ジョダーの報復者/Jodah's Avenger
タグ:Card of the Day, Jodah's Avenger, MTGシングル, ジョダーの報復者, 岩SHOW, 次元の混乱Card of the Day -今日の1枚- 2015/06/09
ジョダーの報復者/Jodah's Avenger
「報復」と「復讐」って、結局何が違うのか?この2つをそれぞれ入れ替えて使っても、そんなに意味は変わらない気もする...が、根っこは意外と異なる。スパッと言っちゃうと、復讐は自身にされたことを仕返しすること。報復は、自身と他者も含めた大きな枠組みに対して行われたことに仕返しすることである。
メジャーリーグなんかで「報復死球」というのを見るが、あれはピッチャー自身が自分にデッドボール当てられて怒ってるわけじゃないよね。これを「復讐死球」と書くと、ピッチャー自身の怨念がムチャクチャこもってそうだ。多分、皆共感してくれてると思うのでこのまま話を進める。
マジックにおいて、「Avenger」が復讐者ではなく報復者と訳されているのは、別にこのクリーチャー自身が対戦相手に何かされたことを恨んでいる訳ではない、からだと思っている。自身を召喚・創造したプレインズウォーカーに対して危害を加えようとする別のプレインズウォーカーに報いを与える者、そんなところだろう。
ちなみに10枚を超える「報復者」カードに対して、「復讐者」を名に冠するカードはたったの1枚しか存在しない。マジックの世界ではクリーチャー達は赤の他人である我々のために戦ってくれている、そんな彼らの献身がこれだけの情報から感じ取れるようになったらあなたも立派なマジックホリック。
《ジョダーの報復者》も、一体そもそもコイツはどういう種族なのかもわからないのに、プレイヤーのために報復してくれる義憤に溢れたやつだ。言葉が通じる見た目には思えないが、「私のために6マナも払ってくれた」とか感謝してくれているのかもしれない。
スペックは6マナ4/4、青のアンコモンならばこれぐらいが平均値か。この多相の戦士、実は《ウルザの報復者》というカードのリメイクである。本家と同様に0マナでサイズダウンしながら、各種戦闘関係の能力を得る6マナ4/4という共通点を持っている。
ジョダーとは、ウルザの血縁の子孫である。なるほど、じいさんの時代の発明を、今風にイカす姿にモデルチェンジしたわけだ。元がアーティファクトだったのに対し、色付きのクリーチャーになったのも「時代は遺伝子操作による生物兵器だぜ」ってことなのかもしれない。
さて、得られる能力の方をザッと見てみると、これがなかなか強いじゃないか。大概の場面では、能力を2回使用してシャドーと二段攻撃を得て4点刻んでいく。青単色で二段攻撃を有するクリーチャーなんて、他には《もっとすごい変異種》しか存在しない(つまりはこのカードしか存在しないということ)。警戒を与えて防御的に振る舞い、赤に対して絶望を与える。モミールベーシックにおいて6マナ起動でこれが飛び出すと、割と勝った気持ちになれちゃう1枚である。