トータル5勝3敗でドロップ・・・!



▼反省点

・Omni-Tellへのガードの低さ



RUGデルバーを使用するに当たって、一つの懸念事項がありました。

『青単Omni-Tellとのマッチアップ』

《燃え立つ願い》などを入れて青赤としているタイプのOmni-Tellにはこちらの除去以外のすべてのカードが機能しますが、こと青単となると話は別です。
《呪文嵌め》はあて先が無く、《もみ消し》はフェッチランドに当て辛く、《不毛の大地》はほぼ意味を為しません。
《敏捷なマングース》も序盤のクロックとしては貧弱ですし、デルバーデッキの中でも一番不利な構成と言えるでしょう。

メタ上位の他のデッキ、デルバー、奇跡、エルフにはすべてやり合える自信がありましたが、このマッチアップだけ不安を感じながらの出場となり、それが見事に的中。

4R目で当たったOmni-Tellには運が良かっただけで勝ったに過ぎませんし、8R目で当たった時には手も足も出ずに負けてしまいました。

他の負けた2マッチに関しては運も絡む部分ですので、仕様が無いかなと考えていますが、もう少しOmni-Tellに対してガードを上げていれば・・・と悔いています。





3.モダン神決定戦

上記2つに比べて聞きなれない大会かと思います。
晴れる屋さんが開いている大会の一つで、将棋のタイトルマッチのように各構築フォーマットで"神"(タイトルホルダー)が存在し、それらに挑戦する大会です。
タイトルマッチは定期的に行われ、行われる度に"神"に対局料が支払われます。

詳しくはこちらをご参照下さい。
晴れる屋  神シリーズ特設ページ(外部リンク)


"神"に挑戦する為にはまず挑戦者となるべく、挑戦者決定戦で優勝しなければならないのですが、幸運にもその大会で優勝し挑戦者となりましたので、出場して来ました。


■思考過程

『どのデッキを使用するのか』

これが、この神決定戦の肝です。
1対1、対戦相手は分かっていて、3本先取の長いラウンドを戦う。
デッキ負けしているとそれが如実に出てしまいます。

・対戦相手が何を考えているか

まずはここから掘り下げました、この点で私が予想したことは一つ。

「BG系デッキと、《欠片の双子》デッキは使用してこないだろう。」



これら上記のデッキは私がモダンフォーマットで良く使うデッキタイプです。
対戦相手の砂田さんはとても上手いプレイヤーですが、私が挑戦者となった際のインタビューなどでの印象から、私を格上だと考えているふしがあり、私とのミラーマッチを避けて来るだろうと考えました。

・対戦相手が何を使ってくるか

BG系と、《欠片の双子》デッキは使ってこない。
逆にそれらのデッキに相性の良いデッキを持ち込むだろうと考えました。



第一候補は《風景の変容》デッキや、赤緑トロン、《精力の護符》コンボなど、土地を絡めたコンボデッキです。
これらはBG系デッキに相性が良いとされていますし、《欠片の双子》デッキに対してもサイドボードを厚めに取れば十分に有利な構成を作れます。



第二候補はバーンデッキ、親和デッキと直線的でアグレッシブなデッキ。
これらもキルターンや手数の多さからBG系に有利とされていますし、単純なデッキパワーも申し分ありません。

他にもソウルシスターズや白黒トークンなど、様々なデッキの可能性を考慮していましたが、取りあえずこの2つの候補に有利なデッキを調整し、持ち込むことに。



■構築

第3期神決定戦  『Order-made Jund』

24land 
2 《沼/Swamp》
1 《森/Forest》
1 《血の墓所/Blood Crypt》
1 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
4 《怒り狂う山峡/Raging Ravine》
1 《地盤の際/Tectonic Edge》

13creature
4 《闇の腹心/Dark Confidant》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3 《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》

23spell
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《終止/Terminate》
2 《コラガンの命令/Kolaghan's Command》
1 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
4 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1 《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》

Sideboard 
3 《部族養い/Feed the Clan》
2 《血染めの月/Blood Moon》
2 《魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal》
1 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1 《強迫/Duress》
1 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
1 《ジャンドの魔除け/Jund Charm》
1 《粉砕の嵐/Shatterstorm》
1 《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》


