宝石の手の報復者/Gempalm Avenger
タグ:Card of the Day, Gempalm Avenger, MTGシングル, エルズペスvsキオーラ, レギオン, 宝石の手の報復者, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/06/10
宝石の手の報復者/Gempalm Avenger
良い時代になったもんだなと思う。ネットの普及。欲しい情報は一瞬で手に入る。マジックが今これだけ流行っているのも、ネットのおかげだと断言してしまえる。魅力的なセットをしっかりとプロモートできて、面白い試合をリアルタイム中継で観られる、そしてそれらの感想を簡単に共有できる。本当に良い時代だ。僕が中学・高校生だった頃はまだ...。
最新セットが発売される日は把握していたので、友人と二人で喜び勇んで発売日にショップに駆け込んだ(余談だが、当社の旧店舗ね)『オンスロート』に続くセットの名は『レギオン』ということは把握していた。
当時は高校生活とバイトで忙しく、また国内のマジックの情報源が乏しい状況。プレリリースにも参加していなかった僕は、新セットのインフォメーションが何一つない状態でこのセットを2ボックスを購入したのだった。今じゃ考えられん話だ。発売の2週間前には全貌が判明していて、それをスマホポチポチいじれば簡単に見ることが出来るなんて...。
で、そのボックスをビリビリしながら友人とシールドで遊ぶことにした。そして、二人ともおったまげた。「呪文入ってないやん!」剥けども剥けども出てくるのクリーチャーのみ、これでシールドって、一体どうなるというのか?お互い毎ターン肉を射出する謎ゲーではないか!...まあ、とりあえず組んでみることにした。
そして、このカードに目が留まったというわけ。呪文はここにあったのか、と。長い前置きになったが《宝石の手の報復者》との出会いは今でもありありと思い出せる。サイクリングコストが重ために設定されているが、ただの1ドローではなく大きなオマケがついてくる「宝石の手」サイクル。いずれも強力であったが、とりわけコモンの報復者はパックから飛び出まくった。
普通に唱えると6マナ3/5、ケツはデカいが、正直戦力と呼ぶにはパンチが足りなさすぎる。しかし、サイクリングで使えば全兵士に+1/+1修正と先制攻撃を付与する使い勝手の良いコンバットトリックとなる。また、逆に考えればクリーチャーが尽きている時に引いてもしょうがないコンバットトリックが最低限度の戦力として運用できる。
こういうカード、めちゃくちゃ好きや!と気付かされてからは3/5のボディも愛しいもので。シールドもお互いクリーチャーしか入っていないデッキながら、案外に面白かったものだ。最初は自分達の無知を悔やんだものだが、マジックは結局、マジックなんだよなと。いつだっておもろい。
シールドが終わっても、同セットの相性抜群な1枚《冷静なチャンピオン》と組み合わせて「サイクリング・ソルジャーズ」なんて粋がった名前をつけたデッキを構築。
はっきりいって弱いデッキではあったが、たまーにお互い手が尽きた状態からコイツを素出しして殴り始める時は、本当に楽しかった。マジックにおいて、自分が触っていて楽しいカードというのは、どんな強力な神話レアよりも、骨董品的価値を持つ希少なコレクターアイテムよりも、あなたにとって大事な1枚になることだろう。