2015.06.11
もう2週間前になりますが... 実は、まだまだ「モダンマスターズ・ウィークエンド」の話は尽きません。 エピローグとでも言いますか... |
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6/09 グランプリ・ラスベガス2015の決勝ラウンド、その中継で全世界に衝撃が走りました。 中継でご覧になった方も多いと思います。 |
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TOP8ドラフト2パック目、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のFOILカードがこんにちは。 しばらくの間、解説の黒田さんは「うわー!!!」しか言わなくなりましたね! コメントも急激に増えて、あのタイミングが一番盛り上がったと思います。 Pascal選手は悩んだ結果、自身のデッキを強化できない《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をピック。 残念ながら、本大会では優勝できませんでしたが、大会終了後、ebay(世界最多利用者がいるインターネット・オークション)に、「落札された半分は、チャリティーに寄付するよ」と宣言して出品していました。 それで6/09にオークションが終了したのですが、
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落札金額$14900!!!(日本円に換算すると約180万円) すごすぎる! 最後の最後で新たな伝説が誕生しましたね!すごいぜ、『モダンマスターズ2015年版』!
ここからは、現地でこの光景を目の当たりにした岩SHOWの感想を聞いてみましょう!
「例の瞬間から、ちょっと遡って説明していきましょうか。
二日目第2ドラフト、"ドラフト世界最強"ベン・スターク選手のピックを中継したんですが、これが素晴らしかったんですよ。 かなり早い段階から「緑白トークン・召集」というアーキタイプを決め打ちして。道中、2択がいくつかあったんですが、 それが尽く成功して。《四肢切断》というベスト除去を取りながら、フィニッシャーとなる《圧倒》が一周回って還ってくる。 これぞ、世界最高峰のドラフトだという、お手本ピックだったんですよ。解説の黒田さんも「このデッキは(10点満点なら)9点はある。3-0出来るデッキ。」と絶賛してましたね。
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結果、ベン・スターク選手見事にTOP8入り。こりゃこの勢いのまま行ってしまうな~と、多くの方々が思ったことでしょう。我々実況・解説陣もそう思っていました。そして、いざ決勝ドラフト!...これが、なんと「あんまり」だったんですよね。パリッとしない。おそらく練習段階で「緑白トークン・召集」を最有力アーキタイプに設定していたんじゃないでしょうか。それに行きたいという気持ちが抑えきれないが、流れはそれを肯定してくれるものではない。かと言って、否定してくるわけでもない。緑白を諦めさせてくれない、そんなカードの流れに翻弄されるというか、第2ドラフトで見せたキレがなかったんですよ。ピックが終了して、完成したデッキは緑中心の5色。
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決め手となるカードも取れてはいましたが、デッキとしての完成度は高くなかった。これは優勝は難しいんじゃないか、黒田さんがそう解説していると、ビデオピックが流れ出しました。先ほど生中継していたベン・スターク選手のピック、その同卓にいる他のプレイヤーのピックを録画したものを流して、この卓ではこういうことが起こっていましたという、答え合わせみたいなものですね。で、それに選ばれたのがベン・スターク選手の上家、パスカル・メイナード選手だったというわけです。
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彼のピックは、曲がりくねった道を彷徨ったベン・スターク選手のピックに比べると、一直線という印象を受けました。1パック目の段階で、「赤白二段攻撃・装備品」というアーキタイプを形成するのに十分なカードが確保できていました。下家のベン・スターク選手がこのアーキタイプに必要なカードをダダ流しになることも判明しているので、これは2パック目でデッキが完成するレベルだなと。我々実況解説陣も流れを絶賛していました。