▽使用理由



んん!?相手が予想して来るだろうBG系デッキを使用している?!
とお思いの皆様、そうです。
私は相手が想定して来るだろうBG系デッキ、ジャンドを使用しました。

最初は勿論違うデッキを試していました。
土地周りのコンボデッキが第1候補でしたので、それらに有利な《精力の護符》コンボや、緑青の感染デッキなど。



しかしどちらもあまり気が乗りません。
《精力の護符》コンボは安定の無さ、プレイングの難しさから3ゲーム先取の長丁場に耐えられないだろうと言う判断で挫折。

感染デッキも似たように安定性が無く、また《呪文滑り》などのキラーカードをサイド後乗り越えられないだろうと判断しました。


"《欠片の双子》デッキを考えればメインボードから採用して来る可能性は多分にあります。"


と、言う事でデッキ案が白紙になったところで元の鞘であるジャンドデッキに戻って来ました。



想定しているデッキとジャンドデッキは相性が良くないのは事実ですが、それは通常のジャンドでの話です。
対戦相手のデッキを想定し構築すれば、ジャンドと言うデッキタイプであろうとも有利に立てる、と言う判断です。



『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。』

はニーチェの言葉ですが、今回はまさにそれだと考えました。
「飛んで火に入る夏の虫」の可能性も、勿論あります。


▽結果

○○×○



3勝1敗で勝利、モダンの"神"となりました。
対戦相手の方の使用デッキは赤緑トロンで、見事にこちらの予想が当たった形でした。(対戦相手の砂田さんもこちらをBG系か《欠片の双子》デッキと予想されていました。)


▼反省点

勝因はサイドボードの取り方だったかと思います。
対戦相手の方はサイドボードに、メインで不利なマッチアップである《欠片の双子》デッキへのカードを多く割いていて、メインボードで相性が良いBG系デッキへの対策カードを取っていませんでした。

一方こちらはメインボードから《大爆発の魔道士》を3枚取っていますし、サイドボードにはキラーカードと成り得る《血染めの月》を擁しています。

この点がサイドボード戦が多い、3ゲーム先取のマッチを勝ちきれた要因では無いかと考えています。




4.まとめ

以上、駆け足ではありますが
・プロツアー・タルキール龍紀伝(スタンダード&ドラフト)
・グランプリ・京都2015(レガシー)
・モダン神決定戦(モダン)

での思考過程と結果をお届けしました、如何だったでしょうか。

プロプレイヤーとしては、プロポイントが得れる上記二つで勝てなかったのは残念ではありますが、負け続きの最後にモダン神決定戦で勝てて救われた気がしていますw



次は5/16-17で行われるグランプリ・上海(スタンダード)に出場する予定です。
それでは皆様、次回の記事でお会いしましょうー!





市川



市川ユウキ
マスクスブロック時代よりMTGを始め、インベイジョンが入る頃に引退。
ミラディンの傷跡が発売した頃にMagic OnlineでMTGに復帰。
ほぼ同時期にニコニコ生放送にて"瀬畑"のハンドルネームでMagicOnline配信を開始。
その独特で軽妙な毒舌トークと、確かな実力から人気を博す。

配信者としてのキャリアを重ねると共に地道な努力を続け、2013年MOPTQを2期連続で突破。
更に日本レガシー選手権において前人未到の2連覇を果たし一気に国内においてブレイク。

そして2014年。『プロツアー・ニクスへの旅』『プロツアー・マジック2015』において、
2連続プロツアーTOP8入賞を果たし、プロ最高ランクであるプラチナレベルにまで上り詰める。
『プロツアー・マジック2015』において使用した《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を4枚投入した『ジャンド・プレインズウォーカー』デッキは世界のトッププレイヤー達から賞賛を受けるなど、デッキチューナーとしての評価も高まっている。

正に今、世界で最も注目を集めているプレイヤーだ。


主な戦績 
・プロツアー・マジック2015 6位
・プロツアー・ニクスへの旅 4位
・グランプリ静岡2015 3位
・グランプリ神戸2014 7位
・The Last Sun 2013 ベスト8
・Eternal Festival Tokyo 2013  3位
・2013日本レガシー選手権(夏)優勝
・2013日本レガシー選手権(春)優勝
・世界選手権2014出場
市川ユウキ、BIGMAGICとプロスポンサー契約を締結!!

市川ユウキ「グランプリ静岡への参加レポート」  

市川ユウキの「これを1000枚買え!!!」 
「タルキール覇王譚」編 
「運命再編」編
 
「タルキール龍紀伝」編 

特別企画「新環境でつかまえて」 

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俺より強い奴に会いに(フランスに)行く
モダン調整編

市川ユウキ日本代表への道
第1回 今までのおさらい
第2回 Rabble Red&ローグ特集
最終回 何故市川は勝てなかったのか

市川ユウキ(瀬畑太郎)
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