スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Sultai Ascendancy, スゥルタイの隆盛, タルキール覇王譚, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/05/09
スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy
青と黒と緑。所謂「楔3色」。この組み合わせの場合、緑とその対抗色である青と黒が組み合わさっている。非常に珍しい...ものだった。過去形なのは皆さんもご存知の通り、今では何の違和感もない色の組み合わせとなっているからだ。『タルキール覇王譚』にて登場した氏族の1つ、「スゥルタイ」は、黒を中心とした青と緑からなる勢力で"探査"とそれに関わる墓地利用をテーマとしている。
確かに、この3色が墓地利用というのはすごくしっくりくる組み合わせだ。思えば最初の墓地推しセット『オデッセイ』でもこの3色はちゃんと墓地を使い、強い色だったように覚えている。
この3色、実は墓地以外にも得意な点が...得意っていうほどかな、ちょっと疑問はあるが...まあこの《スゥルタイの隆盛》を見て欲しい。3マナ3色エンチャントサイクルの1つであり、この墓地を主戦場とする氏族のカードは...アップキープに誘発し、ライブラリーの上から2枚見て、墓地に置くもよしトップにそのままもよしな、ドロー操作兼墓地肥やしというエンチャントだ。
青は勿論、黒も追加ドロー呪文などは多く持っている。そして緑...実はドローはそこそこ得意で《森の知恵》や《ミリーの悪知恵》みたいな操作エンチャントもしっかりある、ということで3色の得意なものが1つになった、というわけだ。うーんやっぱり苦しいか?いや気にしない!
2枚見て並べ替えるか墓地に落とすか。なかなかの速度でライブラリーを掘り進むことが出来る。探査呪文との相性は悪くない。
...しかし、サイクルの他のカードに比べるとどうしても見劣りしてしまう。何故か?それはこのカードの能力が実質的に1つしかないからだ。ご存知の通り、隆盛サイクルは全てが2つの能力を持っている。それら2つの能力はそれぞれが別個に働き、あるいは同時に機能することでプレイヤーに恩恵をもたらす。
その中で、《スゥルタイの隆盛》だけがライブラリー操作能力ただ1つだけしか持っていない。これでは、気持ち見劣りしてしまうのもしょうがない。《ジェスカイの隆盛》が天下にその名を轟かせたのは、あの2つの能力合ってこそで、どちらかがオマケなどというわけではない。
《スゥルタイの隆盛》も悪くはない。悪くはないが、今の押せ押せ環境ではこれを貼ること自体がそもそもロスなのだ。なんらかの防御的な常在型能力なんかが付随していれば、あるいは天下に届いたのはこの氏族だったのやもしれぬ。
青黒緑の3色のエンチャントとしては史上初の1枚である。もうちょっと派手にしてやって欲しかったが、あるいはこの地味さが色の組み合わせ的には丁度良いのかもしれない。『運命再編』対戦キットに絵違いが収録されているのは意外と知られていない。