そして、例の瞬間が訪れた、と。カードの束を手に取り、サラサラサラと内容を確認して...って、えぇ!?と。
僕らの日本向け配信ブースは、本家アメリカの配信ブースの隣にあったんですが、それまで向こうのブースの音声が漏れるなんてことはなかったんですが、この瞬間は「HAHAHAHAHAHAHA!!!!」とアメリカンな爆笑が仕切りを貫通して聞こえてきましたね。
まあそりゃ、笑うよなと(笑)。黒田さんがツボっていたのは、《タルモゴイフ》Foilが飛び出した瞬間にパスカル選手がカードを一回裏返したことでした。「思わず状態確認した」と(笑)。コメントもこのラスベガス中継内で最大級の弾幕となる中、パスカル選手は意を決して《タルモゴイフ》をピック。ここで彼のデッキを強化する《噴出の稲妻》を流したことが、後の潮流を生み出しましたね。その後、《噴出の稲妻》は彼の前に姿を見せず。十分に強力な二段攻撃デッキが完成しましたが、《タルモゴイフ》を流していればより良いデッキになったのは確かです。
結果、彼は優勝を逃しますが3位という順位につきました。グランプリ終了後、多くのプロプレイヤーが《タルモゴイフ》ピックを是としない発言をし、話題は爆発。これにより、この《タルモゴイフ》Foilはパックを剥いて出てきた他のものと違って、マジックの歴史に名を残す1つのアイテムへと昇華したわけです。メジャーリーガーの伝説的な打席で折れたバット、みたいな扱いですよね。マジックって、すげぇなと心底思いましたね。
この一大イベントなんですが、プロツアー『ドラゴンの迷路』王者であるクレイグ・ウェスコー選手が最後綺麗にシメたことによって、マネーピックをした彼への批判をシャットアウトして、終了となりそうです。クレイグ・ウェスコー選手の発言の内容は
・パスカル・メイナード選手は現在、「グランプリで稼いだプロポイント・ランキング」の1位を狙える立場にある(1位は世界選手権の参加権利を得る)。 ・しかし、金銭的理由によって、今シーズンもう他のGPには参加できないことを表明していた。事実、既に出場を見送ったGPもあった。 ・この状況を知っているから、マネーピックを批判したりはしない。今回のGPの結果が、見送る予定だったGPに参加できるようになるものであることを祈っている。 ・ところで、次のGPで《タルモゴイフ》使いたいんだけど...貸してくんねーかな?
最後にオチをしっかり用意しているあたり、素敵ですよね。この発言もあって、彼を応援したいという人は増えたことでしょう。世界選手権参加権利を巡るプロポイント、レース。我らが覚前輝也選手が抜きつ抜かれつのデッドヒートで1位を争っていることで大いに話題になりましたが、今後もっと注目されることになりそうですね。あの伝説の現場に立ち会えたことは、僕のマジック人生でも忘れられない瞬間の1つとなりました。今後も、こういった伝説に立ち会って行きたいと心から思います!」
1枚のカードが、文字通りドラマを生んだんですね...マジック、最高!
6/08 マジックオリジンのカードが何枚か判明!
今週からマジックオリジンのカードが何枚か公開されました。 (6/11現在、カードギャラリーは残念ながらまだ公開されないようです)
・威迫 ・果敢 がキーワード能力として
・占術を行う が、キーワード処理として、"常磐木"キーワードに追加されました。 ここに追加されたものは、今後飛行やトランプルのように普通に使われることになります。 ということは、今後発売されるセットでも果敢を誘発したり、占術を行うことになりそう・・・!?
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モダンマスターズの発売以降、皆さんもモダン熱が上がってきていると思います。 今週からモダンのグランプリが、3週にわたって毎週開催されています。 SCG主催のグランプリ・シャーロットを皮切りに、コペンハーゲン、シンガポールへと続きます。 マジック熱が高まった中、シャーロットにどれくらいの参加者が集まるのかも見ものですね。 注目していきましょう!ただ、FNMはモダンシーズンであってもスタンダードで開催されているところがほとんどです! モダンのデッキを持っていない...という方でも、金曜の夜はこれまでと変わらずスタンダードを満喫することが出来ます! 最近では、「マルドゥドラゴン」が大増殖しているように思います!
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Ryuji (5 - 2) Standard PTQ #8300427 on 2015-05-23 |